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浜松まつり 祝いの飲食需要、行方は...気をもむ酒、仕出し業者

 コロナ禍4年目の浜松まつりの開催方針が24日、決まった。主催者のまつり組織委員会は浜松市中心街での御殿屋台の引き回しなど“コロナ前”の形に近づける一方、飲食を伴う初子祝いの振る舞いの再開には慎重姿勢を崩さない。苦境が続く酒類や仕出し料理の取扱店は事態の好転を願って組織委の今後の協議に注目しつつ、「以前のような初子祝いはもう無理なのかもしれない」と不安交じりのため息が漏れる。

たる酒の見本を紹介する浜松酒造の宮林一夫さん。初子祝い用に人気の品だった=24日午後、浜松市中区
たる酒の見本を紹介する浜松酒造の宮林一夫さん。初子祝い用に人気の品だった=24日午後、浜松市中区

 子どもの誕生を祝い、健やかな成長を願う浜松まつり。初子の家族が祝いの初凧(だこ)揚げなどのお礼として、町内の参加者に酒や料理を提供するのが慣習になっている。
 初子祝いで人気の樽(たる)酒などを扱う浜松酒造(同市中区)では、毎年祭りの時期に入っていた数十件の祝い酒の注文がコロナ禍でほとんど消えたという。受注用のチラシ作製や樽の仕入れは計画しつつ、顧問の宮林一夫さん(64)は「祝いの場で感染者を出したくないとの声が多い。振る舞いの再開が決まっても、祝い酒の注文が回復するのは難しいだろう」とみる。
 組織委は、各参加町の準備作業の詰め所となる公民館などでの飲食を前年同様に禁止した。5月3~5日の祭り期間中の飲食の在り方については、3月中に結論を出すという。
 参加町向けにオードブルを販売してきた仕出し料理店「味の江戸松」(同区)の鈴木英司社長(66)は「本来なら、祭りは一番の書き入れ時。あまり期待はしていないが、少しでも良い結果になってほしい」と切望する。

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