9月に入りましたが、静岡県内は各地で「猛暑日」に迫るほどの厳しい残暑となっています。夏から続く異常な暑さは、いま旬を迎える秋の味覚に影響を与えていて生産者は頭を悩ませています。

静岡県内有数のクリの産地として知られる掛川市。9月13日の集荷場には、約120キロほどの美しいクリが集まりました。2023年に比べて甘味は増しているものの、満足できる量ではないと言います。

<JA掛川市営農課 吉政諒副主査>
「今年はクリにとって環境的にも厳しい年かなと思います」
JA掛川市によると2024年の出荷目標は約6トンですが、現状の出荷量は1割程度にとどまっていて大きく減っているのです。生産現場で何が起きているのでしょうか。

<ゆみげた栗園 弓桁治代表>
「例年なら今頃、(実ったクリが)沢山落ちる時期ですが現在は出荷数0となっている。本来は身が完熟して落ちるクリが、熟さないまま落ちてしまっている」
掛川市のクリ農園では300本もの木から例年、1000キロものクリを収穫します。例年この時期だと、早生品種のクリがとれるはずですが、2024年は全滅。
<ゆみげた栗園 弓桁治代表>
「本来8月10日頃の水分や栄養が欲しいときに、雨が降らないし、温度も40度近い状況で、木が苦しくなり今の時期に(完熟にならず実を)落としてします。(完熟せず)落ちたクリは、本来ベストなクリと比べると、しわがあり、ツヤもない状態」
2024年の夏の異常な暑さで全体の収穫量は例年の4分の1ほどになる見込みです。

<ゆみげた栗園 弓桁治代表>
「今年は、もう完全に赤字計上だね。天候には負けますね。今青くなっているクリは出荷できる。期待があるかな」
Q. 待っててほしいという感じ?
「そうですね!」
生産者は残る収穫に希望を持ちつつ、2025年は実り豊かな秋を迎えられるよう願っています。