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サクラエビ禁漁破り“豊漁水準”漁獲 22日夜の水揚げの様子、SNSに動画

 駿河湾サクラエビの禁漁破り問題で、由比港漁協(静岡市清水区)所属の漁船が湾奥の禁漁区で操業した際の漁獲が豊漁に沸いた2000年代の水準に達していたことが26日、関係者への取材などで明らかになった。22日夜の禁漁区での水揚げは1ケ統(1組2隻)で1・5トン近くに達したという。禁漁破りに加え、乱獲とも言える量の水揚げに批判の声が出ている。

禁漁区で操業した乗組員が公開した動画の一場面。サクラエビが入った多くのケースを船上で積み上げている
禁漁区で操業した乗組員が公開した動画の一場面。サクラエビが入った多くのケースを船上で積み上げている

 「90杯くらい」「うまく取れたな」
 禁漁区で22日夜に操業した船の漁師の一人が、会員制交流サイト(SNS)で水揚げの様子を動画で公開した。2隻で引いた網からサクラエビをポンプで吸い上げ、船名が入った水色のケースに勢いよく詰める光景が映されていた。乗組員らはエビが入ったケースを次々に船上で積み上げていった。
 1ケースは15キロ。春漁として過去最高の総売上高を記録した08年(19日出漁)の総水揚げ量は約1300トン。単純計算すると1ケ統が漁獲した1日当たりの平均水揚げ量は76ケースで、今回の禁漁区における水揚げ量はそれ以上とみられる。
 ことしの春漁の水揚げは、おおむね50~200ケース程度で推移。だが、禁漁区で操業した22日夜は355ケースに増えた。40代乗組員の一人は「かつて100ケース取れることはよくあった」と振り返りながら、「自主規制を守ると多くても数十ケース程度。一方で禁漁破りを見ると、守っている自分がばからしくなる」と本音を吐露する。
 加工屋サイドからは多くの批判が出ている。蒲原地区の仲買人は「水揚げが少なく、高値でも顧客が納得してくれるのは、資源管理を徹底していればこそ」と、信頼失墜による顧客離れを懸念する。

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