静岡県内で唯一、静岡市内の国道1号にある「動くセンターライン」が2025年1月中旬をめどに廃止されることが正式に決定しました。背景には、取り巻く道路環境の変化が大きいといいます。
静岡市の国道1号、安倍川にかかる駿河大橋周辺の約2キロの区間にある静岡県内唯一の「動くセンターライン」は、隣接する焼津市や藤枝市が静岡市のベッドタウン化し、渋滞緩和の目的で1978年に導入されました。

上下3車線区間のセンターラインの位置を時間帯に応じて変更する「リバーシブルレーン」と呼ばれるシステム。現在は、午前0時から正午までは交通量が多い上りが2車線。正午から翌日午前0時は下りが2車線となります。今回、廃止が決定したことで2025年1月以降は常に上りが2車線になります。
今回の廃止には、静岡県警によりますと3つの理由があるといいます。
廃止発表日にトラブルが…
【「動くセンターライン」廃止の3つの理由】
▽ピークだった1985年に比べ交通量が半減している
▽中央線が時間帯によって変わることから正面衝突事故を防ぐため
▽システムの老朽化
理由のひとつとなった交通量の半減。道路環境の変化が影響しています。1992年に静岡大橋が開通すると、2018年には、静清バイパスが全線4車線化。さらに2019年には東名日本平久能山スマートICが誕生するなど、この45年ほどの間で道路の選択肢が増え、交通量が分散したことも廃止に踏み切った背景にあります。

廃止に伴う工事の具体的な日程はまだ決まっていませんが、工事は、1か月以上掛かる見通しで渋滞も予想されていて、静岡県警交通規制課の奥野仁次席は「工事期間中、工事終了後も現場の交通規制に従って、安全運転で通行していただきたい」と呼びかけます。
この装置をめぐっては11月11日、システム異常によって朝の通勤時間帯、一時通行止めとなるトラブルもありました。渋滞緩和を目的に活躍した「動くセンターライン」、全国的にも設置数が減る中、静岡でもその役割を終えます。