経済部 薮崎拓也
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静岡県労金 実質4年連続増収増益 業務電子化でコスト圧縮
静岡県労働金庫が27日発表した2022年3月期決算は、経常収益が前期比0・4%減の148億8500万円、経常利益は7・2%増の29億2600万円、純利益は6・7%増の21億9600万円だった。減収は会計基準を変更したためで、従来基準では4年連続の増収増益。業務の電子化や効率化で事務コストを圧縮した。 本業の収益力を示すコア業務純益は5・0%増の29億5千万円。期中平均の預金残高は5・0%増の1兆2039億4千万円、貸出金残高は4・4%増の9144億3200万円だった。会員の生活スタイルに合わせた財形など積立預金の提案活動を推進した一方、住宅ローンを中心にインターネットで仮申し込みを受け付け
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5信金で最終増益 貸出金利息が伸長 3月期決算
静岡県内9信用金庫の2022年3月期決算が27日までに出そろった。新型コロナウイルス感染拡大に伴う資金繰り支援で貸出金利息が伸び、5信金で最終増益を確保した。今後は原油・原材料価格の高騰や急激な円安で取引先企業の収益悪化が懸念されることから、各信金は経営改善などの伴走型支援に力を注ぐ。 本業の収益力を示すコア業務純益の総額は前期比21・5%増の229億8千万円。6信金で実績を伸ばし、遠州は71・7%増の20億5900万円、島田掛川は59・3%増の48億3100万円と伸び率が高かった。 純利益は富士、しずおか焼津、島田掛川、静清、沼津で増益だったのに対し、遠州、三島、富士宮、浜松いわたは最
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静岡銀行元頭取 神谷聰一郎さん追想 堅実さと先見性息づく
静岡銀行の第8代頭取に就任した1993年は、創立50周年の節目でもあった。「健全性を基本として、時代を先取りする積極的な経営に心掛け、地域社会、お客さま、株主、従業員の幸福を追求する」。次の半世紀に向け、就任時表明した経営理念は今なお、行員たちに脈々と息づいている。 在任した99年までの6年間は、バブル経済崩壊後の混迷を極めた時代。景気も雇用も冷え込み、破綻する金融機関が相次いだ。そんな中でも、堅実経営を貫いた静岡銀に対する米国格付け会社の評価は健全な財務基盤を示す「B」。メガバンクを抑え、当時国内で最も信用度が高い銀行とされた。 将来を見据えた組織体制の強化にも力を注いだ。低成長時代に
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記者コラム「清流」 大胆で迅速な経済対策を
「彼だったら、今の状況にどう対処するだろう」。原材料価格の高騰や円安で経済の先行きが不透明な今、ある人物への思いを巡らせた。明治から戦前に大蔵大臣を7回務めた高橋是清。1927年の昭和金融恐慌では、片面だけ印刷した急造紙幣を銀行に積み上げさせ、預金者の不安を静めた逸話も残る。 7月10日投開票の参院選で、各党は公約の柱に経済対策を掲げている。無論、現在と戦前は情勢が全く異なる。高橋の手腕も功罪相半ばする面はある。ただ、財政の神様とうたわれた人物と比べると、どれも大胆さやスピード感に欠ける気がしてしまう。 実効性のある経済対策を唱える候補者や政党を見極めて1票を投じたい。選挙戦を通じ、&l
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空室率DI、持ち直し傾向 中心市街地、依然厳しく
日本不動産研究所がまとめた4月現在の空室率DI(「改善」から「悪化」を引いた回答割合の指数)は、静岡市が8・7、浜松市は22・7と、新型コロナウイルス禍による前年までの落ち込みから持ち直しがみられた。ただ、いずれも中心市街地は賃貸オフィスや貸店舗の需要が低調で、厳しい状況が続いている。 両市の中心部に延べ床面積3千平方メートル以上の大型オフィスビルを所有するオーナー、賃貸業者から聞き取った。 静岡市の空室率DIは、0・0だった2021年10月の前回調査から8・7ポイント改善。全体的な市況としては、コロナ禍で受けた打撃から持ち直しつつあるが、ビル低層階に入居していた飲食店が退去した後、空室
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価格転嫁 3割「全くできず」 静岡経済研調査
静岡経済研究所が16日発表した原材料やエネルギーの価格上昇を受けて県内企業に実施した価格転嫁状況に関する緊急調査で「全く転嫁できていない」との回答が約3割に上った。業種別ではホテル・旅館業や食料品製造業の割合が高い。 調査は1~14日、県内に本社や事業所を置く577社に実施し、製造業102社と非製造業93社が回答した。回答率33・8%。 価格転嫁が「全くできていない」は27・7%だった。一方「全て転嫁済み」2・6%、「(コスト増加分の)5割以上」15・9%、「一部転嫁済み」50・3%と、7割近くが仕入れ価格高騰を受けて値上げに踏み切っていた。「転嫁する必要がない」は3・5%。製造業で転嫁
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鈴生、野菜生産の脱炭素に力 廃棄の葉や茎、肥料に活用
農業生産法人の鈴生(静岡市)が今年から、野菜栽培で排出される二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの削減に向けた取り組みを本格化させている。脱炭素化で食の安全性を高め、持続可能な農業の推進や生産野菜の付加価値向上につなげる。農業分野では、特に露地栽培で脱炭素化に取り組む生産者はまだ少なく、同社は年内に排出削減量を算定するシステムを構築し、周辺農家などへの普及も目指す。 温室効果ガス排出の原因となる化学肥料の使用量を慣行栽培基準の80%以上、化学農薬を同50%以上それぞれ削減した。化学肥料の代替は、従来廃棄していた枝豆の収穫後の葉や茎、水産加工会社から譲り受けた魚の残渣(ざんさ)などを粉末化し
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新設法人14%増 2021年、2653社 コロナ禍地方回帰傾向
民間信用調査会社の東京商工リサーチ静岡支店がこのほどまとめた県内新設法人動向調査によると、2021年に本県で新たに設立された法人数は前年比14・0%増の2653社だった。増加率が10%を上回ったのは10年以降で初めて。 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、人口が密集する首都圏を避けて地方に回帰する動きが、新設法人の動向にも影響したと分析。調査担当者は「コロナ禍が既存のビジネスモデルや商流に変革を迫り、新ビジネスが芽生えつつある。地域経済活性化にどう結び付くか、今後に注目したい」と述べた。 全10産業のうち8産業で増加し、特に卸売業は39・1%増、農・林・漁・鉱業37・9%増、建設業35・
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4~6月期景況感悪化 仕入れ高騰や円安響く 静岡財務事務所
東海財務局静岡財務事務所が13日発表した4~6月期の県内法人企業景気予測調査によると、全産業の景況判断指数(BSI)は1~3月期から0・3ポイント悪化してマイナス13・4だった。原油・原材料の仕入れ価格高騰や急激な円安の影響で、製造業の業況が落ち込んだ。 製造業は自動車関連などの輸送用機械を中心に、中国・上海での新型コロナウイルス感染拡大に伴うロックダウン(都市封鎖)による部品不足も重なり、20・6ポイント下降のマイナス22・3に悪化した。 一方、非製造業は16・6ポイント上昇のマイナス5・0。国内で3月下旬にまん延防止等重点措置が全面解除され、旅行や買い物に出掛ける人が増えたことから、
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ホームポジション新規上場へ 東証スタンダードに6月23日
住宅メーカーのホームポジション(静岡市清水区、伴野博之社長)は9日までに東京証券取引所から上場承認を受け、東証スタンダード市場に23日、新規上場する。上場によって信用力や資金調達力を高め、事業拡大を図る。 110万株の株式を発行し、約4億7千万円を調達する予定。分譲住宅を建設する際の土地購入資金などに充てる。 同社は1989年創業。本県や東京、神奈川、埼玉、愛知の5都県に支店などを構える。一戸建て分譲住宅の建設・販売を中心に事業を展開し、デザイン性の高い住宅を手頃な価格で提供し、業績を伸ばしている。同社によると2021年の着工数は480棟で県中部の分譲住宅部門の年間新規着工シェア率は20
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現状DI、10・9ポイント上昇 静岡県版景気ウオッチャー調査
静岡経済研究所がこのほど発表した4月の静岡県版景気ウオッチャー調査は、景気の方向性を示す現状判断指数(DI)が48・8で、1月の前回調査から10・9ポイント上回った。新型コロナウイルスまん延防止等重点措置が3月下旬に解除され、小売りや飲食が改善した。半面、原油・原材料価格の高騰による物価上昇が響き、景気の横ばいを示す指数50には届かなかった。 現状DIの内訳は、家計消費関連が前回調査比17・6ポイント上昇の50・7、事業所向けビジネス関連は7・1ポイント下降の41・7。雇用関連は前回調査と変わらず50・0だった。家計消費関連のうち、飲食は33・6ポイント上昇の61・1、小売りは17・7ポイ
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藤枝に顧客支援拠点 しずおか焼津信金、コワーキングスペース活用
しずおか焼津信用金庫はこのほど、JR藤枝駅北口の複合ビルのコワーキングスペースを活用し、顧客相談に対応する支援拠点「藤枝駅サポートベース」を立ち上げた。セミナーやビジネスマッチングなども開催し、新産業の創出を目指す。 藤枝江崎新聞店が1日に開設した「未来共創ラボ フジキチ」と利用契約を結び、中小企業の経営支援や個人ローンなど各種相談に応じる。同金庫の専門職員を随時派遣する。 同金庫は静岡、焼津、藤枝の3市に自前の相談プラザを設けているが、夜間や休日には対応できない。年末年始などを除いて午後9時まで利用できるコワーキングスペースを活用することで、相談者が帰宅途中に立ち寄れるなど利便性を高め
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GW人出483万人 静岡県内、本格回復ほど遠く
静岡経済研究所がまとめたゴールデンウイーク(4月29日~5月8日)の集客動向調査によると、県内観光レジャー施設や主要イベント(計254カ所)の人出は延べ483万人で、前年より22・5%増加した。新型コロナウイルス感染拡大後、3年ぶりに移動制限のない大型連休だったが、コロナ前の2019年と比べると人出は半数程度に落ち込んだままで、観光・レジャーの本格回復にほど遠い結果となった。 地域別では、首都圏からの観光客増加で東部が19年比24・6%減だったのに対し、西部は浜松まつり(浜松市)が12万3千人と大きく落ち込んだ影響で同70・3%減となり、明暗が分かれた。 期間中のイベントやレジャー施設で
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物価上昇「実感」9割 ガソリン、電気など上位 家計圧迫浮き彫り
静岡経済研究所が31日発表した物価上昇による県内消費への影響に関する調査で、商品やサービスの値上がりを実感している回答者は約9割に達した。値上がりを実感する品目としては、ガソリン・灯油や電気・ガス料金、小麦製品が上位に挙げられた。1日から、さらなる商品値上げに踏み切る企業も多く、家計を徐々に圧迫している様子が浮き彫りになった。 商品やサービスについて「多くが大きく値上がり」とした回答は38・8%で最多。次いで「多くが値上がり」が33・4%、「一部が値上がり」11・4%、「一部が大きく値上がり」6・1%の順だった。一方で「特に感じない」は10・3%にとどまった。 品目別では、ガソリン・灯
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木材チップ業者の株式取得 TOKAI、需要拡大へ増産体制
TOKAIホールディングスは27日、エネルギー事業子会社のTOKAI(静岡市)が、産業廃棄物処理や木材チップ製造などを手掛けるウッドリサイクル(岐阜県下呂市)の全株式を取得する契約を結んだと発表した。6月中に完全子会社化する方針。株式の取得価額などは非公表。 ウッドリサイクルは木造建築物の解体や街路樹の剪定(せんてい)などで出る廃材や木の枝葉を受け入れ、粉砕処理をして年間約3千トンの木材チップを製造する。近年は二酸化炭素(CO2)排出量が少ない木質バイオマス発電の燃料として、引き合いが強まっている。 TOKAIは木材チップのさらなる需要拡大を見据えて増産体制を確立し、販路拡大を図るほか、
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夏のボーナス微増 物価高で増額感乏しく 静岡経済研予想
静岡経済研究所が25日発表した県内民間企業の2022年夏のボーナス予想は、1人当たりの支給額が前年比0・8%増の38万300円と試算した。新型コロナウイルス禍の影響を受けた生産活動が持ち直しつつあるものの、原材料価格の高騰やサプライチェーン(供給網)の混乱が企業収益の押し下げ要因になり、微増にとどまると見込んだ。 昨夏は当初マイナス予想だったが、その後に0・1%増に修正したため、3年連続増加となる。ただ担当者は「各企業は人材確保のためにも支給額を上げざるを得ないだろうが、増額率が物価上昇率に届かない恐れがある。増えた感覚が乏しいボーナスかもしれない」と指摘した。 規模別では、従業員30人
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承継支援へ新ファンド 静岡銀行と山梨中央銀行が設立
静岡銀行と山梨中央銀行は23日、両行の包括業務提携に基づく取り組みとして、事業承継ファンドを31日に共同で設立すると発表した。資本面で提示できる解決策を拡充し、より円滑な事業承継支援につなげる。 ファンド名は「静岡・山梨アライアンス投資事業有限責任組合(愛称、静岡・山梨みらい成長支援ファンド)」。両行と静岡銀グループの静銀経営コンサルティング、静岡キャピタルが総額20億円を出資する。存続期間は10年間。 事業承継を円滑に進める上で株式の買い取りが必要だったり、相続対策などで一時的に株式保有を希望したりしている取引先企業に資金を投じる。 中小企業経営者の高齢化や後継者不在は静岡、山梨両県
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仏壇仏具製造の法月 平和祈念スタンド作製、ウクライナに収益寄付
静岡市葵区の仏壇仏具製造業の法月が、ロシアの軍事侵攻で被害を受けるウクライナを支援しようと、平和を祈念する「ピーススタンド」を作製した。売り上げの一部を国連児童基金(ユニセフ)を通じて現地に寄付し、子供たちの生活再建につなげる。現在、販売協力店を募集している。 スタンドは高さ9センチ、幅約10センチの紙製で、1万5千枚作った。青と黄のウクライナカラーに、平和を象徴するハトとオリーブのイラストや「ウクライナに平和を」などのメッセージを配した。材料費を差し引いた収益に同社の拠出金を合わせ、1枚当たり45円を寄付に充てる。 侵攻で破壊された街並みや泣きじゃくる子供のニュース映像に心を痛めた法月
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静岡銀がソーラーパーク 脱炭素化目標上げ 中電ミライズと契約
静岡銀行は20日、グループの使用電力の一部を再生可能エネルギーで賄い、脱炭素化を推進するため、静岡市清水区三保地区に太陽光発電施設「しずぎんソーラーパーク」を新設すると発表した。2023年9月運用開始を予定し、グループ全体の二酸化炭素(CO2)年間総排出量の6、7%程度の削減効果を見込む。 中部電力ミライズと電力購入に関する契約協定「オフサイトコーポレートPPA」を同日結んだ。静岡銀は契約を機に、30年度までのCO2排出削減目標値を「13年度比6割削減」から「実質排出ゼロ」に上方修正。今後も多面的な取り組みを重ね、8年後のカーボンニュートラル完全達成を目指す。オフサイトコーポレートPPAの
