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テーマ : 国際

ウクライナ、軍への動員法案可決 侵攻長期化、兵士確保へ再構築

 【キーウ共同】ロシアの侵攻を受けるウクライナの最高会議(議会)は11日、軍への動員態勢を再構築する法案を可決した。侵攻長期化と死傷者増大でウクライナは兵士の早期確保を迫られている。ただ、動員された兵士を36カ月間で交代させるとの規定が、審議の最終盤で削除されたことへの不満も出ている。

動員解除の時期を新法で定めるよう求めてデモをする兵士の家族ら=11日、ウクライナ・キーウ(ロイター=共同)
動員解除の時期を新法で定めるよう求めてデモをする兵士の家族ら=11日、ウクライナ・キーウ(ロイター=共同)

 新法は大統領が署名後に施行される。最高会議議員らによると、法案は(1)18~60歳の男性に、軍当局への個人データの登録、関係書類の常時携行を義務付ける(2)動員の規則に従わない場合、車両の運転を禁止する(3)志願兵に経済的支援を与える―ことが盛り込まれた。
 登録手続きをオンラインで行うことも可能とした。軍当局が動員対象となる国民を把握し、十分な兵力を確保できる環境をつくり、動員逃れの不正を防ぐ狙いがある。
 ただ新法がどの程度の追加動員を可能にするのかははっきりしない。ゼレンスキー大統領は昨年12月、軍から45万~50万人の追加動員を求められたと発言した。今年2月に就任したシルスキー軍総司令官は3月、部隊編成見直しで必要な動員数は「かなり減った」と述べたが、具体的な数字には言及しなかった。
 一方、法案は動員解除までの期間を定めなかった。当初の政府案では36カ月間とされたが、シルスキー氏の要求に応じて削除された。
 経験豊富な兵士の除隊は、部隊の戦闘能力低下につながると懸念したとみられる。しかし、長期にわたって戦闘に従事する兵士やその家族からは強い不満が上がった。
 ウクライナ政府は昨年12月、動員法案を最高会議に提出。最高会議では多数の修正要求が出され、審議が遅れていた。

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