自己ケアへ技術応用 東洋レヂン取締役/深沢聡氏【サンフロント21懇話会~熱き地域人】
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![深沢聡氏](/news/images/n133/1320164/IP230917TAN900025000_0001_CDSP.jpg)
―新型コロナウイルスは医療機器生産にどんな影響が。
「コロナ対応に使う機器とそうでない物で需要が二極化した。高齢者を中心に通院を控えようとする風潮が生まれ、一般的な機器のニーズは急激に減った」
―新たな状況にどう対応するか。
「病院に通う前のセルフケアに着目した。自社のプラスチック加工技術を応用し、はり製品に近い形の皮膚に刺激を与えて治療する医療機器を開発した。膨らむ医療費問題に貢献できるかもしれない。感染症など他者との接触を避けたい場面でも有効になる」
―セルロースナノファイバー(CNF)製品開発にも取り組んでいる。
「CNFは多くの特徴があり、挑戦する会社が増えれば新製品誕生の可能性が広がる。今後使用される市場が広がり価格が下がれば、加速度的に普及が進むだろう。CNFを通してものづくり業界を盛り上げていきたい」
【東洋レヂン】1967年創業。プラスチックの着色加工が得意で、大手医療機器メーカーの部材や、皮膚に刺激を与える医療機器を製造する。新たに、3Dプリンターの材料部分となるフィラメントをCNFを使って製作している。従業員80人。富士市比奈。
【サンフロント21懇話会】県東部の企業、各種団体、行政関係者などで構成し会員は約310人(3月末現在)。入会の問い合わせは静岡新聞社・静岡放送東部総局<電055(962)6520>へ。