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静岡人インタビュー「この人」 一般社団法人「森林健康経営協会」代表理事 浅沼宏和さん(浜松市中区)

 カーボンニュートラル社会の実現に向けて、企業と森を結びつけ、健康で持続可能な森づくりを目指す。地元の林業家などと7月に団体を設立し、活動を始めた。自身は税理士で経営コンサルタント。59歳。

浅沼宏和さん
浅沼宏和さん

 ―協会の活動の目的は。
 「日本の国土の約3分の2は森林。水源涵養(かんよう)や木材供給源など多面的な役割があるが、適切に管理が行われていない森林が増加し危機にある。協会の目的はより小規模な森林と、そのエリアに拠点を置く中小企業などがつながるプラットフォームを構築し、企業が身近に森の健康づくり活動に関わる。街と森をつなぎ、地域コミュニティーの土台をつくる」
 ―具体的な取り組みは。
 「温室効果ガス排出量を他の取り組みなどで相殺するカーボン・オフセットに着目し、二酸化炭素(CO2)排出削減や生物多様性を可視化する簡易な証明サービスの提供を検討している。大規模な森林を照準にした既存の仕組みはあるが、当会は1、2ヘクタール程度の小さな森も含め、相対の『特定者間』で実施する方法の導入を目指している」
 ―第1弾の事例は。
 「浜松市のソミックマネージメントホールディングスと連携して天竜区の2ヘクタールの『Kicoro(きころ)の森』で実証実験を始めた。まずは社員が間伐などを通じて森林に触れ、森林が果たす役割を理解してもらうところから始める。10年にわたる活動にしていく」
 ―今後の展望は。
 「地域の実情に沿った小さな取り組みから始め、大きい変革につなげたい。全国どこでも森林がある地域で展開することができる。会報を通じて活動の浸透を図り、森林に関する人材教育にも携わりたいと考えている」
 (浜松総局・山本雅子)

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