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きょう投開票 静岡県知事選

 任期満了に伴う静岡県知事選挙は、きょう20日、投票日を迎えました。一部地域を除いて午後8時まで投票が行われ、深夜に大勢が判明する見通しです。選挙戦終盤、候補者がそれぞれ有権者にどんなアピールをしたのか、まとめました。
 〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・村松響子〉
 ▶候補者情報/開票速報/略歴、公約、演説、横顔

選挙戦最終日 何をアピール?

 17日間の選挙戦の最終日の19日、4選を目指す無所属現職の川勝平太氏(72)、無所属新人の前参院議員岩井茂樹氏(53)=自民推薦=はそれぞれ各地を巡り、県都静岡市で遊説を締めくくった。梅雨空の下、有権者への最後のアピールに声を振り絞った。

(左)有権者に最後の呼び掛けをする川勝平太氏=19日午後、JR浜松駅前/街頭演説で最後のお願いをする岩井茂樹氏=19日午後、浜松市中区
(左)有権者に最後の呼び掛けをする川勝平太氏=19日午後、JR浜松駅前/街頭演説で最後のお願いをする岩井茂樹氏=19日午後、浜松市中区
 
 ■川勝氏 「命を守り富を創る」
 川勝氏は静岡県東部を皮切りに最終日の街頭演説に臨んだ。JR沼津駅前では、健康産業と観光の振興に意欲を示し「命を守り、富を創る。有言実行の川勝平太だ」と県政継続への支持を訴えた。
 その後は全国知事会の公務を挟み、大学の学長時代を過ごした浜松市へ。当時の教え子が作った応援メッセージ入りのTシャツを着てマイクを握った。浜名湖に未来都市を創る構想を語り「やらまいか精神で新時代を開こう」と呼び掛けた。
 リニア工事に伴う大井川の水問題に関心が高い流域各地を回り、県都・静岡市の中心街をフィナーレの地に選んだ。夫人の応援演説に続いて「国から自立する。富士山の美しい姿に恥じない静岡県をつくる」と強調した。

 「現場主義」を実践 選対本部長・阿部卓也氏 
 川勝平太氏は3期12年、無党派の県民党を貫き、「静岡県知事」そのものの職務に専念してきた。県民党として温かみのある選挙態勢を組めた。政党の論理や県庁の論理、机上の論理ではない、12年間実践してきた県民生活の中から考える「現場主義」を選挙戦で実践できた。政策論争を望んだが、かみ合わず、至極残念だ。
 
 ■岩井氏 「声を聞き未来示す」
 岩井氏は静岡市清水区で遊説をスタートさせると、午後には浜松市に入り、西部地区で最後となる演説を行った。岩井氏は川勝氏の政治手法を「対立、分断をあおる」と批判し、「目の前の問題を解決するためには多くの人の声を聞くことが大事。その意見をまとめ上げ、新しい未来を示すのが本来の知事の役割」と強調した。
 最後の遊説は静岡市葵区の中心市街地。雨の中、呉服町を歩いて通行人に支持を訴えるとスクランブル交差点に陣取り、応援に駆け付けた上川陽子法相の横でマイクを握った。岩井氏は「国と連携し、皆さんに政策を届けるよう全力を尽くしたい。恩返しをさせてください」と絶叫し、支援を訴えた。

 全党一丸で戦った 選対委員長・塩谷立氏
 県内35市町を回り、「県民の声を聞く」という姿勢を大事に「対話」と「連携」を訴えた。自民党の組織を挙げ各議員、支部がフル活動し、全党一丸となって戦った。県の衰退を案じ、県の未来のため参院議員を辞し、退路を断って知事選に臨んだ岩井氏の熱意が県民に波及し、やっと現職の背中に追い付いてきた実感がある。

〈2021.6.20 あなたの静岡新聞〉⇒元記事

立候補2氏 公約は?

