あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 国際

独フリゲート艦、8月に東京寄港 対中国抑止、日本と連携

 【ベルリン共同】ドイツ海軍のフリゲート艦が5月7日にインド太平洋地域に向けて出港し、8月後半に東京に寄港することが13日、外交筋への取材で分かった。台湾海峡や東・南シナ海で現状変更の試みを続ける中国をにらみ、地域への関与を進める戦略の一環。民主主義や法の支配などの価値観を共有する日本と連携し、中国の威圧的行動を抑止したい考えだ。

ドイツ海軍のフリゲート艦「バイエルン」=2021年11月、東京国際クルーズターミナル
ドイツ海軍のフリゲート艦「バイエルン」=2021年11月、東京国際クルーズターミナル

 ドイツが昨年7月に対中戦略を策定後、軍艦の日本寄港は初めてとなる。空軍も今年6~8月にインド太平洋地域に戦闘機を派遣する。世界人口の半数以上を擁し世界経済の成長を支える同地域は、欧州も戦略的に重視。フランスや英国も近年、軍艦や空母を展開させて存在感を示した。
 ドイツは2020年にインド太平洋に関する戦略を策定し、21年に海軍艦艇として約20年ぶりにフリゲート艦を、22年には戦闘機も初めて日本に派遣した。外交筋は「艦艇や戦闘機の継続的な派遣は、インド太平洋地域への関与を重視するドイツの本気度を示している」と指摘した。
 今年はフリゲート艦と共に補給艦も派遣する。米ハワイ周辺で米海軍主催の環太平洋合同演習(リムパック)に参加するほか、海上自衛隊を含めた多国間訓練を実施する。戦闘機はオーストラリアやハワイ、インドで大規模演習に加わり、7月22~25日に航空自衛隊との訓練飛行も予定する。
 ドイツのフリゲート艦は21年に日本に寄港した後、中国が軍事拠点化を進める南シナ海を航行した。中国への配慮から上海への寄港を打診したが、中国政府は拒否し、不満を示した。

 ドイツのインド太平洋戦略 中国の台頭やアジア経済の重要性の高まりを背景に、ドイツ政府は2020年9月に「インド太平洋ガイドライン」を策定。大国間の対立が表面化しているインド太平洋地域の安定がドイツの安全や豊かさにつながるとし、友好国との安全保障や経済分野での連携強化を打ち出した。23年7月には初の対中戦略をまとめ、中国は「自国の利益のため、既存のルールに基づく国際秩序を変えようとしている」として「体制上のライバル」と位置付けた。

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

国際の記事一覧

他の追っかけを読む