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5月 景気判断を維持 生産は下げ、上海封鎖影響 日銀静岡支店
日銀静岡支店が19日発表した5月の県内金融経済動向は、景気の全体判断を「新型コロナウイルス感染症や供給制約の影響を受けつつも、基調としては持ち直している」と3カ月連続で維持した。製造業での半導体不足や、中国・上海のロックダウン(都市封鎖)による影響を踏まえ、生産の評価を2カ月ぶりに下方修正した。 生産は自動車・同部品と二輪車・同部品、電気機械の個別3項目で評価を引き下げた。上海の現地工場で完成車の減産を余儀なくされ、下請けの部品メーカーも受注が落ち込んでいることや、物流が滞っている現状を反映した。 個人消費は個別項目で旅館・ホテル宿泊客数を2カ月連続で、コンビニエンスストア売上高を昨年1
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「厳しい環境で増益基調」 円安に警戒感 地銀協会長・柴田久氏
全国地方銀行協会の柴田久会長(静岡銀行頭取)は18日、都内で任期中最後の定例記者会見に臨んだ。加盟62行の2022年3月期決算で約8割が最終増益を確保したと説明し、「厳しい経済環境下でも増益基調だった」と総括した。 各行の決算を集計した結果、資金利益や役務取引等利益の伸長で、経常利益合計が前年同期比1846億円(21・7%)、純利益合計が1303億円(21・8%)それぞれ増加したと報告。一方、米国の利上げに伴って外国債の売却損が膨らみ、国債等債券関係損益が1062億円悪化したとし、急激な円安に警戒感を示した。 柴田会長は6月で1年間の任期が満了する。在任中の経済情勢を振り返り、「新型コロ
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静岡県内地銀3行 コア業純増 原油高、円安など警戒 3月期決算
静岡県内地銀4行(静岡、スルガ、清水、静岡中央)の2022年3月期決算が15日までに、出そろった。静岡、清水、静岡中央は貸出金や手数料収入など銀行の本業が堅調で、コア業務純益が伸びた。「シェアハウス不正融資問題」の余波が残るスルガは2年連続の減収減益となった。各行は原油・原材料価格の高騰やロシアのウクライナ侵攻、急激に進む円安などが地域経済へ及ぼす影響を強く警戒している。 単体の純利益は、清水が2年連続、静岡中央は4年ぶりの増益。いずれも資金利益や役務取引等利益が伸長した。静岡は米国の金利上昇による外国債の含み損処理が響き、2年ぶり減益。スルガは経営健全化を優先し、個人ローンを中心に新規融
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しずおかフィナンシャルG10月設立 静銀子会社5社、本体と並列
静岡銀行は10日、持ち株会社「しずおかフィナンシャルグループ(FG)」を10月3日に設立すると発表した。社長に柴田久静岡銀頭取(58)、会長に中西勝則同会長(68)が就く。静岡銀と傘下の子会社のうち5社を並列にすることで、グループの収益力やガバナンス(企業統治)を強化し、地域経済の持続的発展に向けた事業領域拡大を目指す。 持ち株会社移行後に銀行と並列関係に位置付けるのは、静銀経営コンサルティング、静銀リース、静岡キャピタル、静銀ティーエム証券と、持分法適用関連会社のマネックスグループ。同FGの役員人事は、6月17日の株主総会などを経て正式決定する。 同日、静岡市内で記者会見した静岡銀の柴
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静岡銀行2年ぶり減益 2022年3月期 米国債下落響く
静岡銀行が10日発表した2022年3月期連結決算は、有価証券利息配当金の増加などで経常収益が前期比4・6%増の2416億円と2年連続で増収を確保した。経常利益は14・4%減の542億1900万円、純利益4・5%減の416億3500万円といずれも2年ぶりの減益。米国の金利上昇による外国債の含み損処理が響いた。 単体の業務粗利益は2・7%減の1346億5500万円。資金利益が増加した一方で、役務取引等収益などが伸び悩んだ。コア業務純益は8・9%増の560億6400万円で、本業は堅調に推移した。 期中平均の貸出金残高は1・6%増の9兆3821億円。新型コロナウイルス禍による資金ニーズが落ち着
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オリックス静岡・沼津両支店 山口雄司支店長 経営課題の解決に貢献【キーパーソン】
全国展開する営業ネットワークや事業ノウハウを生かし、脱炭素化や事業承継、デジタルトランスフォーメーション(DX)といった地方の中小企業が抱える経営課題の解決支援に力を注ぐ。今後の事業戦略を聞いた。 ―どのようなニーズが増えているか。 「脱炭素をはじめとした環境への投資マインドが高まっている。特に最近は原油価格の高騰を受け、再生可能エネルギーへの転換や省エネを図ろうとする中小企業が増えている。もう一つは事業承継やM&A(企業の合併・買収)に関する相談。高い技術力を持ちながら、後継者不在に悩む中小は多い。当社はそうした企業に対するマッチングやファイナンスなど、多彩なメニューを展開している」
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信頼築き資産形成貢献 山梨出店1年、地銀との連携深める 杉本浩利 静銀ティーエム証券社長【聞きたい】
静岡銀行と山梨中央銀行の包括業務提携「静岡・山梨アライアンス」に基づいて甲府市に初進出した静銀ティーエム証券が、山梨本店の営業開始から4月で丸1年を迎えた。アライアンスの成果を想定以上と振り返るとともに、今後も静岡、山梨両県の顧客の資産形成に貢献できるよう尽力する。 ―山梨本店の1年間の実績は。 「3月末時点の販売高は約177億円、新規口座開設数は1900件、残高は154億円に上っている。出店当初に社員らに徹底させたのは、提携先の山梨中央銀や地元の人々からの信頼を得ること。その上で顧客を獲得できればと考えていたが、この1年間の業績は予想以上に良かった。山梨県のお客さまにもおおむね喜んでも
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静岡県経営者協会と連合静岡 高齢者雇用テーマに懇談
静岡県経営者協会(中西勝則会長)と連合静岡(中西清文会長)はこのほど、懇談会を静岡市内で開いた。両団体の関係者25人が高齢者雇用をテーマに意見交換などを行った。 中西清文連合静岡会長は、新型コロナウイルス感染拡大を機に在宅勤務を認める企業が増えるなど、労働環境が変化してきていると指摘。「労働組合として時代の変化にしっかりと対応していく。労使一体でさらに働きやすい環境をつくりたい」と述べた。中西勝則県経営者協会長も「コロナ禍に加え、ロシアのウクライナ侵攻などで社会情勢は不確実性が高まっている」とした上で、「国内の産業構造や労働環境も変化に迫られている。仕事を通して労働者が幸福感を持てるように
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名古屋銀行から人材も 包括提携合意 柴田久・静岡銀行頭取に聞く
静岡銀行の柴田久頭取は28日、静岡新聞社の取材に応じ、名古屋銀行との包括業務提携を受け、同行からの人材受け入れを検討することを明らかにした。相互で保有する株式については「提携の実効性を高めるのが目的」と述べ、各行の株主構成比率に影響しない範囲内で保有するとの認識を示した。主なやりとりは次の通り。 ―今後の見通しは。 「コンサルティングや証券、ストラクチャードファイナンス(仕組み金融)などの分野で、名古屋銀からの人材受け入れを検討していく。当行からは(証券子会社の)静銀ティーエム証券の名古屋出店を計画しているが、出店時期はまだ決まっていない」 ―株式を保有し合う目的は。 「提携の実効性
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販路拡大支援 連携加速 しずおか焼津と山梨、長野の4信金
しずおか焼津信用金庫が中部横断自動車道の開通を機に山梨、長野両県の3信金と締結した連携協定を受け、相互の取引先の販路拡大支援に向けた取り組みが加速している。新型コロナウイルス禍で多くの農業生産者や食品加工業者が売り上げ減少に悩む中、金融機関が媒介することで“共存共栄”の道を探る。 同協定「しんきん中部横断道コネクト」は昨年11月、しずおか焼津と甲府、山梨、諏訪の各信金で立ち上げた。静岡―山梨間で全線開通した中部横断道の利用を促進し、広域での経済活性化を目指す。 3月に初開催したオンライン交流会を皮切りに、互いの取引先企業を引き合わせるビジネスマッチングを展開するな
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若手労働者確保へ 課題浮き彫り 中部地域経営会議
静岡県中部地域の首長や経済団体、大学のトップらが地域活性化策について意見を交わす中部地域経営会議(議長・大坪檀静岡産業大総合研究所長)は20日、本年度総会と会合を静岡市内で開いた。「教育(学ぶ)と雇用(働く)をつなぐ地域総がかりでの次世代人材育成」をテーマに研究・調査を行ったワーキンググループが、活動の成果と課題を報告した。 地元企業から講師を招いて中学3年生を対象に実施した職業探求講座については「講師は仕事の楽しさを訴えたつもりでも、子どもたちからは必ずしも共感が得られていない」と指摘。若者の人口流出に歯止めをかけ、将来にわたって地域の労働人口を確保するには、産学官の連携で取り組みを推進
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4月景気判断 据え置き 日銀静岡支店、2カ月連続で
日銀静岡支店は19日、4月の県内金融経済動向を公表し、「新型コロナウイルス感染症や供給制約の影響を受けつつも、基調としては持ち直している」として景気の全体判断を2カ月連続で据え置いた。野見山浩平支店長は原油・原材料価格の高騰、中国・上海での新型コロナ感染拡大、海外でのインフレ進展を注視しているとしながらも「現時点で大きな影響が出ているとまでは言えない」との認識を示した。 個人消費は、まん延防止等重点措置が解除され、県内観光地で徐々ににぎわいが戻りつつあるとして、旅館・ホテルの宿泊客数を2021年12月以来、4カ月ぶりに上方修正した。ただ、中高年齢層は外出に依然慎重な状況にあるとし、「下げ止
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中小DI 8・6ポイント悪化 1~3月期 コロナ、原料高騰
静岡県信用金庫協会がまとめた合同景況調査によると、1~3月期の県内中小企業の業況判断指数(DI)はマイナス29・9で、2021年10~12月期の前回に比べて8・6ポイント下降した。長引く新型コロナウイルス禍や原材料価格の高騰が景況感を悪化させた。各回答企業からはウクライナ情勢による先行きのさらなる悪化を不安視する声が目立った。 業種別では、卸売業の下げ幅が最も大きく、27・6ポイント下降のマイナス56・7。次いでサービス業は16・3ポイント下降のマイナス44・1、小売業は14・3ポイント下降のマイナス50・6。いずれも新型コロナ感染拡大に伴う外出自粛や営業時間の短縮が響き、売り上げが落ち込
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企業研修、新人に「イロハ」手厚く コミュニケーション力、ビジネスマナー…「巣ごもり」生活で学ぶ機会少なく
新型コロナウイルス禍の中で3年目の新年度を迎えた県内企業の新入社員研修で、ビジネスマナーやコミュニケーション力の向上に重点を置く傾向が例年になく強まっている。ことしの新入社員は学生時代、巣ごもり生活を余儀なくされ、基本を学ぶ機会が制限されてきたためだ。「まずは社会人の『イロハ』から学んで」。企業の人事担当者は新人を長い目で見守る。 しずおか焼津信用金庫は8日、元ラグビー日本代表の小野沢宏時さんを講師に迎え、静岡市駿河区の屋内運動場で研修を実施した。新入職員約30人が、配属先の先輩とペアを組んでレクリエーションに臨んだ。研修の狙いは会話力の向上。小野沢さんから次々と繰り出される課題をクリア
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焼津谷島屋が民事再生申請 書籍販売、別会社に
書籍・雑貨販売の焼津谷島屋(焼津市)が15日、静岡地裁に民事再生手続きを申し立てたことが関係者への取材で分かった。負債総額は10億円超とみられる。店舗は従来通り営業を続けている。今後の書籍販売事業については、静岡県内の同業で別会社の谷島屋(浜松市中区)が承継する方向。 帝国データバンク静岡支店の調べでは、焼津谷島屋は1935年の創業。焼津、島田両市などでの書店4店舗のほか、雑貨店も展開している。関係者によると、新型コロナウイルスの影響で雑貨販売の売り上げが急減し、2021年9月期は売上高が約15億円に落ち込んだという。 谷島屋と焼津谷島屋の間に資本関係や人的関係はなく、焼津谷島屋の創業者
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静岡で法人会女性大会 地域活性化へ活躍誓う
全国法人会総連合女性部会連絡協議会(全女連)などは14日、全国の女性経営者らが集う「第16回法人会全国女性フォーラム静岡大会」を静岡市駿河区のツインメッセ静岡で開いた。約1400人が懇親を深めるとともに、女性活躍社会の推進を誓い合った。 県内開催は初めて。会場には大鹿行宏国税庁長官や川勝平太知事、田辺信宏静岡市長らも駆け付けた。 開催地代表で県女連の清水みさ代会長は、小学生を対象にした「税に関する絵はがきコンクール」や租税教室など県内の活動状況を報告。「大会を通じて全国の会員と連携を深め、これまで以上に公益性の高い活動を展開したい」と述べた。全女連の酒井喜代子会長は食品ロス削減に向けて新
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2021年度企業倒産165件 コロナ支援奏功 過去3番目低水準
民間信用調査会社の東京商工リサーチ静岡支店が12日発表した2021年度の県内企業倒産件数(負債額1千万円以上)は前年度比37件減の165件、負債総額は5・8%減の392億6200万円だった。新型コロナウイルス関連融資などの支援策が奏功し、記録が残る1976年度以降で件数、負債総額ともに過去3番目の低水準となった。 負債額10億円以上の大型倒産は、沼津市の淡島ホテルの旧運営会社「淡島ホテル(現AWH)」の関連会社長田事業(長泉町、負債額112億円)など4件で、いずれも県東部に集中した。新型コロナ関連破綻は前年度比2件減の42件だった。 業種別は、建設業が20件増の48件で最多だった。次いで
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多様な人材で経済底上げ 日本生産性本部、静岡市で「プロジェクト」
公益財団法人日本生産性本部は本年度、女性活躍や外国人材活用の促進に向け、静岡市を中心とするエリアで「静岡・地域生産性向上プロジェクト」を立ち上げる。産官学が連携して多様な人材を生かせる雇用・労働環境を創出し、地域経済や企業活力の向上につなげる。同法人として初めての取り組みで、全国的にも珍しいプロジェクト。 静岡ガスや静岡銀行などの民間企業をはじめ、静岡商工会議所や連合静岡、県立大、静岡市といった関係機関が参加する。約1年間をかけて議論を重ね、ダイバーシティー(多様性)やインクルージョン(包摂)に関する数値目標や行動計画を策定。誰もが働きやすく、得意技術を生かせる環境づくりを進め、地域経済の
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中堅・中小設備投資1・0%減 22年度計画額 生産の回復優先
静岡経済研究所がこのほど発表した県内中堅・中小企業設備投資計画調査によると、回答企業330社の2022年度設備投資計画額は前年度実績見込み比1・0%減と、6年ぶりのマイナス見通しになった。特に製造業の現場で新型コロナウイルス禍による打撃を受けた生産の回復に傾注しているため、新規の設備投資にまで手が回らない状況にあるとみられる。 調査は2月中旬に実施した。投資マインドを示す設備投資指数(SI)は1・7と10年連続でプラス水準を維持し、一定の投資意欲を保っている。 産業別では、製造業全体の計画額は7・0%減の314億5300万円。食料品は40・8%減、輸送用機械器具は8・9%減など、10業種
