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富士山で疲労原因の遭難顕著 適正利用協、事前の体力づくり周知へ

 国や静岡、山梨の両県の関係者でつくる「富士山における適正利用推進協議会」の2022年度会合が2日、山梨県富士吉田市で開かれた。昨季は疲労が原因の遭難が多かったことが報告され、今季は登山者に対し早期からの体力づくりや見合った登山計画を促す方針を共有した。
 会議で示されたデータによると、静岡県側で22年の開山期間に発生した遭難件数の44%(50件中22件)が疲労を訴え、21年の14%(14件中2件)を大きく上回った。事務局は原因として、新型コロナウイルス禍で準備運動が不十分なまま登山に臨んだことなどを挙げた。
 今季はチラシや富士登山オフィシャルサイトなどで疲労遭難への注意と登山前の体力づくりを喚起するほか、登山に必要な体力を同サイト上で確認できる仕組みを検討している。
 5月には新型コロナの感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行され、登山者の増加が予想される。一方で、山小屋関係者は各県の対応指針を待っていて、現時点ではコロナ禍と同様に宿泊受け入れ数を半減して運営する予定という。
 出席者からは「泊まれず弾丸登山を強行し、体調不良を訴える人が増えるかもしれない。対策が必要」との意見が挙がった。
 小山町の須走口5合目に建設したインフォメーションセンターが7月初旬にオープンすることも報告された。

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