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自分史を脚本化、演技で表現 中高生の実体験を音楽劇に 静岡市葵区のカンパニー・ナイン 27、28日初公演

 静岡県内在住の中学・高校生を演じ手に据え、それぞれの実体験や思考を脚本や音楽に入れ込む演劇プロジェクト「カンパニー・ナイン」(静岡市葵区)が27、28の両日、同区の「MIRAIEリアン」で第1回公演を行う。21日夜、公演会場での稽古を行い、幕開けに向けて出演者と制作陣が気持ちを高め合った。

カンパニー・ナインの初公演に向け、稽古に励む中高生=21日夜、静岡市葵区のMIRAIEリアン
カンパニー・ナインの初公演に向け、稽古に励む中高生=21日夜、静岡市葵区のMIRAIEリアン


 初演目はオリジナルミュージカルで「STAGE!」と題した群像劇。演出家田中奏さん(36)=同区=が、公募で集まった中高生10人が語る自分史から印象的なエピソードをすくい上げ、脚本化した。家族、夢、友達、生死、喜び、悲しみ―。さまざまな逸話が1本の作品に結実した。田中さんの盟友で、劇団四季でも活躍したアーティスト汰生喜―Taiki―さん(31)=島根県=が、出演者一人一人に見せ場を作る形で17曲を作詞作曲した。
 初めての会場稽古では、1月から田中さん、汰生喜さんと対話を繰り返しながらダンスやせりふを固めた出演者10人が、相互の動きを確認し合った。加藤咲穂さん(静岡英和女学院高2年)は「唯一無二の演劇になると思い参加を決めた。稽古を通じて自分と向き合うことの大切さを知った」と充実の日々を振り返った。三原咲彩さん(駿河総合高1年)は「私たちの熱い気持ちを客席に伝えたい」と意気込みを語った。
 田中さんは「みんな、それぞれが主役として生きている。きっと感動を届けられる」と声をかけて稽古を締めくくった。「善と悪、闇と光。相反する要素も芸術の豊かさになる。何のために芸術が存在しているかを体感できる」と初演に自信を見せた。
 公演は27日午後6時半、28日午前11時半、午後3時半の全3回。チケットは前売り一般3500円など。問い合わせは田中さんのEメール〈9.companynine@gmail.com〉へ。
 (教育文化部・橋爪充)

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