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外国籍の子、在留特別許可の方針 140人以上、家族にも

 斎藤健法相は4日、記者会見を開き、日本生まれで、在留資格がなく強制送還の対象となる18歳未満の外国籍の子どもに関し、一定の条件を満たせば、法相の裁量で例外的に在留を認める「在留特別許可」(在特)を付与する方針を発表した。140人以上が対象となる見通しで、家族にも認める方向。改正入管難民法を審議した今年の通常国会では、こうした子どもの救済が焦点の一つとなり、対応を検討していた。

「在留特別許可」に関して記者会見する斎藤法相=4日午前、法務省
「在留特別許可」に関して記者会見する斎藤法相=4日午前、法務省

 出入国在留管理庁によると、不法残留などで強制退去処分が出ても、帰国を拒む外国人は昨年末時点で4233人おり、このうち日本で生まれた18歳未満の子どもは201人。今回の措置により、自分の意思で帰国した子どもを除き少なくとも7割に在特が付与される見込み。家族にも在特を出す方向で検討する。
 対象は、日本で生まれ学校に通っている児童・生徒で、引き続き日本滞在を希望する子ども。親に犯罪歴がある場合などは対象としない。
 斎藤法相は、改正入管法を踏まえ、送還を拒む外国人の迅速な送還は不可欠だとした上で「子ども自身に責任はないのに生活が不便な状況に置かれており、何とか救えないかと検討してきた。適正な入管行政を維持しつつ、できるだけ子どもを保護する」と、今回の措置の趣旨を説明した。また、こうした対応は「今回限り」とも述べた。
 日本の学校で学び、日本語しか話せない子どもは多い。在留資格がないため健康保険証を持たず、十分な医療が受けられないことなどから、人道的な配慮を求める声が上がっていた。

 在留特別許可(在特) 強制送還の対象となる外国人に、法相が裁量で在留を認める制度。明確な基準はなく、日本人との結婚や、日本の学校に通う子どもがいるなどの事情を考慮するとしている。難民申請者に人道的配慮から在特を出す場合もある。強制送還に不服がある外国人が異議を申し出た段階で在特の可否を判断してきたが、6月に成立した改正入管難民法では申請制に変更。出入国在留管理庁によると、2016~20年の5年間で、年間平均約1400人に付与されている。

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