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保証承諾額 大幅減2228億円 21年度静岡県協会 コロナ禍前水準に
静岡県信用保証協会が5日公表した2021年度の保証承諾件数は、新型コロナウイルス関連融資が激増した前年度に比べて71・6%減の2万1067件、金額は79・6%減の2228億4863万円と大幅な反動減となった。コロナ禍前とほぼ同じ水準に戻った。 企業が返済できなくなった債務を肩代わりする代位弁済額は22・7%減の96億1452万円。業種別では、感染防止に伴う営業自粛などの影響が大きかった飲食業で代位弁済を求めるケースが目立った。実質無利子・無担保の新型コロナ関連融資が行き渡ったことで、21年度は資金ニーズが落ち着いたとみられる。 同協会は「経済活動が徐々に回復していることを裏付ける数字。た
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コロナ関連融資借り入れ企業 1割が「返済不安」 民間調べ
民間信用調査会社の帝国データバンク静岡支店がまとめた新型コロナウイルス関連融資に関する静岡県内企業の意識調査によると、関連融資の借り入れ企業で約1割が今後の返済見通しに不安を抱えていた。事業継続のために金利減免や返済猶予を求める声もあり、調査担当者は「1割近くで返済めどが立たないと回答していることは、決しておろそかにできない」と指摘する。 回答企業の半数以上(54・7%)が新型コロナ関連融資で資金を調達した。資金使途(複数回答)は「人件費」が50・5%と最多で、「原材料や商品の仕入れなど」45・7%、「設備の修繕・更新など」26・9%、「新規の設備投資や事業の拡張」16・7%が続いた。「借
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3月業況DI悪化、1年9カ月ぶり コロナ、原油高要因 日銀静岡支店短観
日銀静岡支店が1日発表した3月の県内企業短期経済観測調査(短観、回答268社、回答率98・9%)は、景況感を示す業況判断指数(DI)が全産業でマイナス5となり、昨年12月の前回調査から6ポイント下落した。DIの悪化は2020年6月調査以来、1年9カ月ぶり。新型コロナウイルスの感染再拡大に加え、原油・原材料価格の高騰などが下押し要因となった。 野見山浩平支店長は「県内経済は持ち直し基調にあると判断しているが、逆風の状況にあることも確か。仕入れ価格の上昇で商品に価格転嫁する動きが強まり、企業からは『努力も限界』との声が聞かれる」と述べた。 製造業、非製造業ともにDIは7ポイント下降のマイナス
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愛知にバイオマス発電所 静岡ガス子会社など 2025年運転目標
静岡ガスは31日、電力事業を展開する子会社の静岡ガス&パワー(富士市)が石油資源開発(JAPEX、東京都)など6社と共同で、愛知県田原市に大型バイオマス発電所を建設すると発表した。静岡ガス&パワーが携わるバイオマス発電所は4施設目。 同市臨海部に発電施設を新設し、2025年4月の運転開始を目指す。静岡ガス&パワーは7社の共同出資で設立した「田原バイオマス発電所合同会社」に20%を出資し、所長と技術管理責任者、燃料管理責任者の3人を合同会社に派遣して運営の実務を担う。 ベトナムからの輸入木質ペレットを燃料に使用し、出力規模は5万キロワット、年間発電量は標準家庭で約11万世帯の年間使用量に相
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18、19歳のカード・フリーローン 静岡県内地銀と信金の大半「不可」 成人年齢引き下げ後も
成人年齢が引き下げられる4月以降の18歳、19歳からのローン申し込みについて、県内の4地銀と9信用金庫は28日までに、対応方針を固めた。カードローンやフリーローンに対し、4地銀と浜松いわたなど7信金は「20歳以上」とする現状の規定を据え置く。しずおか焼津と富士宮の2信金は審査を厳格化するなどして受け付けるが、「あくまで返済できることが前提」としている。 4地銀と7信金は、資金の使用目的を把握しにくいカードローンなどについて、4月の改正民法施行後も従来規定を維持し、18歳、19歳からの申し込みを受け付けない意向。その理由を「金融知識が乏しく、安定した収入もない若者がむやみに利用すれば、多重
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社長平均年齢60.7歳 過去最高、世代交代進まず 静岡県内
帝国データバンク静岡支店がこのほどまとめた県内企業の社長の平均年齢(2021年12月時点)は前年12月の調査を0・1歳上回る60・7歳と過去最高を更新した。同支店の担当者は「世代交代が進んでいない。企業の歴史を絶やさないためにも、M&A(企業の合併・買収)なども視野に将来を選択するべき」と指摘している。 平均年齢は54・3歳だった1990年の調査開始時から6・4歳高まり、一貫して上昇を続けている。21年の社長交代率は3・8%と低調で、後継者不在のために高齢の社長が長年にわたって経営を担い続けている実態が改めて浮き彫りになった。 平均年齢を年商規模別でみると、「1億円未満」が62・0歳と最
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景気判断を下方修正 住宅投資、生産が悪化 日銀支店3月
日銀静岡支店は24日発表した3月の静岡県内金融経済動向で、景気の全体判断の表現を「新型コロナウイルス感染症や供給制約の影響を受けつつも、基調としては持ち直している」と弱め、2021年5月以来、10カ月ぶりに下方修正した。まん延防止等重点措置や原油・原材料価格の高騰などの影響で、住宅投資と生産が悪化した。 住宅投資は「横ばい圏内の動きとなっている」として、20年6月以来、21カ月ぶりに判断を引き下げた。部材となる鋼材価格が上昇したことや、外出自粛により住宅展示場への来場者数が減少したのに加え、住宅ローン減税の見直しも重なって新築需要が低下したとみられる。生産は、自動車・同部品で半導体などの供
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消費税の期限内納付を 静岡間税会、巡回広報で呼び掛け
消費税などの間接税の適切な納付を推進する静岡間税会(萩原良一会長)は23日、個人事業者に2021年分消費税を期限内に納めるよう呼び掛ける巡回広報活動を静岡市葵、駿河の両区で行った。 個人事業者の21年分消費税の申告納付期限は今月末まで。新型コロナウイルスに納税者自身が感染したり、濃厚接触者となったりして期限内の申告が困難な場合に限り、4月15日まで受け付ける。静岡税務署管内の対象は約5200事業所。 巡回広報に先立って静岡市葵区の同税務署前で出発式を行い、萩原会長は「近年は再び滞納者が増えている。広報活動を通して1件でも減らそう」と述べた。同税務署の二村重紀署長は「新型コロナ禍などで経済
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住宅・商業地の下落幅縮小 静岡県内公示地価 東部で移住需要
国土交通省は22日、1月1日時点の公示地価を発表した。静岡県内32市町672地点の対前年比の平均変動率は、住宅地がマイナス0・8%(前年マイナス1・5%)、商業地もマイナス0・8%(同マイナス1・8%)だった。工業地は横ばい(同マイナス0・7%)。新型コロナウイルス禍で大きく落ち込んだ前年から下落幅が縮小し、回復した地点もみられる。 住宅地は14年連続の下落となったものの、上昇地点が前年の5地点から69地点に増えた。駅近くで生活利便性の高い好立地エリアで堅調だった半面、人口流出や過疎化が進む地域は下落が続き、二極化が強まった。 市町別の変動率上位は、長泉町など県東部の市町が並び、首都圏な
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製造業8割、燃料高騰懸念 ウクライナ侵攻、景気低迷不安視も 静岡経済研究所アンケート
静岡経済研究所が16日発表したロシア軍のウクライナ侵攻による県内企業への影響に関する緊急アンケートによると、製造業で8割、非製造業は7割が「エネルギー価格の高騰」を懸念材料に挙げた。物価上昇による景気低迷を不安視する声は5割を超え、新型コロナウイルス感染拡大で影響を受けたサプライチェーン(供給網)が再び混乱するとの懸念が高まっている様子が浮き彫りになった。 調査は1~14日、静岡県内に本社や事業所を置く577社に実施し、192社(製造業99社、非製造業93社)が回答した。回答率は33・3%。 経営への懸念(複数回答)として、製造業で最多は「エネルギー価格の高騰」の82・8%。次いで「部品
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食品ロス削減へ「しずかる」 静岡ガスがECサイト開設
静岡ガスはこのほど、食べずに廃棄する食品ロスの削減に向け、県内の食品関連企業などから集めた余剰食品などをオンラインで販売する電子商取引(EC)サイト「しずかる」を開設した。県産品に限定し、新型コロナウイルス禍で売り上げが落ち込んでいる地元企業の販路拡大を支援する。 賞味期限が迫っていたり、パッケージに傷があるなどしたりした商品を募り、通常の販売参考価格のおおむね6割引き程度で販売する。ECサイトの開設時点で浜松餃子(ギョーザ)やカツオのたたきなど15種20品を取りそろえた。今後5年間で会員登録者数2万5千人、2千トンの食品ロス削減効果を目指す。 サイトの開設は持続可能な開発目標(SDGs
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1~3月期景況感悪化 感染拡大、原油高騰響く 静岡財務事務所
東海財務局静岡財務事務所が11日発表した1~3月期の法人企業景気予測調査によると、全産業の景況判断指数(BSI)はマイナス13・1と、2021年10~12月期から20・0ポイント悪化した。マイナスになるのは同年7~9月期以来、半年ぶり。新型コロナウイルス変異株の感染拡大と原油・原材料価格などの高騰が響いた。 調査はロシア軍によるウクライナ侵攻開始前の2月15日時点。資本金1千万円以上の県内企業326社を対象に実施し、283社から回答を得た(回答率86・8%)。白滝智彦所長は「原油や原材料価格の高騰に拍車が掛かっている。新型コロナの感染収束の見通しも立たず、経済情勢は不安定な状況」と懸念を示
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事業再生や提案力強化 次期中経「新たな挑戦」4月スタート 静清信金創立100年
静清信用金庫は11日、創立100周年を迎える。4月スタートの次期中期経営計画(中経)は次の100年に向けて取引先の事業再生に向けた相談業務などに注力する。デジタル化などによる合理化で自らの収益力も高め、当期純利益は毎期10億円以上の安定確保を目指す。 次期中経の名称は「NEXT STAGE(ネクストステージ)新たな挑戦」。アフターコロナを見据え、金融支援のほか、事業計画の再構築やマーケティング、現場改善提案などの伴走型支援を最重点施策として強化する。これまで2人だった企業サポート課の職員を6人に増やし、きめ細かな相談対応を行う。 中小企業診断士の資格を持つ職員も事業承継やM&A(企業の合
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2月倒産7件最少 静岡県内、民間調べ 各種支援策が奏功
民間信用調査会社の東京商工リサーチ静岡支店が8日発表した2月の県内企業倒産件数(負債額1千万円以上)は、前年同月比6件減の7件だった。2月の件数としては1976年以降で過去最少、単月でも過去3番目に少なかった。 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた企業に対する行政や金融機関の各種支援策が奏功し、倒産が抑え込まれたとみられる。負債総額は前年同月比76・3%減の7億4600万円。新型コロナ関連の破綻は3件だった。 地域別の倒産件数は東部が2件、中部4件、西部1件だった。業種別はサービス業他が2件で、建設業や製造業、運輸業などが各1件だった。 同支店の担当者は「変異株による感染拡大に加え
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2022年春闘ヤマ場 協議多様化 諸手当、非正規雇用、ジェンダー…賃上げ以外も焦点に 静岡県内
静岡県内企業の2022年春闘がヤマ場を迎えている。新型コロナウイルス禍から業績が回復しつつある企業は、労働組合の要求に応えて基本給を底上げするベースアップ(ベア)に前向きな姿勢が目立つ。ただ、年明けからの感染再拡大に加え、原油・原材料価格の高騰で景気の先行きは不透明。労組側は一律の賃上げだけにこだわらず、労働環境の改善など協議内容を多様化させている。 連合静岡は2%程度のベアと定期昇給を含む計4%程度の賃上げを求めた。賃上げの要求水準はあくまで目安で、全産業一律ではない。 中西清文会長は2月25日、県経営者協会への賃上げ要請の際、「賃上げに応じられる企業ばかりではないと理解している」と、
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1月のDI大幅下落 感染拡大で再悪化 静岡県版景気ウオッチャー
静岡経済研究所がこのほど発表した1月の静岡県版景気ウオッチャー調査は、景気の方向性を示す現状判断指数(DI)が37・9と、2021年10月の前回調査から19・9ポイントの大幅下落となった。新型コロナウイルス変異株の感染拡大が響き、飲食関連やサービス関連を中心に景況感が悪化した。 調査は1月下旬、スーパーや自動車販売、旅行代理店、不動産販売など各業種の担当者109人に行い、100人が回答した(回答率91・7%)。同研究所の担当者は「感染拡大に加え、ロシアによるウクライナ侵攻も石油や天然ガスの価格を高騰させ、今後の景況感を一層悪化させる懸念がある。先行きへの不安要素が多い」と警戒感を示した。
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賃金改善見込み54.8% 静岡県内345社、民間調べ
民間信用調査会社の帝国データバンク静岡支店がまとめた賃金動向に関する県内企業の意識調査によると、2022年度にベースアップ(ベア)や賞与(一時金)引き上げなどの賃金改善を見込む企業は54・8%で、21年度見込みに比べて14・2ポイント上昇した。賃金改善を見込む割合が5割を超えたのは2年ぶり。 政府が賃上げした企業を税制優遇する方針を示したことなどから、改善を検討する動きが広がったとみられるという。同支店の担当者は「企業の人手不足感が再び高まる中、賃金改善は人材を確保する上で重要な要素」と指摘した。 賃金改善を見込む企業の割合を規模別にみると、大企業は21年度見込み比25・0ポイント上昇の
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1月倒産8件 5カ月ぶり1桁台、過去30年で最少 民間調べ
民間信用調査会社の東京商工リサーチ静岡支店がこのほどまとめた1月の静岡県内企業倒産件数(負債額1千万円以上)は、前年同月比7件減の8件だった。1月の倒産件数としては過去30年で最少。1桁台は昨年8月以来、5カ月ぶり。 負債総額は前年同月比87・9%減の17億9900万円だった。新型コロナウイルス関連破綻は2件にとどまったが、世界的な輸入木材の不足で価格が高騰する「ウッドショック」の影響で木工所が破産したケースがあった。 同支店の担当者は「変異株による感染再拡大が倒産動向を左右する可能性がある。原材料価格の高騰で業績が悪化した企業も顕在化し始めている」と話した。 地域別の倒産件数は、西部
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2月景気判断据え置き 日銀静岡支店 ウクライナ情勢に警戒
