平和願う地上絵、富士の麓に完成 巨大フレスコ画 世界的芸術家「手をつなぎ連帯して」【動画あり】
世界中の大地にフレスコ画を描くフランス人のランドスケープアーティストSAYPE(セイープ)さん(34)が富士市永田町の中央公園で制作を手がけていた巨大作品が10日、完成した。19日に広島で開幕する先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)を前に、「手をつなぎ連帯し平和を実現したい」と訴えた。
作品テーマは、パリやドイツのベルリンなどでも制作してきたシリーズ「壁を乗り越えて」。4日から作業に取りかかり、人と人が手を取り合う様子をモチーフに、白黒で縦約25メートル、横約120メートルの大きさに仕上げた。
永遠の象徴と捉えた富士山を起点に構図を考え、片方の腕には新しさや若者を意味するタトゥーを入れた。分断は対話で解決し、共存できると強調した。作品は5月下旬ごろに自然に消えるという。
フレスコ画制作を企画した団体「ユナイテッド・ボイセズ」による招待がきっかけで4月から「日本ツアー」に挑戦している。太平洋戦争の激戦地となった沖縄、原爆が投下された長崎、日本を象徴する富士山の麓の富士市へ巡ってきた。セイープさんは作品の出来栄えについて「メッセージを理解して協力してくれる人が多くてうれしい、最高の気持ち。完成してとても満足している」と語った。
同市はウェブサイトで上空から撮影した映像を掲載している。