静岡新聞掲載 - おすすめ本

東海の中世史 3
室町幕府と東海の守護

著者／杉山一弥
出版社／吉川弘文館

金額：2,970円（税込）
ISBN：9784642068932

静岡を代表する戦国大名といえば、今川義元を思い浮かべる人も多いだろう。本書は「東海の中世史」シリーズ3巻目に当たり、義元の祖父以前の時代を対象としている。今川氏は足利一門として有力な一族であり、駿河守護を歴任した。当時の守護は在京であることが多いが、義元の四代前の範政が東国への牽制のために駿河への下向を室町将軍より命じられた。その後、家督相続問題などがありつつも、およそ在国の守護として根を下ろしたあたりに、ほかの東海地域と異なる特徴がありそうだ。今川氏が戦国大名と化していくのは、義元の父である氏親の時代からで、シリーズ4巻目の内容となる。本書はそこへ至る、戦国前夜の様相を描いている。

池上彰の未来予測　After 2040

著者／池上彰
出版社／主婦の友社

金額：1,980円（税込）
ISBN：9784074542093

分かりやすい解説に定評のあるジャーナリスト池上彰が、2040年以降の日本の未来を予測する一冊。「AIの影響」「教育格差」「少子高齢」「巨大地震」「富士山噴火」「長引く円安」など、現代日本が抱える問題は多岐にわたり、未来を考えると不安を覚えたり、ひるんでしまう人もいるだろう。しかし、池上氏は「未来はこれから創るもの。そう悲観的にならなくて大丈夫」と、独自の視点で「明るい未来」と「暗い未来」の両方を提示しながら、未来を暗いものとしないために、一人一人が今からどう行動すべきか、その指針を説く。さまざまな問題を自分事として捉える力を身につけ、生涯、社会や家族から必要とされる人間を目指す人のための一冊。

やりたいことの見つけかた
89歳、気ままに独学

著者／若宮正子
出版社／中央公論新社

金額：1,650円（税込）
ISBN：9784120058011

著者の若宮正子さんは、定年後に独学でプログラミングを学び、「超我流」で作ったゲームアプリで一躍有名人になった。世界最高齢のプログラマーとして知られる一方で、旅先では見知らぬ人に助けられてトラブルを脱出したり、スマートフォンはいじくり回したあげく再起動したり―。怖いもの知らずでおっちょこちょいの若宮さんの心のよりどころは、地球の各地にいる友達とオンラインで交流すること、毎日楽しく生きるこつはおおらかで気ままな「独学」だという。本書は、年を重ねて「趣味がない」「やりたいことが分からない」と思っている人にとって、ご機嫌な老後のヒントになるだろう。中公新書ラクレ「独学のススメ」を増補、改題した一冊。

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