2024年6月下旬から7月上旬までの間、静岡県南伊豆町と松崎町でトンネルの名前やデータなどを示した「銘板」と呼ばれる看板あわせて4枚が盗まれ、警察が窃盗事件として捜査しています。どんな被害にあったのか、トンネルを管理する静岡県の職員とともに、事件の現場を訪ねました。
<下田支局 柴田寛人記者>
「南伊豆町の田面トンネルに来ています。こちらに盗まれた銘板が取り付けられていました。私の身長が170センチぐらいですが、楽々と手が届いてしまいますね」
被害があったのは、南伊豆町妻良の「田面トンネル」と「白崎トンネル」、松崎町の「室岩洞トンネル」。田面トンネルでは、北側の出入口の壁面にあった縦40センチ、横60センチの銅製の銘板がなくなりました。
<静岡県下田土木事務所 山下高詳維持管理課長>
「たぶん、何か工具みたいなものを使って、4か所のボルトを外して、さらにコンクリートの枠があって、下に落ちている」
<下田支局 柴田寛人記者>
「ああ、これですか」
<静岡県下田土木事務所 山下高詳維持管理課長>
「これが、枠に沿ってあったやつを」
<下田支局 柴田寛人記者>
「あ~、なるほど」
銘板は4本のボルトに加え、コンクリートで周りに接着してありましたが、そのコンクリートが破壊されたということです。
<下田支局 柴田寛人記者>
「これは悪質ですね」
<静岡県下田土木事務所 山下高詳維持管理課長>
「そうですね。どういう目的で盗まれたかが分からないんですけど、そこまでやってこう…取っているものですから、興味本位なのか、転売目的なのか、ちょっと困惑しているところなんですけど」
田面トンネルの南側に回ると北側にあったものと同じ銘板が残っていました。
<下田支局 柴田寛人記者>
「マイナスドライバーがあれば、誰でも外せる?」
<静岡県下田土木事務所 山下高詳維持管理課長>
「工具で締める時にはカチッと締めていて、周りの枠をコンクリートで貼り付けてあるものですから、素人が普通に回しても外れないかと思うんですけど」
銘板には、トンネルの完成年や長さ、幅、高さの数字が刻まれ、維持や管理のために必要なデータを示しているということです。
<下田支局 柴田寛人記者>
「窃盗をした人に言いたいことは」
<静岡県下田土木事務所 山下高詳維持管理課長>
「そのままの形で戻してもらえれば、また付けられますし、そういうことを祈りたいですけど」
警察は付近の防犯カメラの映像を確認するなど、捜査を続けています。