静岡新聞掲載 - おすすめ本
中世東海の黎明と鎌倉幕府
人生の目的
旅人は、無人の広野で猛虎に出会う

著者/高森顕徹 イラスト・画/茂本ヒデキチ
出版社/1万年堂出版

金額:1,650 円(税込)
ISBN:9784866260907



「だれでも最期は独り。この真実から目をそむけてはいけない」―。思わず目を伏せたくなるようなキャッチコピーが心に残る本書は、発売から一年で、17万部のベストセラーとなっている。あのロシアの文豪トルストイが驚愕(きょうがく)し、実業家の故稲盛和夫氏が自著で強く紹介した「ブッダの寓話(ぐうわ)」を、イラストと大きな文字で易しく解説。人はたとえ死の淵にいてもその事実から目を背け、目の前の欲にまみれる生き物であり、この「不都合な真実」を受け入れ、正面から向き合った先にこそ、本当の幸せにたどりつく道があると示唆する。本書を読み終えた時、「人生に無駄は一つもなかった」と胸が熱くなる一冊。終活の必読本ともいえそうだ。


中世東海の黎明と鎌倉幕府
東海の中世史 1
中世東海の黎明と鎌倉幕府

著者/生駒孝臣
出版社/吉川弘文館

金額:2,970円(税込)
ISBN:9784642068918



鎌倉幕府の成立は「東海」誕生の瞬間でもあった、と本書は指摘する。東西を結ぶ日本の大動脈が、瞬く間に歴史の表舞台に出たためだ。奥州藤原氏を滅ぼした源頼朝にとって、最後にして最大の脅威が遠江(静岡県西部)に強大な勢力を誇っていた安田義定(やすだよしさだ)だ。ともに平家追討を成し遂げた源氏一族の義定をいかに退けるか。頼朝の謀略からは、東海掌握への強い情熱が感じられるという。本書は東海武士の争いだけではなく、産業や生活、流通にも着目している。中世の人々は幾本の大河を越え、河口に港をつくり、眼前の太平洋にも「道」を見いだしてきた。日本の中世を東海から見通す新シリーズの1冊目。


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