あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

静岡市内の起業、事業拡大支援 市新プログラム始動 研修、金融機関とマッチング

 静岡市は、同市を拠点に起業や事業拡大を目指す事業者への本格的な支援に乗り出す。「市アクセラレーションプログラム」と銘打ち、公募により選定した事業者に対して約5カ月間、専門家との面談や、市内事業者とのマッチングなどの機会を提供し、ビジネスプランの磨き上げや実証実験の実施につなげる。産官学で連携し、参加事業者の成長を後押しするとともに、市内企業のイノベーション創出にも生かす。

キックオフイベントで取り組みを紹介する参加事業者=静岡市葵区
キックオフイベントで取り組みを紹介する参加事業者=静岡市葵区


 起業前や創業後数年程度の事業者が対象の「インキュベーションコース(育成支援)」には3事業者が参加する。定期的な研修や、実際に起業して成功した経営者との個別面談、市内の企業や金融機関、大学でつくる支援チームとのマッチングなどを進める。
 市内事業者との協業などで事業拡大を目指す事業者対象の「PoC型アクセラレーションコース(協業支援)」には2事業者が参加。企画の事業化を見据えた実証実験の実施に向けて、個別の課題と必要な支援などを市や関係企業と議論していく。プログラム終了後も事業者同士が取り組みを継続できるような方針も議論し、策定する。
 2024年2月下旬には5カ月間の取り組みや成果を紹介する発表会を開催する。同市葵区で今月6日開かれたキックオフイベントで、市経済局の稲葉光局長は「(先進的に取り組む自治体などの)良い事例を拾ってうまく進めていきたい」と話した。

アプリ作成やエコタイヤ開発 参加5社取り組み紹介  静岡市は6日、市アクセラレーションプログラムのキックオフイベントを同市葵区で開いた。約40人が出席し、参加事業者5社が会社の紹介やプログラムで取り組むことを説明した。
 インキュベーションコースに採択された同市の「GooZEN(ぐうぜん)ラボ」は就活生や求職者向けの企業紹介動画配信アプリの作成に取り組んでいる。市内企業の紹介動画を登録者にランダム配信し、企業と就活生らの「偶然の出会い」を創出するアプリで、市内企業の雇用確保や若者の県外流出の食い止めにつなげる狙いがあるという。5カ月間でターゲットの明確化やサービスの磨き上げ、顧客開拓を進めたい考えだ。
 環境にやさしいタイヤの開発を進めている富士市の「リッパー」は、タイヤの粉じんが海に流れ、海洋汚染につながっている現状を説明。実用化に向け、静岡市のシェアサイクル「パルクル」と連携した実証実験などに取り組むことを希望しているという。アクセラレーションコースに参加する。  (政治部・池谷遥子)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