南海トラフ地震の津波に備える伊豆半島の自治体は初めての「巨大地震注意」がお盆直前に発表されことで対応を迫られています。
<同報無線>
「こちらは伊豆市です。ただいま南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表されています」
津波が想定される沿岸部のある静岡県伊豆市では「巨大地震注意」の発表を受け地震の発生を想定し備えを始めました。

<静岡県伊豆市 大村俊之危機管理監>
「特に土肥地区、海岸端についてはすぐに避難所を開設できるよう職員にはその配置の周知をしたところで何かあればすぐに開設できるような準備をしています」
津波防災のまちづくりを進めている土肥地区。
南海トラフ地震の「巨大地震警戒」情報が出たら事前に避難を始める13の地域と3つの指定避難所を決めています。
<静岡県伊豆市 大村俊之危機管理監>
「住民の方から問い合わせがあれば、先ほど申し上げた通り初動の3地区どこがいいのか、場所を聞きながら開設して避難所に行ってもらう形をとりたいと思っています」
まだ、「事前避難」の段階ではありませんが、住民の不安にも対応する考えです。

<金原一隆記者>
「全国で初めて津波災害の特別警戒区域、通称オレンジゾーンに指定された伊豆市。南海トラフ巨大地震の注意情報が初めて発表されて、防災と観光を両立させる安全対策を迫られています」
海水浴シーズン真っ最中の松原海岸。

<土肥温泉旅館協同組合 関富範事務局長>
Q.きのうと比べてどうですか?
「きのうとほとんど同じくらいのお客さんがみえていただいている。きのうとあんまり変わらない気がします」
全国初の津波避難と観光施設を併設した「津波避難タワー」が7月にオープンしたばかり。
この地区の旅館の多くは、地震発生時に津波避難ビルとして住民や観光客を受け入れる訓練を重ねています。「観光と防災」の両立。観光関係者は臨時情報の発表に気を引き締めています。

<土肥温泉旅館協同組合 野毛貴登理事長>
「やはり人命ですね。人命です。地震が、その事前情報が出てる時には、まだ地震が起きてないので、それを地震が来るという前提でとにかく身構えなきゃいけないということですよね。観光客の方っていうのは特に土地勘がないので」
遊泳禁止の判断を迫られた地域もあります。西伊豆町では、9つある海水浴場のうち、2つの海水浴場が遊泳禁止になりました。
ライフセーバーが不在で、大地震が発生した際の対応が難しいと判断したのです。
<近くに住む男性>
「(海水浴場が閉鎖になったことについて)やむを得ないよね、それは。いつでかいのが来るか分からないから。それはしょうがないことですよ」
<松崎町の男性>
「(宮崎の地震は)かなり遠くの話ですからね、ここまで影響があるのかというのが、ちょっとびっくりというのがありますよね」
遊泳禁止は1週間程度続く予定です。