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浜松まつり「完全開催」まで1カ月 焦がれて5年 祭りだ準備だ 衣装、たる酒…売り場に人戻る 暴力団排除も

 会場での飲酒禁止制限が撤廃され、5年ぶりの「完全開催」となる浜松まつり(5月3~5日)の開幕が約1カ月後に迫った。新型コロナウイルス感染拡大前のにぎわい復活へ、市民は衣装の新調やたる酒の用意など着々と準備を進める。一方、2023年のまつりでは暴力団関係者の露店の不正出店事件が起きた。市民のまつりが安全かつ円滑に行われるように関係者は警戒を強めている。

まつり用品が並ぶ「祭すみたや」。衣装などの新調を考える来店客が多いという=26日、浜松市中央区
まつり用品が並ぶ「祭すみたや」。衣装などの新調を考える来店客が多いという=26日、浜松市中央区

 「これで準備は万全」。3月下旬、浜松市中央区の祭り用品専門店「祭すみたや」に来店した同区の河合笑さん(22)は、まつり衣装を試着しながら声を弾ませた。友人に初子が誕生したため、新品を身に付けて参加したいとの思いから腹かけやもも引きを購入した。「お酒を飲める年齢になったし、全力で楽しみたい」と本番を待ちきれない様子だ。
 祭すみたやの中川晋介社長(45)によると、昨年は観客の入場制限を設けず従来と近い形での開催になったものの、コロナ禍以前の半分程度の売り上げにとどまったという。「まだ様子見という空気感が残っていた」と振り返った上で「今年は衣装などをそろえ直そうと考える人が多い。売り上げも戻ってきた」と盛り上がりを期待する。
 「これから忙しくなる。社員一同、気合は十分」と言葉に力を込めるのは、花の舞酒造(同市浜名区)の営業担当田中翔太さん(34)。同社には既にたる酒の注文が入り始めている。「子どもの誕生や成長を、お酒とともに祝って」としつつも、「トラブル防止のため節度を持って飲んでほしい」と呼びかける。
 暴力団排除へ決意を新たにする年にもなりそうだ。
 昨年、会場で露店の不正出店をしたとして暴力団関係者や県西部街商協同組合の幹部らが逮捕される事態が起きた。出店許可を担う浜松・浜名湖ツーリズムビューローによると、露店の責任者だけでなく、売り子ら全員の名簿を免許証のコピー付きで提出を求める態勢になっていて、金子哲也常務理事は「警察や組合としっかり連携し、チェックを強化したい」と表情を引き締める。まつり関係者が一堂に集う4月中旬の総会で、暴排に向けた宣言を行う予定という。
 (浜松総局・岩下勝哉)

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