
消費者も生産者も困った「L玉を生んでほしいがMSサイズが…」卵の価格180円→270円と最高値に 原因はニワトリが「夏バテ」

値上げの秋。帝国データバンクによりますと、10月から値上げとなった食品の数は2911品目に及びます。こうした中、10月に入り、2024年の最高値をつけたのが「卵」で高い値で価格が推移しています。

静岡市駿河区のカフェ「メルティングポット」。定番メニューは卵を3個使ったオムライスです。
<カフェメルティングポット 近藤晴彦店主>
「心配してたが…夏暑かったので、卵まで上がってきた」
特に、人気の「大盛りメニュー」で卵の価格の高騰を実感しているといいます。
<カフェメルティングポット 近藤晴彦店主>
「うちは特に大盛無料サービスを昔からやってて、卵も多めに使うので苦しいところではあるが、大盛を求めてやってくるお客さんも多いので、我慢のしどころ」

2023年、「エッグショック」とも呼ばれた鳥インフルエンザの流行による卵の高騰。「JA全農たまご」によると卵の価格は2023年4月、過去最高の1キロあたり350円になりました。2024年1月には、180円まで落ち着きましたが、再び上昇し、10月に入り270円に達しています。
静岡市駿河区のフードマーケットマム曲金店です。
<客>
「(卵の値段が)ちょっとずつ上がっているのかなと感じる。(子どもたちが)卵焼きとか大好きなので減らす気には、他で頑張って削っている感じ」
<タカラ・エムシー 上野拓社長>
「夏からずっと高値で来ているが、しばらくこの価格が続くかなと予想している。(例年と比べて)30円、20円上がっていて、あまり良い状況ではないというのが正直なところ」
価格が安定しないことから、卵の特売やセールはしばらく行っていません。

<タカラ・エムシー 上野拓社長>
「(特売やセールを)最近状況的にできない。やはり価格がどうしても読みづらくて、もう1年くらいやってないんじゃないか」
卵の価格が安定しない状況はなぜ、続いているのでしょうか。
<清水養鶏場 清水茂さん>
「ここにあるL玉を生んでほしいんですけど、MSサイズが増えている。それだけ鳥の食べるエサが少なくなって産む卵も小さくなっている」

夏の「異常な暑さ」でニワトリが「夏バテ」してしまったといいます。
<清水養鶏場 清水茂さん>
「今までこんなことはなかった。今年初めての経験で外からの熱風が鶏舎に入らないようにできるだけ鶏舎の温度を下げた」
2024年の夏は、鶏舎の暑さ対策に追われました。
<清水養鶏場 清水茂さん>
「暑さは段々涼しくなるので、大きい卵が増えてくると思う。ただ、卵の値段は、今後夏より冬の方が需要が多くなるので、卵の値段はあまり下がらないという予測はある」
たまごの価格の高止まりは、今後も続くと懸念されています。
「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA
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