東京と新大阪の間を結ぶ東海道新幹線が開業60周年を迎えました。静岡県内の停車駅は開業当初、熱海、静岡、浜松の3つだけでしたがその後、6つに増え、県民の生活に欠かせない存在になりました。

1964年に開業した東海道新幹線は2024年10月1日が60回目の誕生日です。
「こだま804号出発です」
JR静岡駅では10月1日の朝、上り・東京行きの一番列車に合わせ、記念の出発式が開かれました。

<JR東海 中村明彦副社長>
「17駅中6駅が静岡県内で、6駅の周辺を活性化させるべく、しっかりと新幹線の輸送と地域の街づくりに貢献していきたい」
東海道新幹線は1964年の東京オリンピックにあわせて開業し、2024年10月1日までに、のべ70億人が利用しました。
最高速度は長らく210キロで、JR東海が発足した1987年当時も220キロでしたが、車両の性能アップなどで現在では285キロで走行しています。

<新幹線ファン>
「生まれた頃からずっと好きで、自分の成長とともに、新幹線も成長してきたみたいな感じ」
<通勤客>
「やっぱり乗り心地が最高ですよね。こんな素晴らしい技術がある日本はすごいなと」

<三島商工会議所 石渡浩二会頭>
Qどのあたりですか?
「信号の向こうあたり。新幹線の線路の土台のところ」
三島商工会議所のトップ石渡浩二会頭は子どもの頃、通学路に新幹線の工事現場があったと当時を振り返ります。
<三島商工会議所 石渡浩二会頭>
「今、ちょうど新幹線が通ってます。当時、三島から東京まで(在来線で)3時間かかったんです。それが約半分になると。そんな速い電車ができるんだなと思ってました。夢の新幹線。超特急っていうね」
60年前、東海道新幹線が開業した当初、県内の停車駅は熱海・静岡・浜松の3つだけでした。

三島にも新幹線の駅がほしい。
市民を中心に熱烈な誘致活動を展開しました。
<三島商工会議所 石渡浩二会頭>
「(新幹線開業の)ちょっと前くらいからそういう運動が始まったんだね。市議会にしても経済界にしても、なんとか三島に駅をということで。近隣の市町も一緒になって協力してもらいたいっていうことで、みんなで運動したんです」
駅の用地を無償で提供し、工事費の3分の1を地元17市町村が負担することで建設にこぎつけました。

東海道新幹線の開業から5年後の昭和44年(1969年)4月、“新駅の第1号”として三島駅が開業しました。盛大な祝賀行事の様子が当時の映像に記録されています。新幹線駅の開業で三島の街は急速に発展していきました。

<三島商工会議所 石渡浩二会頭>
「新幹線ができてから急にですね、大きいビルが建ち始めたんです。道路も舗装され、バスのロータリーができ、本当に街全体が活気づいてきたんですね。新幹線がなければ三島は発展しないし三島駅の新幹線を利用しながらJR東海とともに街を発展させていきたい」
新幹線は、観光でもビジネスでも静岡県の交通の要としてこれからも大きな役割を担い続けます。