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静岡県内で最大10センチの津波 被害なし、注意報解除 2日深夜のフィリピン地震

 2日午後11時35分ごろ、フィリピン付近で地震が発生し、3日に日本の太平洋側各地で最大40センチ、静岡県内では同10センチの津波が観測された。気象庁によると地震の規模はマグニチュード(M)7・7で、同庁は静岡など11都県の沿岸部に津波注意報を出したが、同日午前9時までに全て解除した。
 県によると、けが人や建物の被害などは確認されなかった。同日午前に10センチの津波が観測されたのは沼津市内浦、焼津市、西伊豆町田子の3地点。御前崎市では微弱な津波が観測された。沼津市の海岸と河口付近、熱海市の沿岸地域に対しては一時、避難指示が発令された。下田、松崎、熱海の3市町は避難所を開設し、最大で26世帯27人が身を寄せた。
 本紙の取材によると、津波注意報発表に伴い、沼津、焼津、掛川など県内16市町は防災訓練を全面的に中止。静岡、富士など4市町は沿岸部などでの一部訓練を中止した。ほか15市町はほぼ予定通り実施した。 

一時避難指示の沼津 大型水門閉門、海水浴場閉鎖
扉体を下ろした「びゅうお」=3日午前8時20分ごろ、沼津市 一時避難指示が出た沼津市では、関係機関が沼津港大型展望水門「びゅうお」を閉門したり、西浦平沢の海水浴場「らららサンビーチ」を閉鎖したりした。一方、沼津港での競りや飲食店営業はおおむね通常通り行われ、日中は普段の週末より人出は少なかったものの、観光客でにぎわった。
 びゅうおは午前3~10時ごろ、津波注意報の発表を受けて海面まで閉門した。港では早朝から、帰港した漁師の姿や陸送品を運んだトラックが見られた。水産卸「佐政水産」によると、海産物の競りは通常通り行われたという。
日中の沼津港。普段の週末より人出は少なかったものの、観光客でにぎわった=午後1時ごろ、沼津市 同港で飲食店を営む水産卸「かねはち」によると、周辺の飲食店も通常通り朝から営業した。日中、家族で訪れたという三島市の30代男性は「注意報が解除されたのを確認してから来た。人は多いが、いつもの土日に比べると少ない印象」と話した。同社の小松正人専務取締役(45)は「港で具体的な取り決めをしておかないと、(大規模な津波など)いざという時にどう動けばいいか分からなくなるかも」と危惧した。

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