JR清水駅東口に建設された「JCHO清水さくら病院」の竣工記念式典が1月23日に開かれました。20年以上の紆余曲折を経て生まれた病院には、地域医療の新たな拠点としての期待が高まります。
竣工式を迎えた「JCHO清水さくら病院」。新しい病院は、JR清水駅東口からペデストリアンデッキで直結していて徒歩3分で着きます。病院は、鉄骨造の地上7階建てで、内科や外科など8つの診療科があり、病床数は159床です。
この病院、完成までに実に20年以上の紆余曲折がありました。
<桜ヶ丘病院職員>
「この辺りが雨漏りの跡、強い雨が降って壁をつたって雨漏りして、この辺りにバケツを置いて対応したりしていました」
長年、清水の地域医療を支えてきた桜ヶ丘病院。しかし、施設の老朽化が進み、移転が検討されてきました。一時は静岡市役所清水庁舎の駐車場への移転案もありましたが断念。2020年ようやく決まった移転先は、津波浸水想定区域のJR清水駅東口でした。
そこで、2階の診察エリアは、津波の最大浸水想定2.66メートルを上回る6メートル以上に設置。また、機械や電気設備などを3階以上に配置することで、浸水した時でも診療ができるよう設計されています。
<県政担当 坪内明美記者>
「3階にあるこちらのホールは、災害時、避難した人の中で医療を必要とする人を受け入れを想定しています」
ホールやリハビリテーション室は災害時の救護スペースとして設計され、患者50人の受け入機能を確保しました。また、入院フロアは5階以上で、こちらも浸水しても人的被害が起きないよう設計されています。
<JCHO桜ヶ丘病院 森典子院長>
「とにかく患者様にやさしい、療養していてもほっこりするような空間、あるいは色とか、そういう状況を味わっていただきたい」
<JCHO 山本修一理事長>
「本当に使いやすい病院ができたことで、住民の皆さんへの医療提供もしっかりできるし、働いているスタッフもこういういい環境で本当にやりがいを感じて仕事ができるのではと期待している」
<静岡市 難波喬司市長>
「新しい病院ができて、とりわけ救急の面で非常に頼りになるのではないかと思っている。非常に心強い体制ができるということで、もう我々としては頼りにしたい。本当に感謝しています」
清水の新たな地域医療の拠点として期待される「JCHO清水さくら病院」は、3月1日に開院し、外来診療は3月3日から開始する予定です。