タカアシガニ放流「また帰ってきてね」 沼津市戸田、昨年以降不漁続く
沼津市商工会戸田支所は16日、戸田地区特産のタカアシガニ48匹を戸田港沖で放流した。タカアシガニは近年不漁が続いていて、放流を生態解明と資源保護につなげる。授業の一環で戸田小中一貫校の5~7年生20人も参加した。
![タカアシガニを船から放流する児童ら=沼津市戸田の戸田港沖](/news/images/n148/1471648/IP240516TAN900035000_0001_CDSP_1.jpg)
放流したのは、子持ちのメスや小ぶりの個体。放した時期や場所がわかるようにタグをつけた後、重さ、性別、甲羅の大きさを計測した。
子どもたちは船に乗って沖合1キロ、水深120~150メートルの地点に到着。「また帰ってきてね」と声をかけながら、海に放した。同校5年の石原花音さん(10)は「小さな雄を放流した。戸田に帰ってきた時に大きくなっているのが楽しみ」と期待した。
放流は1986年から続けている。支所によると、昨年は天候の影響で出漁が少なく、水揚げ量が激減。生息域も北上している可能性があるという。支所会計理事の中島寿之さん(70)は「タカアシガニは研究が進んでおらず、謎が多い。放流が生息域の変化や生態の解明につながれば」と話した。