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外部人材「スクール・サポート・スタッフ」 教員の勤務時間削減に効果 各校に1人配置

 静岡県教委が教員の長時間労働の改善を目的に、全公立小中学校に配置している外部人材「スクール・サポート・スタッフ」が成果を上げている。各校に1人を配置するようになった2018年度より前と比べ、22年度には教員1人当たりの勤務時間を週3時間以上削減した。ただ、教員の時間外勤務は依然として課題で、学校現場からはさらなる拡充を求める声も上がる。

スクール・サポート・スタッフの状況の推移
スクール・サポート・スタッフの状況の推移

 スクール・サポート・スタッフは子どもの指導は直接できないものの、間接的に教員を支援する。主に授業で使用する教材の印刷、データ入力、小テストの採点補助、校内掲示物や花壇の整備などを担っている。
 18年12月に県教委所管の全公立小中学校で同スタッフを導入後、現場からは「教材研究や授業改善など、教員でなければできない本来の教育に専念できるようになった」「担任として子どもと関わる時間が確保でき、校内の問題行動や不登校が減少した」などと肯定的な意見が多く聞かれているという。
 県教委義務教育課によると、教員1人の1週間当たりの平均勤務時間は、19年度は18年度に比べて約90分削減された。その後も改善が進み、22年度は21年度比約36分の短縮につながったという。
 スタッフを配置できる時間数も段階的に増やしてきた。18年度は週10時間だったが、19年度に週15時間、23年度には週20時間まで拡充した。23年度も全公立小中469校を対象に配置している。
 一方、教員の時間外勤務はいまだに多い状況が続き、スタッフの増員や配置時間の延長を望む声があるという。同課の植松博人事監は「新型コロナウイルス禍で増大した学校業務への対応でも力を発揮した」と制度の効果を説明。教員との仕事のすみ分けが進んだとした上で「スタッフは学校運営に欠かせない人材となっている」と指摘し、さらなる態勢の拡充を目指す姿勢を示した。
 (政治部・大沼雄大)

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