あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

スズキ、インド年産能力400万台超へ 30年度目標、シェア50%意欲 株主総会

 スズキは23日、浜松市中区のホテルで開いた定時株主総会で、急成長する主力インド市場に合わせて、2030年度に向け年間生産能力を5カ所目の新工場建設を含めて400万台を超える態勢へ増強し、乗用車シェア50%台の回復を目指す方針を明示した。鈴木俊宏社長は「市場開拓の余地はまだある。シェア50%は挑戦的な目標だが、インドに根を張り、市場の伸びに対応するよう努力する」と強調した。

株主総会に臨む鈴木俊宏社長=23日午前、浜松市中区のホテル
株主総会に臨む鈴木俊宏社長=23日午前、浜松市中区のホテル

 インド国内に加え、輸出やOEMの伸びにも対応する400万台以上の生産能力態勢は、22年度の倍増の規模。30年度に向けては、既存のマネサール、グルガオン(以上ハリヤナ州)、グジャラート(グジャラート州)の3工場(現在計225万台)に加え、25年に稼働するカルコダ工場(ハリヤナ州)と別に建設予定の新工場がそれぞれ100万台規模となる見込み。販売サービス網の拡充、SUV(スポーツ多目的車)や24年度に投入予定のEVなど商品力向上も加速する。
 22年度のスズキの四輪販売台数が11万5千台と2年前の4万台から急拡大しているアフリカ市場の開拓にも注力するとした。
 鈴木社長は30年度に向けて公表した成長戦略に盛り込んでいる国内外の電気自動車(EV)の市場投入方針を改めて説明した一方、「EVが全ての解であるとは思っていない。カーボンニュートラル実現に向けて適材適所な使い方が必要」との考えを示した。EVと併せてハイブリッド、インドのCNG(圧縮天然ガス)車、牛ふんを活用したバイオガスの活用など、市場に合わせ多様な選択肢を提供する姿勢を強調した。
 株主総会では取締役8人の選任を含む3議案を可決した。新任取締役はトヨタ自動車出身の石井直己副社長、マラソン五輪金メダリストの高橋尚子さん(社外)の2人。所要時間95分(昨年97分)、出席株主は217人(同130人)、質問者は前年と同じ6人だった。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