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EV従量課金型の充電器 アツミテック子会社、一般利用へ実証実験 浜松市がスタンド設置支援

 浜松市西区のスタートアップ企業「GREEN CHARGE(グリーンチャージ)」は、電気自動車(EV)に充電した電力量に応じて料金を支払う従量課金型の急速充電器サービスを開発し、本格的に販促を開始した。19日には、市のサポートを受けて同市中区の花川運動公園駐車場に固定の充電スタンドを設置し、一般利用を促す実証実験を始めた。サービス検証と並行して売り込みを進め、年度内に全国で100カ所の設置を目指す。

EVの公用車への充電デモンストレーションに臨んだ中野祐介市長(右)と鈴木秀幸社長=19日午前、浜松市中区の花川運動公園駐車場
EVの公用車への充電デモンストレーションに臨んだ中野祐介市長(右)と鈴木秀幸社長=19日午前、浜松市中区の花川運動公園駐車場
公園内に設置された従量課金型のEV急速充電器
公園内に設置された従量課金型のEV急速充電器
EVの公用車への充電デモンストレーションに臨んだ中野祐介市長(右)と鈴木秀幸社長=19日午前、浜松市中区の花川運動公園駐車場
公園内に設置された従量課金型のEV急速充電器


 同社は自動車部品メーカーのアツミテック(同市中区、鈴木秀幸社長)子会社で、昨年4月に設立した。電動化進行で主力のトランスミッション部品製造の減少が見込まれる中、新事業の一環で社員が発案した。
 国内のEV向け充電器は利用時間に応じて料金が決まる仕組みが主流。一方、同じ時間で比較すると、充電器の出力や自動車のバッテリー性能など車種によって充電の電力量が異なる。
 グリーンチャージによると、一般が利用する従量課金型の充電器設置は国内初といい、代表を兼任する鈴木社長は「公平な仕組みが実現できる次世代型システム。今後の普及に向けて実験のデータや知見、経験を生かしたい」と述べた。
 同公園に設置した急速充電スタンドは幅78センチ、奥行き36センチ、高さ175センチで出力50キロワット。まず1キロワット時当たり100円で販売する。充電終了後、消費電力量や料金を示した明細がモニターに表示される。決済はキャッシュレスで、会員登録や専用アプリは不要。
 同社は自社直営スタンドのほか、レストランや商業施設などの加盟店方式の運営プランも用意している。
 実証実験は9月末まで。市は実証フィールドの提供や経費をサポートする。実験開始式に出席した中野祐介市長は「脱炭素や経済成長、環境の両立を目指したGX(グリーントランスフォーメーション)の取り組みとしても有意義だ」と期待した。

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