日銀静岡支店は24日、2月の静岡県内金融経済動向を公表し、「新型コロナウイルス感染症や供給制約の影響を受けつつも、持ち直している」として景気の全体判断を3カ月連続で据え置いた。野見山浩平支店長は緊迫するウクライナ情勢を念頭に「景気の下押し圧力が強まる可能性がある。どのような影響が出るか、読めていない」と警戒感を示した。 野見山支店長は「ロシアによるウクライナ侵攻は、世界的な株式市場やエネルギー市場への悪影響が懸念される。物価上昇がさらに拡大し、景気回復に水を差す恐れがある」と述べた。 今後の見通しについて、新型コロナの感染状況や高騰する原材料価格などの不確定要素が多いとの見解を示した。
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住宅着工3年ぶり増 前年の反動、依然低水準 静岡県内
静岡県がまとめた2021年の県内新設住宅着工戸数は前年比4・3%増の2万1271戸と、3年ぶりに前年を上回った。新型コロナウイルス感染拡大の影響で落ち込んだ前年から住宅需要がやや回復したが、過去30年では前年に続き2番目の低水準だった。 持ち家は8・4%増の1万1425戸で、4月から8カ月連続で前年を上回った。感染状況が落ち着いていた10、11両月は住宅ローン控除改正前の駆け込み需要が重なったとみられ、いずれも単月の着工戸数が千戸を超えた。 貸家は3・0%増の5965戸。分譲住宅は3755戸で1・3%の微増だった。このうちマンションは52・9%減の377戸にとどまり、新規着工が伸び悩んだ
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企業の脱炭素化加速へ 伴走型支援充実【22年度県予算 検証㊥】
長泉町のアルミリサイクル業山一金属の大賀丈久専務(31)は、再生アルミを圧縮して板状にした「タブレット」を手に胸を張った。「このタブレットは製造時に使う電力がとても少ない。環境に優しいんです」 同社は脱炭素化社会を見据え、回収したアルミ缶やアルミ箔(はく)を再生する際、ペレットを焙(ばい)焼・圧縮してタブレット化する独自技術を開発した。製造過程で電力を最も使う溶解の工程をなくすことで、従来の再生アルミと比べて電力消費量を10%程度に抑えた。消費電力が大幅に少ない分、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出を低減できる。缶や箔に付着したり混ざったりしている塗料や他の金属なども中間工程
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脱炭素「積極的」2割未満 静岡経済研、県内企業調査 基準不明確で様子見か
静岡県内企業の8割超がカーボンニュートラルへの取り組みの必要性を感じながら、実際に積極的な企業は2割未満にとどまることが、静岡経済研究所の14日までの調査で明らかになった。二酸化炭素(CO2)の排出規制や削減基準などが明確化されていないため、様子見をしているとみられる。設備投資コストや資金不足を不安視する意見も多い。 脱炭素化の取り組みが必要と感じている企業は83・2%。このうち「積極的に取り組みたい」は19・2%で、64・0%は「取り組まざるを得ない」「外部から要請があるなどすれば、いつかは対応する」と消極的だった。「必要はない」は4・8%。 業種別で積極的だったのはエネルギー業の60
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2021年冬賞与「増額」4割 コロナ前には戻らず 静岡経済研
静岡経済研究所がこのほどまとめた2021年冬のボーナス支給に関する調査によると、前年より「増額」と回答した企業は40・1%で、20年12月の前回調査と比べて25・8ポイント上昇した。ただ新型コロナウイルス感染症発生前の19年冬の支給実績を100とした場合、今回の平均水準は92・8にとどまり、2年前の水準までは回復しなかった。 「支給なし」は3・5ポイント減の4・7%、「減額」は23・6ポイント減の16・0%だった。「前年並み」は39・2%で1・2ポイント増加した。 業種別では、製造業の48・1%が「増額」と答えたのに対し、非製造業は32・1%にとどまった。基幹産業の輸送用機械器具は半導体
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コロナ倒産100件に 飲食、食品関連半数 静岡県内、民間調査
新型コロナウイルス感染症の影響で関連倒産した県内企業が1月末現在の累計で100件に達したことが、帝国データバンク静岡支店の1日までのまとめで分かった。小売り、製造業の倒産が目立ち、飲食、食品関連の企業が49件に上った。 コロナ関連倒産が100件に達したのは、全国の都道府県別で7番目。業種別は小売業が29件、製造業24件、サービス業19件、卸売業15件、建設業8件などと続いた。 倒産の種類別は、破産が83件と大半を占め、次いで民事再生と事業停止がそれぞれ8件、会社更生が1件。負債額は1億円未満の倒産が58・8%を占めるなど比較的、小規模な企業の倒産が目立った。 コロナ関連の倒産の全体負
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静銀、純利益10.5%増 2年連続最終増益 4~12月期
静岡銀行が31日発表した2021年4~12月期連結決算は、関係会社の株式売却益が寄与し、純利益が前年同期比10・5%増の397億5800万円と第3四半期として2年連続の最終増益を確保した。経常収益は0・9%増の1735億6900万円、経常利益は1・4%減の500億8200万円。 経常利益の減少は、昨年導入した次世代システムの稼働に伴う経費の増加が要因。特別利益に持分法適用関連会社マネックスグループの株式売却益を計上している。 単体の業務粗利益は2・8%増の1102億2600万円。資金利益が8・4%増の927億1千万円と伸長し、役務取引等利益やその他業務利益の落ち込みを補った。本業の収益力
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1月景気判断据え置き 日銀静岡支店 生産は回復基調に
日銀静岡支店は25日、1月の県内金融経済動向を公表し、景気の全体判断を「新型コロナウイルス感染症や供給制約の影響が徐々に和らぐもとで、持ち直している」として2カ月連続で据え置いた。生産が自動車関連を中心に回復基調にある一方、個人消費は足元でサービス消費への下押し圧力が生じているとした。 生産は、半導体や部品の供給制約の影響が解消できていないものの、自動車・同部品と電気機械で緩やかな改善傾向にあることから、2カ月ぶりに引き上げた。 個人消費のうち、新車登録・販売台数は基調として持ち直し、3カ月連続で判断を上方修正した。一方、旅館・ホテルの宿泊客数は年明け以降の新型コロナウイルス変異株によ
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スタートアップと商談 静岡で「テックビート」開幕 26日まで
首都圏のスタートアップ企業と県内企業をつなぐ商談イベント「テックビートシズオカ」(県や静岡銀行などでつくる実行委主催、静岡新聞社・静岡放送特別後援)が25日、オンラインで開幕した。情報通信技術(ICT)に強みを持つスタートアップ企業89社と県内を中心とした約千社が参加し、新たなビジネス創出を目指す。26日まで。 イベントの開催は7回目。実行委員長を務める中西勝則静岡銀会長は「新型コロナウイルス禍の影響を受けている今だからこそ、経済回復には新たな技術とアイデアが求められている。少しでもイノベーションにつながれば」とあいさつした。 スタートアップ企業は、脱炭素化に向けたソフトウエアプラットフ
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21年の休廃業・解散企業1502件 コロナ支援で16年以降最少
民間信用調査会社の帝国データバンク静岡支店は20日、2021年に休廃業や解散した静岡県内企業が前年比6・4%減の1502件と、比較可能な16年以降で最も少なかったとの調査結果をまとめた。新型コロナウイルス禍で打撃を受けた企業に対する政府や金融機関の資金繰り支援で、休廃業の発生が抑えられたとみられる。 負債が資産を上回る「債務超過」に陥っていないのに休廃業・解散した企業は59・7%と6・6ポイント上昇した。同支店は「先行きが不透明な状況を悲観し、余力を残したまま経営継続を断念する『諦め休廃業』の割合が高まっているのではないか」とみている。 休廃業・解散した企業の業種別は建設業が30・7%で
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地価DIマイナス12.4 静岡県内10月1日時点 下落感緩和
静岡県不動産鑑定士協会と県宅地建物取引業協会がこのほどまとめた2021年10月1日時点の県内不動産市況調査は、地価動向の判断指数(DI、「上昇傾向」から「下落傾向」の回答割合を引いた値)の実感値はマイナス12・4だった。前回調査の4月1日時点と比べて11・1ポイント改善した。新型コロナワクチンの接種率が向上し、感染が落ち着いたことで、経済持ち直しへの期待感が反映されたとみられる。 伊豆・田方を除く10地域でマイナス幅が縮小した。特に県中部の改善が顕著で、榛原は20・9ポイント上昇のマイナス9・5、静岡が20・3ポイント上昇のマイナス5・0、志太17・7ポイント上昇のマイナス8・3だった。伊
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脱炭素化、成長の好機に TOKAIホールディングス社長 鴇田勝彦氏【新春トップインタビュー】
―国内外の景況をどう見るか。 「国内は秋ごろから本格回復すると思う。新型コロナのオミクロン株が急拡大しており、早急の対策が不可欠である。一方で、景気回復に向け個人消費の拡大が課題であり、その両立を図ることが重要である。世界経済は米FRBの利上げ時期や11月の中間選挙の結果が影響を及ぼすだろう」 ―カーボンニュートラルの取り組みは。 「昨年5月、カーボンニュートラルビジョンを公表した。事業所で使う電気を再生エネルギーに置き換えたり、電気自動車を導入したりするなどしてグループ内の二酸化炭素(CO2)排出量を70%減らす。高効率ガス機器や太陽光発電の設置などで家庭向けガスのCO2排出量も5
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21年倒産減り180件 静岡県内企業民間調べ 平成以降3番目低水準
民間信用調査会社の東京商工リサーチ静岡支店が12日発表した2021年の県内企業倒産件数(負債額1千万円以上)は前年比23件減の180件だった。新型コロナウイルス感染拡大を受けた政府の資金繰り支援などで倒産件数が抑えられ、平成に入ってから過去3番目の低水準となった。コロナ関連倒産は46件と前年から16件増加した。 負債総額は84・7%増の561億8200万円。大興製紙(富士市)と、沼津市の淡島ホテルの旧運営会社「淡島ホテル(現AWH)」の関連会社長田事業(長泉町)がいずれも負債額100億円を超える大型倒産だったことが大幅増の要因となった。 倒産企業の業種別は建設業が最も多く46件。次いでサ
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地域発展目指しHD化 静岡銀行頭取・柴田久氏【新春トップインタビュー】
―2022年の経済環境をどう見通すか。 「新型コロナウイルス感染拡大の影響は最悪期を脱した。だが、製造業を中心にサプライチェーンの問題や原油・原材料価格高騰が企業収益のマイナス要因になっている。米中対立などの海外情勢も株価や為替に影響する可能性がある。そうした不確定要素が多い中、サステナブルな社会への転換が求められている。一つの企業だけで対処できる課題ではなく、金融や行政も一体になって取り組む必要がある」 ―静岡銀行が力を注ぐ取り組みは。 「取引先企業に対しては脱炭素化やデジタル化、事業承継などの支援を進めていく。脱炭素化や環境への取り組みについて静岡銀行が昨年実施した調査では、対象
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静岡県内7信金がシステム共同導入 マネーロンダリング対策
しずおか焼津、静清、沼津、富士宮、島田掛川、富士、遠州の県内7信用金庫はこのほど、マネーロンダリング(資金洗浄)防止に向けた顧客管理システムを共同導入すると発表した。 資金洗浄やテロ資金供与対策に関する金融庁のガイドラインに沿った対応の一環。各信金の口座を持つ顧客へ定期的にダイレクトメールを発送して職業の変更の有無や取引目的などを回答してもらい、不審点がないか調べる。 システムは2022年度以降、順次運用を開始する予定。7信金が手法を統一することで、調査に対する顧客の認知度向上を図る。 顧客管理システムを巡っては県内地銀4行と浜松いわた、三島の2信金も21年12月、静岡銀行が構築した不
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消費者、財布のひも固く「家計支出、引き締める」37% 静岡経済研アンケート
静岡経済研究所が24日までにまとめた県内世帯の消費動向アンケートによると、今後1年間の家計支出を引き締めると回答した人は37・2%だった。1年前の前回調査に比べて11・5ポイント低下したものの、新型コロナウイルス禍での手取り収入の減少や、原材料価格高騰に伴う物価の上昇などを理由に消費者の財布のひもは依然固い状況にあるようだ。 今後1年間の家計支出の見通しについて、最も多かったのが、「(前年と)特に変わらない」で前年比8・7ポイント上昇の54・2%。「多少引き締め」は10・4ポイント下降の29・8%、「かなり引き締め」は1・1ポイント下降の7・4%だった。 家計を引き締める理由(複数回答)
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静岡銀行が協調融資50億円 都内企業、途上国の脱炭素支援
静岡銀行は22日、大手リースの東京センチュリー(東京都千代田区)に対し、持続可能な社会の実現に取り組む企業を支援する「サステナビリティ・リンク・ローン」の協調融資に参加すると発表した。海外の途上国に脱炭素技術を提供して温室効果ガスの排出削減を図る同社の取り組みを資金面で支える。メガバンクと地方銀の9行とともに4年間で580億円を融資する。 三菱UFJ銀が協調融資の主幹事、静岡銀は副幹事を務める。ほかに千葉銀、福岡銀など有力地銀が参画し、静岡銀は50億円を融資する。 サステナビリティ・リンク・ローンは、国連の掲げる持続可能な開発目標(SDGs)に沿った企業独自の目標を設定し、達成状況に応じ
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越境ECに挑戦 静大生、静銀でインターン 取引先の販売を支援
静岡大のベトナム人留学生と日本人学生の2人が、静岡銀行でのインターンシップ(就業体験)の一環で、静岡県内の食品2社の販路開拓支援に向けた海外電子商取引(越境EC)サイトの開設に挑んでいる。約1年間にわたり、市場調査から損益計算、価格設定などを実践する内容。「ビジネスの楽しさを知ることができた。越境ECは必ず成功させたい」と意気込む。 2人は人文科学部3年のハ・ティ・タイン・タオさん(24)と、農学部2年の志知佑衣さん(20)。タオさんは水産加工のシーラック(焼津市)、志知さんはワサビ商品販売の田丸屋本店(静岡市葵区)を担当する。今春から2022年3月までの間、両社の人気商品であるかつお節
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庭木譲渡マッチング 焼津の良知樹園がサービス開始
造園業の良知樹園(焼津市、良知正浩社長)は、庭木を譲りたい人と必要とする人をつなぐマッチングサービスを始めた。転居や増築、企業の移転などに伴って伐採される樹木を減らし、持続可能な社会に貢献する狙い。全国で初めての取り組みという。 インターネット上にマッチングのプラットフォーム「trees(ツリーズ)」を開設した。庭木を手放したい人は木の写真や樹種、樹齢などを登録する。引き取りたい人が現れた場合、同社の仲介で譲り渡す。登録は無料。同社は維持管理と移植業務を請け負う。 庭木の多くは住宅や事業所を増改築したり、解体したりする際に伐採されていた。近年は手入れに費用がかさむなどとして、処分する高齢
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静岡ガス インド進出へ 天然ガス供給、脱炭素後押し
