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「前提付き」 改善を要請へ リニア専門家会議の座長コメント 静岡県、国交省に

 リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題を巡り、県は15日の県議会危機管理くらし環境委員会で、国土交通省の専門家会議(座長・福岡捷二中央大教授)が非公開で協議し、前提条件を付けて示している「座長コメント」を改善するよう同省に求める方針を明らかにした。専門家会議やJR東海の説明に関する問題点の指摘が、複数の県議から相次いだ。

国土交通省専門家会議が前提条件付きで示した主な座長コメント
国土交通省専門家会議が前提条件付きで示した主な座長コメント

 8日の専門家会議の後に発表された座長コメントは「現時点で想定されているトンネル湧水量であれば」と前提条件を付けた上でトンネル湧水の全量を大井川に戻すことが可能だとの見解を示した。
 これについて小長井由雄氏(ふじのくに県民クラブ、静岡市葵区)は「印象操作と言われても仕方ない」と強く批判した。くらし・環境部の織部康宏理事は「一部を強調されると誤った解釈になりかねない。非公開で協議もされ、いろいろと改善すべきところがあるのではないか。国交省に申し入れをしたい」と応じた。
 専門家会議は県が示した47項目の工事に関する問題点を議論の対象にしているが、織部理事はこれまでに1項目も解決できていないとの認識を示した。
 専門家会議でのJRの説明に関しては、県有識者会議の塩坂邦雄委員が大井川支流の大規模破砕帯で大量湧水が止まらず、本坑よりも先に掘削する先進坑が「水抜き坑」の役割を果たすと指摘している。市川浩司水利用課長は「そういう可能性が十分ある」と答弁し、塩坂委員らの意見を記載した文書を3日に同省に送ったと明らかにした。

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