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なぜ?「案内板の静岡市章、色が上下逆さまです」【NEXT特捜隊】

 「静岡市章は上が白色、下が青色のはず。一部の案内板で、市章の上下の色が逆さまになっているのはなぜですか?」。市立蒲原西小前校長の山口恭正さん(63)=同市清水区=から、読者の疑問に応える静岡新聞社「NEXT特捜隊」に疑問が寄せられた。

 まずは、正しい静岡市章を市役所に確認した。市総務課によると、市章は2003年、旧静岡市と旧清水市が合併して新・静岡市が誕生した時に、市民から寄せられたデザインの中から市民投票で決まった。旧2市と新・静岡市の頭文字のアルファベット「S」の形で、上の白色が富士山を、下の青色が駿河湾の波をイメージしている。表示に関するデザインマニュアルがあり、基本的に色を変更することはできないという。
 しかし、山口さんの指摘通り、市役所の目の前にある江川町地下道(葵区)などの公共地図では「S」の上が色、下が白色。本来の市章とは色が反対になっている。ルール違反ではないのか。
 市役所の担当者に尋ねた。地下道の案内板の情報を管理する市街地整備課の担当者は「確かに上下反対ですね。でも、これはルール違反ではなかったのです」と切り出した。説明によると、案内板にあるのは市章をモデルにした絵記号「ピクトグラム」。厳密に言うと、市章とは別物なのだという。
 ピクトグラムは、記号の統一化のために定められた「標準案内用図記号ガイドライン」を参考に製作した。ガイドラインでは視認性向上のため、濃い背景にイラストを配置する時には、元の絵記号の着色部分と白色部分の反転を可能としている。市内の案内板の静岡市章は、この基準などに従って色を反転させたということだった。
 ただ、色を反転させた案内板の設置後、色の反転に対して市職員の中からも「おかしいのでは」などと声が上がった。その結果、各地に設置された案内板の地図改訂のタイミングに合わせ、ピクトグラムも市章本来の色に合わせて直しているという。
 色が本来とは上下逆でも、雪のない赤富士と白波の駿河湾のようでもあり、個人的には静岡市らしいマークにも見える。やはり、直さなければならないのか。市街地整備課の担当者は「言われてみれば、確かに葛飾北斎風のようにも見えますが…。紛らわしいので今後順次、直していきます」と話していた。
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