静岡ガスは20日、インドで都市ガス事業に参入すると発表した。大幅な経済成長が見込まれる市場で産業向けを中心に、天然ガスを供給する。同国で深刻化する大気汚染の解消に資する技術も提供し、脱炭素化を後押しする。 同国西部グジャラート州と北部パンジャーブ州の計3地域で独占的な営業権を持つIRM社と20日、業務提携で基本合意した。IRM社に数億円を出資し、発行済み株式を取得する。取得割合などは非公表。 同国内で消費されるガスは、二酸化炭素(CO2)の排出量が比較的多いプロパンガスが主流で、同国政府は1次エネルギー消費における天然ガスの比率を2030年までに15%へ高める方針を打ち出している。IRM
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負債額、平成以降最少 東京商工リサーチ、11月の企業倒産19件
民間信用調査会社の東京商工リサーチ静岡支店がこのほどまとめた11月の県内企業倒産件数(負債額1千万円以上)は、前年同月比3件増の19件だった。負債総額は28・1%減の11億9100万円と11月度としては1989(平成元)年以降で最少となった。 新型コロナウイルス関連破綻は1件にとどまり、政府や金融機関による資金支援の結果、倒産が抑えられた。同支店の担当者は「感染再拡大の不安が再び高まるなど、経営環境は改善しているとは言いがたい。負債が膨らんだ企業の今後の返済も懸念される」と指摘した。 地域別の倒産件数は東部10件、中部2件、西部7件。業種別は建設業の7件が最も多く、次いでサービス業他が5
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12月業況DIプラス 静岡県内企業、持ち直し顕著に
日銀静岡支店が13日発表した12月の静岡県内企業短期経済観測調査(短観、回答265社、回答率99・6%)は全産業の業況判断指数(DI)がプラス2と、9月の前回調査から7ポイント上昇した。新型コロナウイルスの感染状況が落ち着き、非製造業を中心に経済活動が活発化した。指数がプラスに転じたのは2019年9月以来、2年3カ月ぶり。 調査は11月10日~12月10日に実施した。野見山浩平支店長は「コロナ禍で中断していた設備投資が再開されるなど、持ち直しの動きが表れた。変異株による感染再拡大や原材料費高騰の下振れ懸念があるが、製造業では部材不足も改善されつつある」と述べた。 製造業は1ポイント上昇
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景況感大幅に改善、プラス6.9 静岡財務事務所、10~12月期
東海財務局静岡財務事務所が9日発表した10~12月期の法人企業景気予測調査によると、全産業の景況判断指数(BSI)はプラス6・9と2004年の調査開始以降で最も高い指数となった。新型コロナウイルスの感染者数が減少し、経済活動が再開されたことで7~9月期のマイナス4・9から11・8ポイントの大幅改善となった。 調査は11月15日時点のため、コロナ変異株の「オミクロン株」への懸念は反映されていない。白滝智彦所長は「変異株による感染再拡大のリスクや半導体不足、原材料価格高騰などの不安要素もあり、このまま順調に経済が回復するかどうか、先行きは見通しにくい」と述べた。 指数がプラスになったのは20
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静岡県内7信金 最終増益 全9信金で貸出金残高伸び 9月中間
静岡県内9信用金庫の2021年9月中間決算(仮決算)が8日までに出そろった。最終的なもうけを示す純利益は浜松いわたと三島を除く7信金で増益となり、全体合計は前年同期に比べて29・7%増と改善した。新型コロナウイルス禍で苦しむ企業への融資が伸び、全信金で貸出金残高を伸ばした。 低金利が長期化する中、貸出金の全体量を増やして収益を確保した。本業の収益力を示すコア業務純益は8信金が増益だった。浜松いわたは有価証券利息配当金の減少が響き、旧浜松、旧磐田両信金の合併(19年1月)以降で初の最終減益となった。三島は法人税などの税金費用が増加した。 貸出金残高(期中平均)は全体で4・4%増の3兆943
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静岡県内信金 取引先の経営支援に注力 コロナ後見据え、体制整備
2021年9月中間決算で貸出金残高を伸ばした県内9信用金庫は「アフターコロナ」を見据え、ビジネスマッチングによる販路拡大や事業承継、相談対応など、取引先の経営改善支援に力を注ぐ。 浜松いわたは取引先の経営支援を伴走型で行うビジネスパートナー、個人の資産形成や資産承継を専門に行うパーソナルアドバイザーを全店舗に配置。6月には法人事業部と個人事業部を統合して新たに「ソリューション支援部」を立ち上げ、法人と個人の区別なく顧客の課題解決に一体的に対応する組織体制を整えた。 しずおか焼津は中部横断自動車道の静岡―山梨区間開通を機に11月、山梨、長野両県の甲府、山梨、諏訪の3信金と地域経済活性化に向
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オフィス空室率、底打ち感 来春の予想はマイナス値 静岡と浜松10月DI上昇
日本不動産研究所がまとめた10月現在の静岡市と浜松市のオフィス市況調査によると、空室率DI(「改善」から「悪化」を引いた回答割合の数値)は両市ともに0・0だった。前回4月の調査時に比べて静岡は21・0ポイント、浜松は27・8ポイントそれぞれ上昇した。新型コロナウイルスの感染状況が落ち着き、冷え込んでいた市況も底打ち感がみられるという。 両市中心部で延べ床面積3千平方メートル以上のオフィスビルを所有する企業や賃貸業者から聞き取った。 静岡市は「悪化」とした回答が前回調査比21・8ポイント下降の4・5%に減少し、「横ばい」が91%を占めた。回答者からは「新規ビルの供給が少ないため、市況は安定
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インドネシアに新工場 やまと興業、生産増強
輸送機器部品製造業のやまと興業(浜松市浜北区、小杉知弘社長)は、自動二輪・四輪車用コントロールケーブルの増産に向け、インドネシアで新工場を取得する。同社の現地法人が1日までに、静岡銀行と国際協力銀行(JBIC)の保証契約に基づき、購入のための2億円を調達した。 首都ジャカルタ東部のジャバベカ工業団地にある現在の工場が手狭になったため、同じ団地内で工場を取得する。新しい工場の敷地面積は4721平方メートルで、2022年7月に移転する予定。 主力製品のコントロールケーブルの生産量を従来の1カ月当たり70万~80万本から2倍程度増産し、インドネシア国内でのシェア率3割達成を目指す。乗用車やオー
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中部横断道機に交流活性化 しずおか焼津など3県4信金が連携協定
しずおか焼津信用金庫は30日、山梨、長野両県内の甲府、山梨、諏訪の3信金と地域経済活性化に向けた連携協定を結んだ。中部横断自動車道開通を機に、沿線エリアを営業拠点とする4信金が協力し、ビジネスマッチングや観光振興、事業承継などを推進する。甲信地方とのアクセスが向上したことで物流拡大が期待される清水港の利用促進も目指す。 協定の名称は「しんきん中部横断道コネクト」。同日、甲府市内で調印式を行い、しずおか焼津信金の田形和幸理事長ら各信金のトップが協定書を交わした。 4信金はそれぞれの取引先である中小・零細企業を紹介し合って販路や仕入れ先の拡大を支援する。地場産品のPRや雇用確保、地域課題の解
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10月DI大幅改善 静岡県版ウオッチャー 1年ぶり「50」超え
静岡経済研究所が25日発表した10月の県版景気ウオッチャー調査は、景気の方向性を示す現状判断指数(DI)が57・8と、7月の前回調査から12・1ポイント上昇と大幅に改善した。景気の横ばいを示す「50」を上回ったのは2020年10月調査以来、1年ぶり。 調査は10月下旬、スーパーや飲食店、観光ホテル、運輸など各業種の担当者111人に実施し、103人から回答を得た(回答率92・8%)。同研究所は新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の解除後、経済情勢が好転しつつあるとし、「感染再拡大や原材料価格高騰など不安要素が残るが、今後は政府の需要喚起策『Go To キャンペーン』の再開なども期待さ
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冬ボーナス横ばい コロナ前水準に戻らず 静岡経済研予想
静岡経済研究所が25日発表した県内民間企業の2021年冬のボーナス予想は、民間1人当たりの支給額が前年比0・3%増の37万7900円とほぼ横ばいだった。「新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いているとはいえ、企業収益は回復途上にある」とコロナ前の水準には戻らないと見通した。 企業規模別は、従業員30人以上の企業が0・4%増の44万2200円、29人以下は0・3%減の26万8千円と推計した。支給総額は0・8%増の4631億円、対象者は0・5%増の122万5千人と見積もった。 県内上場企業の21年9月中間決算は、多くの企業で利益が黒字転換または前年を上回り、経済が回復しつつある様子をうかがわ
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五輪パラ「経済に有効だった」2割 静岡県内企業、関連消費伸びず
帝国データバンク静岡支店が25日までにまとめた静岡県内企業の東京五輪・パラリンピックに関する意識調査によると、大会開催が「経済に有効だった」とした回答は2割未満にとどまり、「有効と思わない」は4割を超えた。自転車競技の会場となった本県は有観客で実施したものの、他競技はほぼ無観客だったことから関連消費が伸び悩み、厳しい反応が増えたとみられる。 調査は9月15~30日、県内718社を対象に行い、336社から回答を得た(回答率46・8%)。 調査によると、「有効と思わない」は43・6%と最も多かった。次いで「分からない」36・8%が続き、「有効だ」との回答は19・6%だった。 企業の規模別は
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景気判断 11カ月ぶり上方修正 日銀静岡支店11月動向
日銀静岡支店は15日発表した11月の県内金融経済動向で、景気の全体判断を「持ち直しの兆しがみられている」として2020年12月以来、11カ月ぶりに引き上げた。新型コロナウイルスの感染状況や原材料の供給制約による影響が徐々に落ち着き、個人消費と生産が回復傾向にあると判断した。 個人消費は、コンビニエンスストア売上高と旅館・ホテルの宿泊者数を2カ月連続で上方修正した。緊急事態宣言の解除後、中心市街地や県内観光地への人出が戻りつつあるのに伴い、消費意欲も向上した。 生産は、自動車・同部品で東南アジアの新型コロナ感染者数が減少したことで現地工場の操業規制が緩和され、サプライチェーンが持ち直し始め
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静岡県内地銀4行増益確保 与信費用減少など寄与 9月中間決算
静岡県内の地方銀行4行(静岡、スルガ、清水、静岡中央)の2021年9月中間決算が12日までに出そろった。単体の純利益は全てが前年同期比で増益を確保。新型コロナウイルス禍に対する政府などの資金繰り支援で取引先の倒産が低水準で推移し、静岡中央を除く3行で与信費用が減少したことが寄与した。 多くの取引先にコロナ関連融資が行き渡った結果、目下の貸し倒れリスクが抑えられているとして静岡、スルガ、清水は与信費用を減らした。ただ、静岡の柴田久頭取は「現時点で倒産が抑制できているとはいえ、再び感染が拡大したり、原材料価格の高騰が長引いたりすれば、融資先企業の業績に影響が出る」と指摘。各行ともに経済危機が過
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次世代車開発へ具体策 支援拡充や商談会提案 産学官研究会が報告書案
静岡県が設置した次世代自動車の電動化・デジタル化対応を検討する産学官の研究会は9日、最終協議をオンライン形式で開催し、報告書案を取りまとめた。電動車の開発促進に向け、県内中小企業と大手自動車メーカーとの共同研究に対する行政支援の拡充、先端技術を有するITベンチャーとのマッチングを図る商談会開催などを盛り込んだ。同日の委員らの意見を基に修正を加えた報告書を12月上旬、川勝平太知事に提出する。 研究会は地域で次世代自動車を開発する上での課題として、①企業の負担軽減とスピード化②人工知能(AI)や情報通信技術(ICT)に精通した人材の育成・確保③カーボンニュートラルに関する中小企業への情報提供と
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メタン再合成し循環 独自の触媒システム開発 脱炭素実現へ福原静岡大教授
都市ガスの主成分で、二酸化炭素(CO2)の約25倍の温室効果があるメタンを再合成して循環させる技術「メタネーション」を確立し、脱炭素社会を実現しようと、静岡大工学部教授で同大カーボンリサイクル研究所の福原長寿所長が独自の触媒システムを用いた研究を進めている。今後は県内企業の協力を得て実証実験に臨み、2030年までの実用化を目指す。福原教授は「成功すれば、温暖化防止に貢献できる」と自信をのぞかせる。 福原教授は直径18ミリの筒の中に、ハニカム(蜂の巣)構造の触媒を詰めた装置を開発。触媒部分はアルミ箔(はく)の表面にニッケルなどを塗布してある。メタン(CH4)の燃焼時に発生するCO2を水素(H
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マグネシウム価格一時6倍…原材料高騰 静岡県内企業に追い打ち
金属や原油、木材など原材料の世界的な価格高騰が静岡県内産業に影を落としている。新型コロナウイルス禍から世界経済が急回復した影響のほか、国際情勢も複雑に絡む。高止まりする原材料費は中小企業の収益を圧迫し、「コロナ禍で業績が苦しい中、これ以上は耐えられない」と悲鳴が漏れる。 「材料のストックがある現在は何とかなっている。でも、この先の仕入れを考えると頭が痛い」と嘆くのは、富士宮市のマグネシウム合金加工会社マクルウの安倍信貴常務(49)。軽量のマグネシウムの特性を生かし、高齢者向けのつえや椅子などを製造・販売する同社にとって、死活問題という。 マグネシウム相場は今春まで1トン当たり2200~2
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記者コラム「清流」 政治への関心持ち続けて
先日行われた衆院選で、「成長と分配」が大きな争点になった。各党ともに国民所得の向上を公約に掲げたが、取材する先々で「耳障りはいいけど、本当にできるの?」「原資はどこにあるんだろう」と疑問の声を何度も聞いた。 給料が上がるのであれば、誰でもうれしい。でも、所得向上は成長があってこそ。長らく続く国内経済の低成長率の根本的な原因を解決しなければ、分配も伴わないのではないかと思う。 有権者の私たちは、今回当選した政治家が成長と分配をどう実現させるのか、それとも口先だけの公約だったのか、厳しく見守る必要がある。お任せ民主主義ではいけない。1票を投じて終わりではなく、政治への関心を持ち続けてほしい。 (
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静清信金が中小デジタル化調査 「1年以内導入」検討は2割未満
静清信用金庫がこのほどまとめたデジタル化に関する意識調査によると、回答した中小企業の7割が必要性を感じている半面、実際に1年以内のデジタル機器の導入を検討しているのは2割未満にとどまった。新型コロナウイルス感染拡大を機に、デジタルトランスフォーメーション(DX)の動きが加速する中、中小企業は初期投資費用が足かせになっている様子が浮き彫りになった。 導入の必要性について「非常に感じる」「やや感じる」と答えた中小企業は合わせて72・6%に上った。デジタル機器を活用して進めたい業務は「施工・生産などの管理」が最多で34・8%。「書類のデジタル化」(27・3%)、「営業活動」(24・2%)の順で続
