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8月19日 編集長セレクト

 おはようございます。昨夜は雨の音で何度も目が覚めてしまいました。
 さて、知る・見る・学ぶ記事まとめ〈知っとこ〉は今日も4回更新を予定しています。この時間は、押さえておきたい記事を4本セレクトしてお届けします。
 〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・寺田将人〉

土砂災害に警戒を 断続的に激しい雨 静岡県内、19日も大雨恐れ

 前線に向かって南から温かく湿った空気が流れ込んだ影響で、静岡県内は18日、断続的に激しい雨が降った。19日も大気の状態が不安定になり、一部の地域で大雨になる見込み。静岡地方気象台はこれまでの大雨で地盤が緩んでいることから、土砂災害への警戒を呼び掛けている。

大雨で冠水した道路=18日午後、沼津市鳥谷
大雨で冠水した道路=18日午後、沼津市鳥谷
 同気象台によると、15日午後11時の降り始めから18日午後4時までの総雨量は静岡市葵区有東木295・5ミリ、浜松市天竜区佐久間町で275ミリ、静岡市葵区井川271ミリ、川根本町264ミリなど。佐久間町では8月1カ月の雨量の平年値を上回った。
 沼津市では昼すぎか大雨となり、市道3カ所が冠水で通行止めになった。高橋川と沼川の水位も上昇し、市は流域の原、浮島の両地区に「高齢者等避難」を発令した。同市鳥谷では道路の冠水で通行をあきらめた車両が引き返す様子が見られた。付近に住む渡辺武夫さん(88)は「大雨が降るといつも冠水するが、今年は特に多いように感じる。今後も雨が続くと心配」と話した。
 同気象台によると、19日午後6時までに予想される24時間雨量はいずれも多いところで中部、西部、東部60ミリ、伊豆40ミリ。

最多590人感染 18日の静岡県内 県「2週間後 病床埋まる」

 静岡県内で18日、590人の新型コロナウイルス感染が確認された。2日連続の最多更新で、17日の435人を大きく上回った。県は現状のペースで入院患者が増えた場合、コロナ対応病床は2週間後に埋まるとの試算を明らかにした。重症化予防に効果があるとされる抗体カクテル療法の体制整備と酸素ステーションの開設を主に宿泊療養施設で急ぎ、症状が悪化して入院に転じる人の数を抑える方針。

静岡県内の新型コロナウイルス感染者(18日現在)
静岡県内の新型コロナウイルス感染者(18日現在)

 県は各病院に協力要請し、病床確保を進めている。9月初旬までに段階的に635床を確保できる見通しだが、感染力の強いインド由来のデルタ株の影響で感染者数の急激な伸びがこれを上回り、試算では同2日ごろには満床になる。
 県によると、抗体カクテル療法は2種類の中和抗体を組み合わせた点滴薬を投与する治療法。医師が宿泊療養施設で稼働させる。酸素ステーションは酸素投与が必要な中等症患者に治療を行える体制を整える。宿泊療養施設のほか、県有施設などでの開設も視野に入れる。静岡市と焼津市では新たに計2件のクラスター(感染者集団)が発生した。静岡市は清水区の製造業の事業所で社員10人が、焼津市は事業所で従業員5人が感染した。
 静岡市と浜松市の新規感染者は2日連続で過去最多を更新。発表件数はそれぞれ137人と141人だった。
 県は16日に公表した1人を感染者から除外し、県内の累計感染者数は1万5600人(再陽性者を含め1万5601人)になった。

「おれおれ詐欺」急増 医師や息子装う手口 静岡県警注意呼び掛け

 息子や医師などをかたって現金をだまし取る「おれおれ詐欺」の被害が今夏、静岡県内で急増している。沼津市内では7月下旬以降、喉の病気を理由に声の違和感をごまかす手口で、高齢女性が現金をだまし取られる被害が3件発生した。県警生活安全企画課の担当者は「医者や病院をかたることで、重い病を心配して平常心を失う家族の心理を突いている」と指摘する。

静岡県内のおれおれ詐欺の被害状況
静岡県内のおれおれ詐欺の被害状況

 同課によると、県内の2021年の被害認知件数は17日現在、前年同期比47件増の92件(速報値)となり昨年1年間の認知件数67件を超えた。被害額は4642万円増の1億5424万円に上っている。3月以降は、6月を除き毎月10件以上の被害を確認した。7月は15件、8月は17日現在で19件(速報値)を数えるなど増加傾向にあり、関係者は危機感を強める。
 手口では、息子や医師などをかたるサギ電話が多いという。「喉の病気で(息子さんが)病院に来た」などとうそをついたり、「仕事の書類を送り間違えた」と言って、金銭やカードを要求したりする場合がある。市役所職員などをかたる還付金詐欺も増加している。県警は「現金やキャッシュカードを要求する電話は特殊詐欺を疑い、警察に相談してほしい」と注意を呼び掛ける。

 ■過去に詐欺防いだ女性、見抜けず
 「息子さんが喉の病気で病院に検査に来た。強い薬の副作用で声が出にくくなる」-。5日午後、息子と2人暮らしの沼津市の80代女性宅に、県内の病院の医師を名乗る男から電話があった。女性は「身内に喉のがんになった人はいるか」などと落ち着いて話す男を医師だと信じ切ったという。
 その後、息子や病院の警備員をかたる男から電話が連続した。女性は息子を名乗る男から「(病院で)会社のキャッシュカードを盗まれた。取引先に支払うお金を用意できないか」と頼まれ、自宅を訪れた上司の息子を名乗る男に現金200万円を手渡した。
 女性は偽の息子が「(会社のカードを盗まれた)失態を知られたくない。誰にも言わないで」と繰り返したことで、大ごとだと思い込んだ。“息子を助けたい”という母親の思いが詐欺グループに利用された。
 女性には、5年ほど前にサギ電話を受けた際、息子の連絡先を確認して被害を防いだ経験があった。「まさか自分がだまされるとは思わなかった。情けない自分に腹が立つ」と悔しさをにじませた。

静岡県内一茶生産量2.7%増 2年連続1万トン割れ 農水省統計

 農林水産省が18日発表した2021年の一番茶生産量統計によると、静岡県の荒茶生産量は前年比2・7%増の9680トンだった。記録的な大減産で過去最低を更新した前年から増産に転じたが、2年連続で1万トンを割り込んだ。

過去5年の一番荒茶生産量
過去5年の一番荒茶生産量

 主要生産5府県(静岡、鹿児島、三重、京都、埼玉)内の本県シェアは1・44ポイント上昇の45・87%で全国1位を維持した。2位の鹿児島の生産量は0・7%減の7950トン、シェアは0・11ポイント下降の37・67%と差は開いた。
 5府県の合計は、霜害の影響などで伸び悩み0・4%減の2万1100トンだった。本県も4月以降の低温や少雨などを理由に新芽の生育が一時抑制されたが、前年を260トンほど上回った。
 県内の新茶取引は新型コロナウイルス感染拡大に伴う巣ごもり需要を取り込む形で、インターネット通販向けなどの需要が旺盛だった。生葉収穫量は3%増の4万8千トン、10アール当たりの収量は9%増の369キロと、一定量を確保しようとする農家が目立った。
 JA静岡経済連のまとめでは、1キロ当たりの平均単価は前年比18・4%(325円)高の2085円と4年ぶりに回復した。