テーマ : 高校野球 静岡

記者コラム「清流」 かっこいい敗者たちへ

 夏の高校野球静岡大会4回戦で第2シードの日大三島に2-5で敗れた浜松市立の取材を担当した。「想定通りの試合展開」「持ち味は出せた」。指揮官やエースから敗者とは思えぬ言葉が次々と飛び出し、充実ぶりが伝わってきた。
 地力の差を考慮して1イニング1失点に抑える戦略で臨み、6回まで3失点にとどめた。7回こそ2点を奪われたが、8回に2点を返してスタンドを沸かせた。「逃げずに戦えたが、相手に隙がなかった」。敗因を語る指揮官の言葉からは、すがすがしさすら感じた。選手たちの表情が唯一、胸の内に秘めた悔しさを物語っていた。
 今後の人生でも、劣勢下で勝負を強いられることや理不尽に耐える場面がある。そんな時、この夏の敗戦はきっと大きな糧になる。笑顔を咲かせる種になる。
(東部総局・矢嶋宏行)

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