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静岡銀行 シンガポール支店開設 26年ぶり新規海外出店
静岡銀行は11月1日、シンガポールに支店を開設する。海外へ静岡県内企業の進出が相次ぐ中、東南アジアの新しい営業拠点として既存の駐在員事務所を格上げし、人員態勢やサポート機能を拡充して顧客のニーズに対応する。静岡銀行の新規海外出店は1995年の上海駐在員事務所開設以来、約26年ぶり。 タイやベトナム、インドネシアなど東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国に加え、インドも営業エリアとしてカバーする。駐在員事務所が扱っていなかった融資業務のほか、現地の法令に関する情報提供や事業パートナー選定に対する助言といった顧客からの相談に対応する。 スタッフ数は駐在員事務所の3人から、現地スタッフを含めて1
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売上高が過去最高 TOKAIHD 販促費増、減益 9月中間
TOKAIホールディングスが28日発表した2021年9月中間連結決算は、売上高が前年同期比6・9%増の960億6千万円、経常利益は3・9%減の52億8400万円、純利益30・4%減の22億8100万円だった。売上高は2年ぶりの増収となり過去最高を更新したが、販促費が膨らんだことなどから2年連続で減益となった。 新たに進出した熊本県や中国地方などでガス約2万件、ケーブルテレビ約1万6600件の顧客を純増したことが増収要因となった。 一方、利益面は、販促費のほか、新型コロナウイルス感染拡大による在宅勤務推進に向けた経費がかさみ減益になった。 グループ会社の元従業員2人による着服などの不正行為の発
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静岡銀行と山梨中央銀行、包括業務提携1年で成果
静岡銀行と山梨中央銀行の包括業務提携「静岡・山梨アライアンス」は28日で締結から1年になる。互いの取引先企業を対象にした商談会開催をはじめ、人事交流やグループ会社の新規出店などの取り組みを展開し、両行は「成果は当初の想定以上」と手応えを口にする。 最も顕著な取り組みは、両行の取引先企業を引き合わせて販路拡大を図るビジネスマッチング。食品加工や観光関連を対象にオンラインなどで9回の合同商談会を開催した。延べ約370社の参加企業のうち、40件以上で成約に結び付いた。 静岡銀は「一般的な見本市などと比べて成約率が高い。地元金融機関として信頼できる企業を紹介しているから、参加者も安心して交渉に
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中小DI 5期ぶり悪化 静岡県信金協会7~9月期
静岡県信用金庫協会がまとめた2021年7~9月期の合同景況調査によると、県内中小企業の業況判断指数(DI)はマイナス30・2と、4~6月期の前回調査より2・0ポイント悪化した。悪化は20年4~6月期以来、5四半期ぶり。新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言発令の影響で、サービス業や小売業、卸売業などで落ち込んだ。 調査は8月下旬~9月上旬に県内9信金の取引先1199社に実施し、1165社から回答を得た。 業種別は、建設業が5・6ポイント上昇のマイナス20・0で唯一の改善となった。製造業はマイナス22・6でほぼ横ばい。一方、緊急事態宣言により飲食店などで営業自粛に迫られたサービス業は
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事業承継とM&A 成約促進へ支援策重要/数字で見る経済の課題②
自動車板金塗装業の杉山車体工業(沼津市)の内田秀明社長(53)は7月、杉山隆治前社長(71)から同社を事業承継した。創業50年の歴史を刻みながら、後継者不在に悩まされ続けてきた同社。現在も経理担当として働く杉山前社長の妻加代子さん(71)は「年老いた夫婦で会社を続けるのはしんどくなっていた。廃業のつもりで相談した信用金庫から紹介されたのが内田さん。本音は手塩にかけた会社をつぶしたくなかったから良かった」と振り返る。 経営者の高齢化や後継者不足に直面する中小企業。東京商工リサーチ静岡、浜松両支店によると、2020年に休廃業・解散した企業は前年比32・3%増の1347件で、00年の調査開始以降
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静岡銀行、山梨中央銀行と地方創生全体会議 循環社会の例共有
静岡銀行は21日、包括業務提携を結ぶ山梨中央銀行と合同の地方創生全体会議をオンラインで開いた。両行の役職員、両県の自治体、経済団体関係者ら約600人が参加し、カーボンニュートラルの取り組みやアフターコロナの時代に対応した観光戦略など、まちづくりの事例を共有した。 島田市の染谷絹代市長が、温室効果ガスの削減や循環型社会の実現に向けた取り組みについて講演した。市内の温泉施設から放出されるメタンガスを活用した発電事業や太陽光発電などにより、市の公共施設における発電自給率は昨年実績ベースで約38%に高まったと説明。「カーボンニュートラルは行政だけでは実現できない。市民や事業者も主体的に関わることが
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日銀支店 10月景気判断据え置き 半導体不足など生産に影響
日銀静岡支店は19日発表した10月の県内金融経済動向で、景気の全体判断を「足踏み状態にある」として6カ月連続で据え置いた。新型コロナウイルスの感染状況が落ち着き、飲食・宿泊などのサービス消費が持ち直し傾向にある半面、半導体などの供給制約の影響から生産が減少している。 個人消費、生産、雇用・所得などの個別項目も全て据え置いた。 個人消費は、外食需要喚起策「Go To イート」などの再開により、旅館・ホテルの宿泊者数を2020年11月以来、11カ月ぶりに上方修正した。 自動車は半導体不足のほか、新型コロナ感染の影響で東南アジアからのワイヤハーネスなどの部品供給も滞っているため生産が減少。新
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記者コラム「清流」 静岡の夜の7時
この秋の人事異動で、2年ぶりに本社勤務になった。久々に静岡市の繁華街を歩いてショックを受けた。「この店、なくなっちゃったの」「ここも空き店舗だ」。コロナ禍で撤退したのだろう。経済への深刻な影響を改めて痛感した。 ふと、学生時代の1990年代初頭に流行した曲を思い出した。ピチカート・ファイブの「東京は夜の七時」。キラキラした都会をほうふつとさせるこの歌が大好きだった。渋谷や銀座ほどではなくても当時、身近な都会として静岡の“おまち”を重ね合わせていた。 緊急事態宣言が解除されたとはいえ、静岡の夜の7時はまだ閑散としている。でも近い将来、必ずにぎわいが戻ると信じている。
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ウッドショック対応 静岡県産材の増産支援、市場獲得の好機に
静岡県は、世界的に木材価格が高騰している「ウッドショック」に対応し、県産の丸太増産や木材製品の生産拡大に向けた支援に乗り出す。新型コロナウイルス感染拡大の影響で外国産の供給が不足する中、県産材を安定的に提供することで国内市場の獲得を目指す。 8日の県議会産業委員会で説明した。丸太の増産に向けて、森林認証材の供給拠点となる木材生産団地の基盤整備を支援する。工務店や木材流通事業者を訪問して住宅などへの県産材利用を働きかけるほか、プレカットなどの生産能力を高めるため、加工施設の整備も支援する。 県によると、高騰は3月ごろから始まり、県産ヒノキ製材用材の9月17日時点の単価は前年比で約2・4倍、
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医療法人弘遠会、資本性ローンで5億円 25年問題備え財務強化
浜松、磐田両市で総合病院や包括支援センターなどを展開する医療法人弘遠会(浜松市南区、竹下力理事長)は、資本性ローンで運転資金5億円を静岡銀行から調達する。財務体質を強化し、高齢者の増加で社会保障費の増大などが指摘される「2025年問題」に備える。7日までに、静岡銀と融資契約を結んだ。 調達した資金は、同法人が展開する地域包括ケアシステムの拡充のほか、予防医療の促進や放射線治療センターで先端技術を活用した医療を提供していくために活用する。 団塊世代が後期高齢者となる4年後の25年には、国民の5人に1人が75歳以上の“超・超高齢社会”に突入して医療や介護の需要が激増す
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設備投資見込み額11.6%減 静岡県内、中堅・中小企業計画
静岡経済研究所が5日までに発表した県内中堅・中小企業設備投資計画調査によると、回答した企業344社の2021年度設備投資見込み額は前年度実績比11・6%減だった。中小企業は5・4%増と改善傾向が見られたのに対して、中堅企業は昨年度に大規模投資を行った企業があった反動で42・3%減と大幅なマイナスとなった。 業種別は製造業が7・4%減、非製造業が16・0%減。製造業は金属製品(35・1%増)や一般機械器具が23・1%増だったが、パルプ・紙・紙加工品32・9%減、食料品25・4%減、木材・木製品・家具20・4%減と減少が目立った。 非製造業はサービス業50・3%減、ホテル・旅館39・2%減と
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静岡銀行、持ち株会社化へ 2022年秋目標、新事業展開しやすく
静岡銀行は29日、持ち株会社体制への移行について検討を開始すると発表した。2022年10月の移行を目指す。ことし5月に成立した改正銀行法で銀行の業務範囲が拡大されることを踏まえ、グループ経営を強化する。 銀行本体と他のグループ企業の関係性が従属的な“親子関係”だった従来の体制を見直し、持ち株会社を頂点とした横並びの関係へと改めることで、グループ企業の自立性を高め、新たな事業を展開しやすくする。 年内に基本設計を策定し、持ち株会社の名称や具体的な体制などは来年3月をめどに決定する。同年6月に予定される株主総会での承認を経て、同年10月に移行する。 静岡銀のグループ
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静岡銀行 シリコンバレーに駐在員事務所 地銀で初、11月新設
静岡銀行は29日、米国シリコンバレー地区に駐在員事務所を11月1日に新設すると発表した。先端技術やスタートアップ企業が集中する同地区での情報収集などを担い、静岡県内を中心とした地元企業とのマッチングなども展開する。 シリコンバレーへの進出は地銀で初めてという。従業員3人が駐在し、現地のベンチャーキャピタルファンドなどと人脈を構築してノウハウなども学ぶ。 駐在員事務所の新設に伴い、ロスアンゼルス支店は閉鎖する。同支店での預貸金業務は9月30日で終了し、本年度中に移転、拡張を予定しているニューヨーク支店が引き継ぐ。
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新事業で収益の柱育成 静岡銀行、持ち株会社化へ期待
静岡銀行が持ち株会社化への移行の検討を始めるとした29日の取締役会の決議は、グループ会社の自立性を高めて新規事業を展開しやすくすることで、本業の金融以外での収益の柱を育てる狙いがある。オンラインで記者会見した柴田久頭取は「新体制への移行でより充実したグループ経営を目指す。地域に寄り添う総合金融グループとして貢献したい」と話した。 柴田頭取は会見で「具体的な検討はこれから」としながらも、力を注ぐ分野として、地域商社や事業承継、ITシステムの外販などを挙げた。持ち株会社化に移行することで、こうした業務を担うグループ企業が銀行本体の傘下から切り離されて自由度が高まり、従来にない柔軟な発想で新たな
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静岡県内基準地価 下落幅縮小 住宅地は回復基調/商業地は弱含み
静岡県は21日、7月1日時点の基準地価を発表した。平均変動率は住宅地が前年比マイナス1・2%、商業地はマイナス1・2%、工業地はマイナス0・3%と、いずれも13年連続で下落した。ただ、新型コロナウイルス感染拡大の影響で需要が低迷した前年に比べ、下落幅は縮小し、住宅地は引き合いが回復傾向だった。商業地は営業自粛による経済活動の停滞が響き、回復はやや鈍い。 調査610地点のうち上昇は、住宅地が2020年の6地点から32地点、商業地は3地点から17地点に増加した。横ばいも住宅地は73地点(前年22地点)、商業地は20地点(同15地点)。コロナ禍前の19年の水準には届かないものの、前年に比べれば持
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静岡県内企業のメインバンク 静岡銀行がトップ 39.5%
東京商工リサーチ静岡支店が発表した県内企業のメインバンク調査によると、静岡銀行が1万6887社とトップで、シェアは39・50%だった。2位は浜松いわた信用金庫の4498社でシェア10・52%。この2金融機関でほぼ半数を占めた。 3位は清水銀の2978社、シェア6・97%で、前年から順位を一つ上げた。4位以降はしずおか焼津信金(2960社、シェア6・92%)、スルガ銀(2334社、同5・46%)、三島信金(2295社、同5・37%)、島田掛川信金(1966社、同4・60%)、静清信金(1759社、同4・11%)―の順。メガバンクの最高位は三菱UFJ銀の14位だった。 上位15金融機関のうち
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静岡銀行、新産業育成へ企業支援 地銀で初、指定金融機関に
静岡銀行は16日、半導体、バイオテクノロジーなど先端技術の研究開発に取り組む「ディープテック(大規模研究開発型)ベンチャー」の支援に向け、経済産業省が新設した債務保証制度の指定金融機関に指定されたと発表した。地方銀行での指定は全国で初めて。 ベンチャー企業が、一定の条件で3億円以上の融資を受ける場合、独立行政法人の中小企業基盤整備機構が債務の50%を保証する。実績の少ないベンチャー企業に同機構が後ろ盾になることで、静岡銀にとっても貸し倒れリスクを抑えられるメリットがある。 静岡銀は中期経営計画の中で、異業種連携やマッチングを推進して新産業創出や地域の魅力向上を目指す「地域プロデュース戦略
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7~9月期 景況感改善 緊急事態で情勢不透明 静岡財務事務所
東海財務局静岡財務事務所が13日発表した7~9月期の県内法人企業景気予測調査によると、全産業の景況判断指数(BSI)はマイナス4・9で、4~6月期と比べて9・2ポイント上昇した。企業規模や業種を問わず改善傾向がみられたが、今回の調査は新型コロナウイルスの感染再拡大に伴う緊急事態宣言の対象に本県などが追加される前に行われたため、同事務所は「8月中旬以降の状況が反映されていない部分がある」としている。 調査は8月15日時点。資本金1千万円以上の企業334社を対象に実施し、286社から回答を得た(回答率85・6%)。 製造業は情報通信や輸送用機械関連がけん引し、15・4ポイント上昇のマイナス4・0
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ヤマハ発動機の人材、企業に紹介 地域課題解決へ静岡銀行と協定
静岡銀行とヤマハ発動機は8日、地域経済の活性化を目指した人材交流に関する連携協定を結んだ。ものづくりの専門技術などを持つヤマハ発の人材を静岡銀が県内企業に紹介し、人材不足に悩む地域の課題解決を目指す。 静岡銀は取引先の中小企業などが求める人材情報を収集し、提供する。ヤマハ発は要望に見合った従業員の中から出向・転籍希望者を募る。両社が連携してマッチングに取り組むことで、多様な働き方の促進につなげる。 オンラインで記者会見した静岡銀ソリューション営業部の池田正嗣担当部長は「(人材だけでなく)融資を含めて総合的に伴走支援する」と語った。ヤマハ発人事戦略部の河合多真美部長は「経験豊富で多様な人