 4選を目指す現職の川勝平太氏(72)と前参院議員の岩井茂樹氏(53)=自民推薦=は選挙戦で新型コロナウイルスの感染拡大防止や停滞した地域経済の活性化をはじめ、激甚、頻発化する自然災害に備えた危機管理対策、医療・福祉、教育の充実、観光文化・スポーツ施策の推進など幅広い政策を主張している。公約に川勝氏は7項目、岩井氏は8項目を掲げる。それぞれを紹介する。

 
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立候補2氏の公約。左が岩井茂樹氏、右が川勝平太氏※選挙運動用ビラから引用

注目の争点、リニア問題 論戦活発化

 20日の静岡県知事選の投開票まで1週間を切り、リニア中央新幹線工事に伴う大井川の水問題に関する論戦が活発化してきた。リニア問題が最大の争点と訴える現職の川勝平太氏(72)は県内各地で国、JR東海と対峙(たいじ)する姿勢を強調。13日から大井川流域入りした新人で前参院議員の岩井茂樹氏(53)=自民推薦=はこれまであまり触れてこなかったリニアに関する主張で街頭演説の大半を費やした。

(左)大井川の水問題について語る川勝平太氏=14日午後、東伊豆町/大井川流域の島田市でリニア問題について訴える岩井茂樹氏=14日午後、島田市
(左)大井川の水問題について語る川勝平太氏=14日午後、東伊豆町/大井川流域の島田市でリニア問題について訴える岩井茂樹氏=14日午後、島田市
 川勝氏は14日、伊豆地域で街頭演説をこなした。伊豆の国市では伊豆半島の一部で反対運動が起きている大規模太陽光発電所(メガソーラー)とリニアを絡め、「水の問題はあちこちにある。命の水を守る」と強調した。
 13日は静岡市中心市街地で決起集会を開き、呉服町商店街を練り歩いた。前後に行った街頭演説の話題の中心はリニア問題。「水の問題は党派の問題ではない。一企業のために、(リニアで到着地に)5分、10分早く行くために黙っていろというのは無礼千万、国民に対する侮辱だと私は思っている」と声を張り上げた。
 岩井氏は14日、大井川流域の市町10カ所で街頭演説を行った。島田市では「私はリニア推進派でも国土交通省の回し者でもない。相手陣営がレッテルを貼っている」と強調。必要なのは流域、JR東海、国が参画した議論の場だとして「JRや国の説明が納得いくものでなければ当然、工事はできないと思っている」と訴えた。
 岩井氏は報道陣に「これまで水問題を避けていたわけでなく、浜松ならものづくり、伊豆なら観光と地域の課題を訴えてきた。ここにおいてはまさに水問題。地元の不安解消のため、丁寧に説明したい」と話した。

〈2021.6.14 あなたの静岡新聞〉⇒元記事

プライベートはどんな人?

 立候補している現職川勝平太氏(72)と前参院議員の新人岩井茂樹氏(53)=自民推薦=は各地で街頭演説を行うなど、支持拡大へ精力的に活動している。今後4年間の県政のかじ取りを担うリーダー候補の両氏。静岡新聞社が実施したアンケートを基に、公約や政策とは異なるプライベートな視点で、その人となりを探った。

知事選 立候補者2氏に聞いてみた
知事選 立候補者2氏に聞いてみた
 新型コロナウイルス感染拡大で、外出自粛が続いたこの1年。両氏とも公務に追われ、「おうち時間」は少なかった。そんな中、「巣ごもり」の時間の過ごし方を尋ねると、川勝氏は学者らしく「公務以外は学問三昧」。一方の岩井氏は「自炊の機会は増えた」と答え、料理をストレス解消にしていたという。
 両氏はそれぞれの立場で新型コロナ対策に奮闘してきた。収束後は「慶事のあった友人にお祝いの席を設けたい」とする川勝氏に対し、岩井氏も「自然豊かな県内を巡りたい」と、ソーシャルディスタンスなどを気にせずに人と接し、出掛けられる日常を待ち望む。
 山や海、川など自然に恵まれている本県。両氏は気に入っている場所として、「富士山を仰ぎ見ることのできるスポットはどこでも」(川勝氏)、「太陽の昇るところと沈むところ、両方見られる伊豆半島の南」(岩井氏)を挙げた。
 政府が昨年支給した10万円の特別定額給付金の使い道は、いずれの候補も「申請せず」と回答。新型コロナの感染防止策としてはマスクの着用や手指の消毒など、県民に呼び掛ける基本的な対策を、両氏も心掛けているという。

〈2021.6.17 あなたの静岡新聞〉⇒元記事