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野鳥調査通じ自然実感 森林で社員活動 裾野・キヤノン研究開発拠点

 プリンターなどの研究開発を手がけるキヤノン富士裾野リサーチパーク(裾野市)は社員を対象に、鳥をテーマに生命の循環や地域の自然の大切さを学ぶ社内活動「バードブランチプロジェクト」を行っている。日本野鳥の会東富士副代表の滝道雄さんの協力を得て月1回、事業所の敷地約28万平方メートルの広大な森林で継続的に野鳥調査を実施。社員らは活動を通じ、豊富な地域資源のありがたみを実感している。

巣箱の確認をする滝さん(右)ら=裾野市のキヤノン富士裾野リサーチパーク
巣箱の確認をする滝さん(右)ら=裾野市のキヤノン富士裾野リサーチパーク

 事業所は富士山麓の標高300メートル以上に位置する。取り組みは2016年に始まり、滝さんは21年1月から調査を続けている。前回調査までにノスリやミヤマホオジロ、ウソなど42種類の鳥が確認。社員は調査結果をもとに、早朝のバードウオッチングや巣箱の設置、植樹などで知識を深めるとともに、事業所の全社員に啓発している。
 今月の調査は8日に行った。チドリ科の日本最小として知られるコチドリの卵の殻や産卵場が多く見つかった。一方、外来種のガビチョウの鳴き声も響き、生態系への不安も。滝さんは「鳥の水飲み場の設置や、在来種の木をもっと増やしたい」と話した。
 今回の調査に同行した鈴木水萌[みなも]さんは「自分が作った巣箱にヤマガラが産卵しヒナが巣立った時はうれしかった。これからもこの活動を続けていきたい」と語り、自然豊かな環境で仕事ができる喜びに感銘を受けている。

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