老朽化のため、解体が決まっている静岡市清水区のカトリック教会の聖堂で6月2日、市民に向けた最後の見学会が開かれました。訪れた人は、90年ほど前に作られた貴重な建築物を目に焼き付けていました。
市民が見学しているのは、「カトリック清水教会」の聖堂です。今から約90年前の1935年、フランス人のドラエ神父が建設し、西洋の伝統的なゴシック様式を木造建築で再現した希少な建築です。
<カトリック清水教会聖堂を活かす会 松永和廣理事>
「木造のゴシック建築というのが、一番大きな話で、日本で木造のゴシック建築で、天井がリブヴォールトの建物が最後に確認できているのは、1938年の建物が一番新しい。この建物は1935年なので、この建物がほぼ最後という点でも、非常に貴重な建物」
しかし老朽化のため、7月中に解体することが決まっていて、2日が聖堂を見学できる最後の日となりました。
<カトリック清水教会聖堂を活かす会 松永和廣理事>
「グラグラして、こうして止まる。これはすごいですよね」
聖堂の窓は障子のようなデザインで、重りによって窓の開きを調整できる仕組みになっています。また、天井には空間を広く表現する様式が使われています。
<参加した子ども>
「この教会には、たくさんの歴史があるし、ヨーロッパ人とかが手伝ったり、工夫とかこだわりがたくさんあってすごいなと思った」「今までここの(隣の)保育園に通っていたし、思い出が残っているからちょっと寂しい」
<参加した女性>
「この地域で、この教会がないというイメージが湧かないくらいですね。でも、どこかで建ってくださるなら、皆さんの努力に感謝いたします」
<カトリック清水教会聖堂を活かす会 松永和廣理事>
「当時とまったく同じことができなくても、できるだけ近い工法で作って残していくのが後世の人にとっての資料になっていくのではないか」
教会は清水区内に移築予定で、7月から移築資金を募るクラウドファンディングを始める予定です。