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カーボンニュートラルLNG 静岡ガスが初導入 環境負荷低減
静岡ガスは1日、環境負荷を抑えた「カーボンニュートラル液化天然ガス(LNG)」を初導入すると発表した。2050年に温室効果ガスの実質的な排出ゼロを目指し、同社が8月に公表した戦略「カーボンニュートラルビジョン」に基づく具体的な取り組みの第1弾。カーボンニュートラルLNGを積載した船舶が4日、グループ会社の清水エル・エヌ・ジー袖師基地(静岡市清水区)に入港する予定。 同社によると、カーボンニュートラルLNGの導入は東京ガスや大阪ガスなどに次いで全国5社目。森林所有や間伐などによる森林整備を通じて、ガス採掘や液化、輸送などの工程で発生する二酸化炭素(CO2)の排出量と相殺する「カーボンクレジット
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ワクチン効果 医師解説動画、不安解消し接種促進へ 沼津
沼津市はこのほど、新型コロナワクチンに対する市民の不安や疑問を解消し、接種促進につなげようと、インターネットの動画投稿サイト「ユーチューブ」で市立病院の伊藤浩嗣副院長によるインタビューの公開を始めた。接種効果や副反応、妊婦への影響などを分かりやすく解説している。 伊藤副院長はアナフィラキシーの専門家。同市が実施しているワクチンの集団接種も監修した。インタビューは8分46秒で、ワクチンへの誤解やデマが広がっていることから作成したという。 動画では新型コロナウイルスの特効薬が開発されていない現時点で唯一効果があるのはワクチンだけとし、「重症化予防に極めて有効」と述べた。ワクチンは自然感染と
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沼津第一中、第二中校区統合 撤回求め要望書提出へ 推進委
沼津市教委が市内の第一中、第二中の両校区にある小学3校と中学2校をそれぞれ1校ずつに統合するとした方針を巡り、第二中校区の自治会でつくる第二地区コミュニティ推進委員会(望月照五会長)などが31日、同市内で記者会見し、方針撤回を求める要望書を1日に頼重秀一市長に提出するとともに、同日から署名活動を始めることを表明した。 同推進委は市教委が統合方針を決定した過程について「一度も地域懇談会を開催しておらず、住民との話し合いの場もなかった」と問題視。統合が必要とする根拠の一つとして市教委が示した千本小の児童数も、今年4月末の最新データでは2028年度まで複式学級の対応が避けられる見通しで、早急に統
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沼津特産品の発信強化 ツイッターアカウント「ヌマサン」開設
沼津市はこのほど、地元特産品などの情報発信を強化するため、市産業振興部の公式ツイッターアカウント「ヌマサン」を開設した。開設を記念してミカンなどが当たるキャンペーンも展開している。 市内の農水産物の販路拡大やブランド化に向け、これまで産業振興部内の各課が個別に運営していた会員制交流サイト(SNS)のアカウントを集約した。今後は農水産以外の商工業や観光、スポーツツーリズムなどの情報も発信し、市の魅力をアピールしていくという。 開設に合わせて9月30日まで、記念キャンペーンの第1弾を実施している。ヌマサンをフォローして特定ツイートをリツイートすると、抽選で3人に市内の極わせミカン「由良(ゆら
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空き家対策推進へ連携 沼津市と静岡県司法書士会が協定
沼津市はこのほど、空き家などの対策推進に関する協定を県司法書士会(白井聖記会長)と結んだ。物件所有者への適切な助言などを連携して展開し、空き家の解消と有効活用を目指す。 協定は、空き家の所有者から相続や遺言、管理などの相談があった場合、連携して対応するほか、広報活動なども互いに協力するとした。市が空き家についての出前講座などを実施する場合、同会も講師派遣などで支援する。同会は、市が空き家を処分する際に必要となる法的手続きや書類作成の助言も行う。 市役所で締結式が行われ、白井会長と頼重秀一市長が協定書を交わした。白井会長は「空き家の中には所有者が分からなくなっているケースも多い。登記や財産
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個店の魅力「香」テーマに紹介 沼津市、冊子第3号発刊
沼津市はこのほど、市中心市街地にある個店の魅力を紹介する冊子「NUMAZU まちの感触」の第3号を発刊した。「五感で感じるまちなか商業」をコンセプトにした冊子の今回のテーマは“香”。創刊号の「色」と第2号の「音」に続き、ユニークな切り口で特色ある店舗を取り上げた。冊子は本年度中に第5号まで刊行する予定。市内のデザイナー大木真美さんら地元で活躍するクリエーター7人が取材を担当している。 今回は、開店30分前に毎日お香をたいて客をもてなしている呉服店や、ほうじ茶が自慢の老舗製茶店、焼きたての香ばしいにおいが店の内外に広がる人気パン店など、JR沼津駅周辺の9店舗を紹介。B
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イシバシプラザ閉店 43年の歴史に幕 沼津の市民ら惜しむ
沼津市高島本町の商業施設イシバシプラザが22日、閉店した。開業当初からの中核テナントだったイトーヨーカドー沼津店も同時に撤退し、かつて県東部の商都と呼ばれた市中心部のにぎわいの拠点だった施設がまた一つ、姿を消した。 最終営業日の閉店セールに大勢の客が詰め掛けた。午後7時過ぎに正面出入り口前でセレモニーが行われ、イシバシプラザの石橋昭彦社長が「今日まで営業を続けられたのは皆さんのおかげ。いつまでも思い出に残してもらえたら」とあいさつ。イトーヨーカドーの地引正美店長は「歴史の詰まった店舗を閉店することになり、申し訳ない」と涙ぐんだ。裾野市の50代女性会社員は「高校時代、学校帰りに友達と通う場所
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沼津第一、第二中の校区再編 統合時期を変更 緊急事態宣言で
沼津市教委は20日、第一中と第二中の両校区にある小学校3校と中学校2校をそれぞれ1校にする統合方針について、「2023年4月」としていた時期を変更すると発表した。緊急事態宣言の発令を受け、円滑な統合に向けて本年度に予定していた児童生徒の交流事業が実施困難になったことを理由に挙げた。統合を巡って一部住民が反対していることに対しては「決定と無関係。統合する方針に変わりはない」としている。 市教委は変更後の統合時期について「できる限り早期」とし、明確な時期は示していない。2学期から統合の準備段階として計画していた、各校の児童生徒による合同授業や部活動の合同練習などがコロナ禍で実施できなくなったた
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三島、裾野、長泉 地域課題解決へ連携 スマートフロンティア推進協発足 先進技術活用
三島、裾野、長泉の2市1町は18日、先進技術を活用しながら、地域課題の解決に取り組む「富士山南東スマートフロンティア推進協議会」の初会合を三島市で開いた。各市町が進める施策で得た知見を共有し、少子高齢化や行政デジタル化などの地域課題の解決につなげていく。 3市町は「スマートウエルネスみしま」(三島市)や「スソノ・デジタル・クリエイティブシティ」(裾野市)、「スーパーテレワーク・コンソーシアム」(長泉町)などの展開を図っている。広域連携によって事業を効果的に進め、魅力向上や移住定住、経済活性化、暮らしやすいまちづくりを促進していく。 今後は県のふじのくにフロンティア推進エリアの認定を受け、具体
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スルガ銀行2年ぶり増益 貸倒引当金繰入額が減 4~6月期
スルガ銀行が13日発表した2021年4~6月期連結決算は、貸出金利息の減少に伴う資金運用収益の減少などで、経常収益は前年同期比6・2%減の234億4300万円となった。貸倒引当金繰入額の減少などにより、経常利益は約3・5倍の34億6千万円、純利益は約5倍の25億5千万円となり、2年ぶりに増益に転じた。 単体の業務粗利益は9・6%減の166億1千万円、本業の収益力を示すコア業務純益は19・5%減の63億7600万円だった。増益の理由として、前年同期はコロナ禍による経済への影響が不透明で、予想損失率を保守的に見積もったが、今期はやや落ち着きを取り戻したとし、貸倒引当金繰入額を含めた経常費用が1
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「同級生の誇り」地元照らす、卓球「みうみま」コンビ 東京五輪・卓球女子団体決勝「銀」
東京五輪の卓球女子団体決勝で日本が銀メダルを獲得した5日、伊藤美誠(20)=スターツ、磐田市出身=、平野美宇(21)=日本生命、沼津市出身=の友人や親族がテレビで観戦し、「みうみま」コンビの活躍を固唾(かたず)をのんで見守った。同級生のライバルとして、技術を磨き合ってきた2人。勝利はならなかったものの、友人や親族は「ここまで上り詰めただけで素晴らしい」と偉業をたたえた。 ■「美誠は同級生の誇り」 磐田北小OG 伊藤の出身地磐田市では、磐田北小時代の同級生で交流があった看護学校生鈴木彩水さん(21)が同市見付の自宅で家族とテレビ観戦した。三つ目のメダル獲得の快挙に、「美誠は同級生の誇り。
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卓球平野 天国の祖母との約束胸に五輪舞台へ 叔父、2人の絆語る
「おばあちゃんも天国で応援しているはず」。沼津市出身の平野美宇(21)=の胸にあるのは、2年前に亡くなった祖母後藤政子さんとの“約束”。2人の絆を知る叔父の後藤正樹さん(50)=同市西沢田=は「素晴らしいチームメートに恵まれ、美宇は一人で戦うわけじゃない。安心して全力を出し切って」と活躍を信じる。 平野は両親の仕事の都合で転居する2歳ごろまで、同市で育った。卓球と出合ったのもこの地。政子さんと自宅のちゃぶ台を使い、おもちゃのラケットでいつも遊んだ。やがて「天才少女」と呼ばれるようになると、政子さんは国内試合のたびに応援に駆け付けた。「女の子の孫は初めてでしたから。自
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東京五輪フェンシング「金」 代表合宿地の沼津、市役所沸く
東京五輪フェンシング男子エペ団体で日本が初の金メダルを獲得した30日、代表チームが強化合宿を実施した沼津市では、市役所で観戦していた頼重秀一市長をはじめ市職員約20人が歓喜に沸いた。 同市は今大会を機に“フェンシングのまち”を掲げ、同競技の普及に取り組んでいる。代表チームは昨年7月までの3回にわたって市内で強化合宿を実施した。史上初の決勝戦進出を受け、市ウィズスポーツ課職員を中心にテレビ観戦して選手を応援した。 選手がポイントを奪うたびに「よし」「いいぞ」と盛り上がり、手にした日の丸の小旗を振って応援した。勝利を決めた瞬間、椅子から立ち上がって拍手とともに喜びを分
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東京五輪 都市ボランティア始動 JR三島、沼津、御殿場駅周辺
静岡県で24日から始まる東京五輪自転車競技を前に、観客に交通案内や移動サポートを行う都市ボランティアが23日、JR三島、沼津、御殿場の3駅周辺で始動した。新型コロナウイルスの感染者が県東部で急増する中、ボランティアは不安を口にしながら、大会の無事な開催に向けて期待を込めた。 県によると、都市ボランティアは大会期間中、県東部の5駅で約800人が活動する。マウンテンバイクとトラック会場への観客輸送拠点となるJR伊東駅と伊豆箱根鉄道修善寺駅では25日から開始し、当初予定していたJR熱海駅は大規模土石流の発生に伴い、配置を取りやめた。 JR沼津、三島、御殿場の各駅には、東京五輪のロゴなどをデザイ
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五輪フェンシング・カナダ代表 沼津合宿「最高の準備」
沼津市は16日、東京五輪に向けて同市のキラメッセぬまづで事前合宿中のフェンシングカナダ代表チームの練習見学会を実施した。選手らが報道陣のインタビューに応じ、大会への抱負やまちの印象なども語った。 コロナ禍でチームとの接触が制限されているため、立ち入り可能な区域を限定して一般公開した。選手は1対1の実戦練習や、飛んでくる円盤を避けて反射神経や動体視力を鍛えるトレーニングなどを披露。チーム内で時折、笑い声も響かせて順調な仕上がりをうかがわせた。 チームリーダーのベンジャミン・マナノさん(37)は「沼津市の素晴らしいもてなしのおかげで、最高の準備ができている」と謝意を述べた。女子フルーレのエレ
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ボランティアの役割学ぶ 沼津で講座、学生ら14人参加
東京五輪・パラリンピックを機に、ボランティアへの若者の関心を高めようと、県は10日、高校生と大学生を対象にした「オリパラ運営体験プログラム」を沼津市のプラサヴェルデで開いた。14人が参加し、スポーツイベントの舞台裏を支えるボランティアについて学んだ。 プログラムは全5回の講座で、本県開催される東京五輪・パラの自転車競技を通して運営に携わる楽しさを体験してもらい、将来のボランティアの担い手を育成するのが狙い。大会でマウンテンバイク(MTB)が開催される26日には、会場の伊豆MTBコース(伊豆市)で観戦なども行う。 今回は東京マラソン財団の職員らを講師に招き、巨大スポーツイベントに欠かせない
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記者コラム「清流」 遠出できない今だから
先日、沼津市東井出の大泉寺で阿野全成の法要を取材した。と言っても、ほとんどの人は名前すら知らないだろう。全成は源頼朝の異母弟で、鎌倉幕府草創期の政争に巻き込まれて殺害された僧。源義経の実兄でもある。寺の開基とされ、現在も境内の墓に眠る。 来年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では、主要人物の一人としてスポットが当たるらしい。謎多き全成がどんなふうに描かれるのか、今から楽しみでならない。 考えてみれば、県東部は伊豆地域に限らず源氏ゆかりの史跡が多い。コロナ禍で遠出が難しい時期だからこそ、そうした史跡を訪ねてみても面白い。まちの歴史を知ることはきっと、地域への誇りを生み、自己肯定感にもつながるはずだ
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住民泥撤去に追われる 沼津市長視察「予想以上に深刻」
静岡県東部を中心に甚大な被害をもたらした大雨から一夜明けた4日、大規模な浸水に見舞われた沼津市原地区では復旧作業に追われた。頼重秀一市長ら市職員も同日、同地区や一部崩壊した黄瀬川大橋などを視察し、被害状況の確認を急いだ。 市危機管理課によると、市西部を流れる高橋川があふれるなどして浸水が発生。エリアが広範におよび、被害棟数などの詳細は確認できていないという。 原地区では小雨が降り続く中、住民らが同日早朝から重機やシャベルを使い、家屋や道路に堆積した泥の撤去作業にいそしんだ。頼重市長らも現地で被害状況を調査。一時は成人男性の腰辺りまで道路が冠水したことや、高橋川の護岸補強の要望などを聞き取
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フェンシングフルーレ 女子日本代表が沼津入り 11日まで合宿、市民とは接触制限
東京五輪に出場するフェンシングフルーレ女子日本代表チームが1日、事前合宿のため沼津市に到着した。沼津市のキラメッセぬまづを拠点に11日まで滞在し、実戦的な練習を重ねて大会本番に向けて調整する。 東晟良、莉央姉妹と上野優佳、辻すみれの4選手をはじめ、コーチやトレーナーら計13人を乗せたバスは1日午後3時ごろ、キラメッセぬまづに着いた。新型コロナウイルス感染防止のため、市職員7人だけが「チームを全力で応援します」などと書かれた横断幕を掲げて出迎えた。選手やスタッフは「ありがとうございます」「お世話になります」などと応じ、スーツケースや練習機材などを運び込んだ。 合宿中は市民との接触を制限し、
