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静岡人インタビュー「この人」 天竜川ダム再編に取り組む浜松河川国道事務所長 名久井孝史さん(浜松市中区)

 国土交通省に2003年入省。17年から3年間、国際協力機構(JICA)に出向し、フィリピン国公共事業道路省で技術指導に当たった。福井県河川課長を経て22年4月から現職。道路や河川の整備に加え、長年の懸案だった天竜川ダム再編事業が本格着工間近で、節目の重責を担う。北海道出身、44歳。

名久井孝史さん
名久井孝史さん

 ―浜松に勤務しての印象は。
 「徳川家康、豊臣秀吉ら歴史を動かした方々の跡を身近に感じられることに感動する。日本を代表する大企業が育ち、高速道路や国道1号、新幹線が走る日本の要となる地域で、インフラ整備を担う責任を感じる」
 ―現在の取り組みの重点は。
 「天竜川ダム再編は関係機関との調整が進み、間もなく本格工事が始まる。浜松や磐田を洪水から守り、遠州灘の海岸線を保つために重要な事業。流域全体の治水対策も並行し、安心して暮らせる地域を目指したい。三遠南信自動車道は愛知県の東栄―鳳来峡間の25年開通を目指して工事中。国道1号島田金谷バイパス4車線化工事も進んでおり、利便性をより高めたい」
 ―仕事で心がけている点は。
 「直接対話し、相手の思いや背景を理解すること。公共事業は地域の理解が重要。思い込みで相手との壁を作って方向性を間違えないよう、積極的に話し合いの場を持つのが大切」
 ―印象に残る仕事は。
 「九州の有明海沿岸に建設する高規格道路に従事した際は、超軟弱地盤に盛り土や橋を築く難事業で、毎日深夜まで上司や先輩に指導されて技術者、行政者の基礎をたたき込まれた。地図に残る仕事をした充実感、地域の喜びの声が今も心の糧だ。若手職員にこの醍醐味(だいごみ)を感じてもらえるよう、現場での技術向上に努めている」

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