静岡人インタビュー「この人」 旧制静岡高創立100周年記念誌の編集委員会担当責任者を務めた 水口好美さん(裾野市)
旧制静岡高創立100周年を祝って、静岡大学岳陵会(文理・人文・人文社会科学部同窓会)と理学部同窓会が発刊した記念誌「知をつなぎ、新たな100年へ」の編集委員会担当責任者を務めた。静岡大文理学部を卒業後、県内の高校で数学の教員になり、韮山高や沼津東高の教頭などを歴任。2021年3月まで非常勤講師を務め、長年にわたって教育現場で活躍してきた。79歳。
![水口好美さん](/news/images/n131/1303172/IP230807TAN000077000_O.jpg)
-なぜ責任者になったのか。
「旧静岡高時代の寮を自分も使っていたり、当時の教官から指導を受けたりした経験があった。県立中央図書館調査課長を務めていた時に学んだ昔の資料を探す手だてを生かせるとも思った。データベースで他の図書館の本を検索できる時代になり、何がどこにあるのか見当を付けやすかった」
-編集作業で大変だったことは。
「大量の書籍や資料を読み込むこと。約2年間、数え切れないほどの本を読み、泣きたくなるくらい大変だった。コロナ禍で静岡大の図書館に入ることができず、読みたい本をすぐに手に取ることができなかったので、古本屋で参考になりそうな本を買ったこともあった」
-個人的な思い出を。
「たくさんある。自分が入っていた『映寮』の天上には中曽根康弘元首相の落書きメッセージがあったのも覚えている。当時は政治に対して学生も激しく反応していた。寮歌を歌うと今でも当時のような熱い血潮がほとばしってくる」
―編集を終えての感想は。
「歴史の重みがある。知らなかったこともたくさんあった。多くの偉人を輩出したと同時に、多くの人々の支えがあって今があるのだと改めて感じた」
(東部総局・田中秀樹)