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五輪パラ本番へ実地研修 都市ボランティア、静岡県東部
静岡県は30日、東京五輪・パラリンピックで静岡県を訪れる観戦者に観光・交通案内などを行う都市ボランティアの配置別研修を、JR沼津、御殿場両駅周辺で始めた。11日までに観戦者の輸送拠点となる県東部の6駅周辺で研修を開催し、大会期間中に活動する場所で、トイレや観光案内所などの設備を確認する。 都市ボランティアは本県開催の自転車競技の観戦者が鉄道を乗り換えたり、会場までのシャトルバスが運行されたりする各駅に配置され、約820人が登録している。コロナ禍のため、オンライン中心の研修を重ねた。開幕まで1カ月を切り、最後の研修機会として実地を視察する。 JR沼津駅周辺では約50人が参加し、ぬまづ観光ボ
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沼津市の第一、第二中校区統合 住民の理解も不可欠【湧水】
児童・生徒数の減少が続く沼津市の第一、第二中学校区について、市教委が18日の市議会6月定例会文教産業委員会で、2023年4月に統合する方針を示した。近年、市街地から離れた南部地域で小中一貫校化を進めるなど、学校規模・配置の適正化を図ってきた市教委。だが、今回対象となる両校区は中心エリアで、従来と様相が異なる。市全体への影響も大きいとみられ、これまで以上に住民への丁寧な説明と理解が求められる。 市教委によると、中学校は第一、第二中が統合して1校に、小学校は第一、第二、千本の3校が1校になる。17年5月に策定した適正化基本方針では、10年以内の早急な対応が必要としてリストに挙がっていたのは第二
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怒声飛び交い質疑終了 スルガ銀行株主総会、取締役選任など承認
スルガ銀行が沼津市内で29日に開いた定時株主総会は、取締役選任など2議案を原案通り承認して閉会した。筆頭株主の家電量販大手ノジマ(横浜市)と関係が悪化する中、嵯峨行介社長らの説明に注目が集まった株主総会。しかし、会場はスルガ銀から不正融資を受けたとするアパート・マンションの購入者らの怒声が飛び交い、1時間11分で質疑を打ち切る事態になった。経営方針などを聞けなかった一般株主からは不満も聞かれた。 株主総会で、スルガ銀は嵯峨社長ら取締役6氏の再任と、監査等委員3氏の選任に対する承認を求めた。取締役人事を巡ってはノジマの提案をスルガ銀が退けて対立が決定的となったことから、経営体制をただした株主
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トヨタ「ウーブン・シティ」玄関口 裾野・JR岩波駅周辺のまちづくりどうする 住民ら将来像話し合う
裾野市は27日、トヨタ自動車が建設する先進技術の実証都市「ウーブン・シティ」に絡み、最寄りとなるJR岩波駅周辺のまちづくり基本計画策定に向けた第1回ワークショップを同市内で開いた。岩波地区の住民をはじめ、近隣の深良、富岡、須山各地区や周辺企業の関係者ら約45人が参加し、まちの将来について話し合った。 市はウーブン・シティと地域の融合を目指し、玄関口となる同駅周辺に都市機能を集約化するとしている。ワークショップは本年度中に策定する基本計画に住民の意見を反映しようと企画し、11月までに計6回開催する。 今後のまちづくりの構想として、市は同駅と裾野駅の2拠点を中心に市街地のコンパクト化を進める
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スマートシティー推進へ 沼津市、3社と新プロジェクト
沼津市は24日、人工知能(AI)やICTなどを活用したスマートシティーの推進に向け、市内に事業所を構えるIHI、富士通Japan、明電舎の3社と連携した新プロジェクト「X―Tech NUMAZU(クロステックヌマヅ)」を開始したと発表した。 先端技術をまちづくりに取り入れ、次世代モビリティサービスの推進▽再生可能エネルギーによる環境への負荷の軽減▽教育・子育て環境の充実▽行政効率化▽災害対策の促進―など、多様な行政施策を展開する。 具体的な推進事業計画を本年度中に策定する。今秋にはシンポジウムを開催し、市民への理解や周知を図る。JR沼津駅付近鉄道高架化事業に伴う中心市街地の再開発に合わせ
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静岡人インタビュー「この人」 浅原和美さん 沼津市議会議長に就任
1999年の市議選で初当選し、現在6期目。コロナ禍の中、経験豊富なまとめ役が必要との声に推され、議会運営委員会の委員長などを経て、4年ぶり2度目の議長就任となった。70歳。 ―“再登板”の抱負を。 「コロナ禍という非常事態にあって、市民の声を行政に届ける議会の役割はますます大きくなっていると感じる。議会での議論などを通して、その役割を果たせるよう尽力したい」 ―前回の議長時代に力を注いだことは。 「市民に開かれた議会を目指し、議会活性化等特別委を設置した。ICTを活用するなど、さまざまな取り組みを進めてきた。市議28人が引き続き一丸となって議会の活性化を目指す
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フェンシング男子日本 沼津市長激励「最終調整、全力サポート」
沼津市の頼重秀一市長らが23日、同市で強化合宿を実施している東京五輪フェンシングフルーレ男子日本代表チームを訪れ、選手たちを激励した。大会開幕まで1カ月に迫り、24日は聖火リレーが市内に到着する。青木雄介監督は「今回の合宿では、戦うための最後の準備を整えていく。聖火リレーを見て気分を高めたい」と話した。 チームは松山恭助主将ら五輪出場が内定した4選手をはじめ、コーチやトレーナー、練習パートナーらで、30日まで滞在する。市が整備したフェンシング普及の拠点施設「F3BASE」で実戦的な練習に臨む。 頼重市長と杉沢教人フェンシングのまち沼津推進協議会会長が「安全に最終調整できるよう、市も全力
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第一、第二中統合へ 23年4月 校区内3小学校も 沼津市教委
沼津市教育委員会は18日の市議会6月定例会文教産業委員会で、学校規模・配置の適正化に向けて協議していた第一、第二中について、2023年4月に統合する方針を明らかにした。第一、第二、千本の小学3校も1校に統合する。協議では当初、第二中学校区の小中一貫校化を検討したが、統合効果が少なく適正化にはつながらないとして見直した。 統合後の中学は現在の第一中、小学校は第一小の校舎をそのまま活用する。海岸線の近くに立地する第二中や第二小、千本小は津波などの災害リスクが高いとして、浸水域から比較的離れている第一小、中に新たな学校を置くという。 市教委は当初検討していた第二中学校区の小中一貫校化について、第二
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沼津市 聖火リレーの渋滞解消へ、広報カード配布 24日 沿線施設に理解求める
沼津市は、24日に市内で行われる東京五輪の聖火リレーで、コース沿道での観覧の注意点などを記載したカードを配布している。当日に交通規制が行われる市内コース周辺は県内有数の渋滞エリア。帰宅ラッシュの時間帯にも重なる。カードを配布することで交通規制への注意を促し、聖火リレーの円滑な運営を目指す。 聖火リレーは同日午後7時3分に飛龍高グラウンド入り口前を出発し、同40分にプラサヴェルデへと到着する予定。コース周辺は学園通りの共栄町交差点―杉崎町交差点や、県道162号(リコー通り)の桐陽高前―あまねガード南交差点などで、午後5時20分から午後8時20分の間、通行止めが行われる。 とりわけ、市が神経
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沼津市議会一般質問 コロナワクチン 高齢者1回目接種30%
沼津市議会6月定例会は15日、一般質問を行い、8氏が登壇した。65歳以上の高齢者を対象にした新型コロナワクチンの接種状況について、市は13日時点で1回目は1万9220人(30・2%)、2回目は2180人(3・4%)に上ると説明。一方、副反応の疑いがある事例は優先接種した医療従事者2人のみで、高齢者は把握していないことを明らかにした。 渡部一二実氏(市民クラブ)の質問に後藤鉄也市民福祉部長が答えた。高齢者の接種完了を7月末とする政府目標に沿い、既に予約している高齢者の接種日の前倒しや接種枠の拡充などで加速化を図るとした。 副反応の疑い事例は県からの情報提供で把握し、国が現在調査していると報
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記者コラム「清流」 沼津の挑戦に「アレ!」
フェンシングを通したまちづくりを目指す沼津市の拠点施設「F3BASE」が開業した。施設名の「3」はフルーレ、エペ、サーブルの競技3種目を表現。「F」はフェンシングのほか、友情やフィットネス、自由、楽しさなどの英単語の頭文字を取り、無限の可能性がかなう施設にしたいと願いを込めたという。 「いつか、沼津から金メダリストを」。オープニング式典では、関係者の間で壮大な夢が語られた。実現したら、どんなに素晴らしいことか。 欧州発祥のこの競技はフランス語の「アレ(行け)」という審判の掛け声で始まる。転じて「頑張れ」の意味合いも含む。沼津の新たな挑戦も始まったばかり。その取り組みを地元記者としても応援
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都市ボランティアリーダーが実地研修 観光案内や障害者移動支援
静岡県は4日、今夏の東京五輪・パラリンピックで本県開催される自転車競技で、観戦者のもてなしを担当する都市ボランティアのリーダーを対象にした実地研修を、沼津市のプラサヴェルデで開いた。実地研修は5日も実施し、それぞれの活動場所を束ねる計約80人が観光案内や障害のある観戦者の移動サポートなどを学ぶ。 五輪・パラを巡っては開催の是非や観戦者の有無など不透明な部分がある。県は国内観戦者を入れて開催するとした場合、人数制限のいかんにかかわらず、838人が登録している現在のボランティア態勢を縮小せず、予定通りに各地に配置するという。30日から7月11日にかけて、各ボランティアが実際に配置される活動場所
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フェンシングのまちへ 沼津に拠点完成、駅北「F3BASE」
フェンシングのまちを目指す沼津市の活動拠点施設となる「F3BASE(エフスリーベース)」がJR沼津駅北口にある商業ビル「Bivi沼津」内に完成し1日、同施設でオープニングセレモニーが行われた。同施設では7月の東京五輪開幕直前、フェンシング日本代表フルーレチームとカナダ代表が事前合宿を行う予定。 施設は総床面積約750平方メートルで、「ピスト」と呼ばれるフェンシングのアルミ製競技台を6台設置。会議室やトレーニング場、シャワー室、障害者も利用できる多目的トイレなどを備えた。市は、フェンシング以外にも高齢者向けの体操教室や、子供を対象にした体験イベントなどを企画し、東京五輪・パラリンピックを契機
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ノジマ社長、スルガ銀行副会長を辞任 29日の総会待たず
スルガ銀行筆頭株主の家電量販大手ノジマ(横浜市)は1日、野島広司社長(70)が同日付でスルガ銀の社外取締役副会長を辞任したと発表した。資本業務提携を結んでいる両社の経営方針を巡る対立が表面化し、スルガ銀は株主総会(29日開催予定)を受けて野島氏退任の人事案を示していたが、株主総会を待たずにノジマ側が関係解消を図った。 野島氏の辞任で、ノジマの持分法適用関連会社からスルガ銀が除外となった。 ノジマの広報担当者は「地域貢献の考え方や、新たなリテール(個人取引)商品の開発に対する方向性などで意見の相違があった」と説明。一方、資本業務提携の解消に向けた協議は継続中で、現時点でノジマが保有するスル
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狩野川沿い自転車で快走 機運醸成へ体験会
沼津、伊豆、伊豆の国の3市でつくる狩野川周辺サイクル事業推進協議会は29日、東京五輪で地元開催される自転車競技を楽しむ「チャレンジサイクル体験会」を、沼津市口野のNUMAZUサイクルステーション静浦東で開いた。参加者9人が狩野川沿いをサイクリングしてロードレースの雰囲気を体験し、心地よい汗を流した。 約2カ月後に迫った大会への機運を盛り上げようと企画した。30日は同ステーションでBMX、伊豆の国市の中島公園でマウンテンバイクの体験会を開く。トラック体験会も6月6日、伊豆市の日本競輪選手養成所で開催し、自転車競技4種目の魅力を紹介する。 今回はプロサイクリングチーム「レバンテフジ静岡」の鈴
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コロナワクチン 若手有志が予約代行 沼津、住民間に共助の輪
沼津市は25日、65歳以上を対象にした新型コロナワクチン集団接種の2次予約受け付けを開始した。市内の一部自治会などではパソコンやスマートフォンの扱いに不慣れな高齢者のため、特設会場で予約を代行したケースも。住民同士による“共助の輪”が広がっている。 同市の沼北町自治会館では、自治会の呼び掛けに応じた若手住民の有志6人が自宅からパソコンやタブレット端末を持ち寄り、予約代行ボランティアを展開。高齢者に代わって接種券番号や住所、氏名などを入力して予約する手続きを行った。同自治会は26日と30日も同様のボランティアを実施し、100人程度の代行を目指す。水口弘能自治会長(82
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イシバシプラザ8月閉館 市街地再生へ理念の共有を【湧水】
沼津市中心部の商業施設イシバシプラザが8月22日に閉館することが決まった。かつて商都・沼津と呼ばれた街の象徴的な存在としてにぎわった施設がまた一つ消えることになり、市街地のさらなる衰退を懸念する声は多い。一方、近くのJR沼津駅周辺では鉄道高架化事業が動きだすのに伴い、イシバシプラザの跡地利用を含めた今後の再開発に期待が集まる。人口減少社会の進展もにらみながら、街はどう変貌していくのだろうか。 同施設は1978年、旧石橋製糸の工場跡地に開業。現在の大型ショッピングモールの先駆け的な施設でもあり、中核テナントとして売り場面積の約半分をイトーヨーカドー沼津店が占め、残る半分は衣料品店や飲食店など
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ヨーカドー沼津店とイシバシプラザ 8月22日閉店発表
沼津市高島本町の商業施設イシバシプラザと同施設に入居するイトーヨーカドー沼津店は6日、営業を8月22日に終了すると発表した。 店舗出入り口やエスカレーター付近などに営業終了を告知する書面を掲示し、買い物客らに示した。イシバシプラザは7日、ホームページ上でも掲出する。跡地利用について同社は現在検討中とし「それ以上は何も答えられない」としている。 同市の頼重秀一市長はコメントを発表し「市の商業の中核として、雇用や地域産業を支える重要な役割を担った施設。長年、市街地活性化に寄与したことに感謝する。まちづくりの重要な場所でもあり、今後の動向を注視したい」と述べた。 ■市街地衰退心配する声 跡
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スルガ銀と時之栖、自転車振興で協定 4月から連携イベント
スルガ銀行は4日、自転車振興に関するパートナーシップ協定を時之栖(御殿場市)と締結した。今夏に予定される東京五輪・パラリンピックで自転車競技が本県開催されるのに合わせ、静岡県が推進している自転車の聖地化の実現に協力するとともに、4月から両社が連携したイベントを開催するなどして地域活性化を目指す。 スルガ銀は自転車の普及に専従する部署として「サイクリングプロジェクト」を立ち上げ、県東部・伊豆地区を中心としたロードサイクリングの企画を展開してきた。時之栖は2018年、御殿場市内にマウンテンバイク(MTB)の常設コース「御殿場MTBパークFUTAGO」を開業。今回の協定は異なる種目の普及に取り組