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お堂半壊も「逢初地蔵」ほぼ無傷 被災住民「この奇跡を励みに…」 熱海土石流

 大規模土石流で大きな被害を受けた熱海市伊豆山の浜地区で、長年信仰の対象とされてきた地蔵が無傷で残り、被災で疲弊した住民の心を慰めている。

浜地区で無傷で見つかった「逢初地蔵」=16日午後、熱海市伊豆山(地域住民提供)
浜地区で無傷で見つかった「逢初地蔵」=16日午後、熱海市伊豆山(地域住民提供)

 古くから「逢初(あいぞめ)地蔵」の名で住民に親しまれてきた。木彫で大きさは1メートルほど。大量の土砂が押し寄せて損壊した「逢初橋」から南へ30メートルほど下った場所で、お堂の中に安置されている。
 土石流災害でお堂は半壊したが、地蔵はほぼ無傷の状態で残っていた。付近一帯は現在立ち入り規制区域に指定されている。地元住民は「周囲にこれだけ大きな被害が出ている中で、まさか無傷とは」と驚きを隠さない。
 地元住民によると、制作者や設置年数などは定かではないが、少なくとも50年前には安置されていたという。多くの住民が小さい頃から身近に感じ、住民有志が毎月、念仏をあげるなどしていた。
 逢初地蔵を長年管理する伊豆山浜生協会は規制解除後、すぐにお堂の修復や地蔵の手入れを行いたいとしている。代表理事の中田正さん(59)は「奇跡だと思う。これを励みに地元のみんなで乗り越えたい」と話した。

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