山岳保全や地域振興で連携 静大農学部と川根本町が協定
静岡大農学部と川根本町は25日、山岳環境の保全や山村振興に関する協定を締結した。同大が演習林として活用する町有林「南アルプスフィールド」を拠点に、地域の特徴を生かした教育・研究や人材育成、環境保全や技術問題の解決、町民への情報発信などに連携して取り組む。
南アルプスフィールドは宿舎を擁する約250ヘクタール、標高1400メートルの演習林で、同大が1964年から森林生態系や山地保全の研究を続けている。協定を基にこれらの知識を町に還元し、南アルプスユネスコエコパークに認定されている同町の環境施策やまちづくり、関連産業の発展などを目指す。
町役場で調印式があり、鳥山優学部長と薗田靖邦町長がそれぞれ協定書にサインした。鳥山学部長は同演習林が2023年度新設する大学院修士課程「山岳流域研究院」の調査・研究拠点になることに触れ「他に例を見ない野外教室として、恵まれた環境を生かしていく」と述べた。薗田町長は「山林の管理は防災とも密接に関わる。子どもたちに山や自然の良さを伝える教育にも力を入れていきたい」と期待を寄せた。