静岡県西部の「医業承継」一貫支援 税理士が医師結ぶサイト開設
税理士事務所かとう会計を中心としたＡＬＬ ＦＯＲ ＯＮＥ（オールフォーワン）グループ（浜松市中区）は、静岡県西部の医療機関の事業承継（第三者承継）支援を強化している。クリニックの後継者を探す医師と、開業を目指す医師を地域内でマッチングするウェブサイト「医業承継サポート」を９月末に開設した。
コスト、リスクを抑えた開業、経営を支援し、少子高齢化や人口減少が進む社会の中で地域医療の維持充実につなげる。独立、開業意向のある３０～５０代の医師や、勤務先病院を退職後に独立開業を目指す６０代の医師らの相談が増える中、譲渡側の潜在ニーズの発掘と橋渡しを通じ、円滑な承継を促進する。サイトを入り口に希望者にアクセスしてもらい、担当税理士らがニーズを元に相手先と結ぶ。
既存の医院建物や設備を引き継ぐことで最小限の改修で済むなど開業初期のコストが抑制できるほか、準備期間の短縮、看護師や事務スタッフらの雇用継続も実現しやすいという。
同税理士事務所は２０１０年に設立し、無病床の診療所や医院を中心とした医療機関約１００件を顧問先に持つ。グループ内に社会保険労務士事務所や医療コンサルティングなどを手がける会社を有し、新規開業から安定経営、医師引退に伴う承継、人材確保面まで、ワンストップで幅広い経営支援を手がけている。
帝国データバンク静岡支店によると、２２年の県内企業の後継者不在率は５３・６％だが、このうち資格が必要な医療業（病院、クリニック、助産所など）は６７・０％と大幅に上回った。
グループの加藤宏史代表税理士は「譲渡、継承側の医師のニーズに徹底して寄り添い、未来の地域医療を支えたい」と話す。
（浜松総局・山本雅子）
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