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熱く生きる姿を応援 牧之原「パラサーフィンフェスタ」テーマ曲 東田さん、前向きな気持ち歌う

 牧之原市の人工造波施設「静波サーフスタジアム」で10日、障害のあるサーファーが技を競う「静波パラサーフィンフェスタ」が開かれる。テーマソングは、自身もサーフィンを楽しむシンガー・ソングライター東田トモヒロさん(熊本市)の「Let you release」。「生きてみようぜ 力尽きるまで」―。パラサーファーとの交流で抱いた思いを、心地よい海風を感じさせるメロディーにのせた。

「静波パラサーフィンフェスタ」のテーマソングを歌う東田トモヒロさん
「静波パラサーフィンフェスタ」のテーマソングを歌う東田トモヒロさん


 主催者からテーマソングの制作を依頼され、その場で快諾した。車いす生活を送りながらサーフィンを続けている友人が2人いて、「応援しているという気持ちを表したかった」。1週間後には収録に臨めたほど、集中して完成した一曲だ。

 「海では自由」

 ミュージックビデオの撮影に、友人の1人で、パラサーフィン日本代表の小林征郁さんを誘い、初めて一緒にサーフィンをした。海に出る前、小林さんが笑顔で言った一言が忘れられない。「海に入ったら自由になれるんで」。言葉通り、小林さんは砂浜から這[は]って海に入ると、上半身を駆使してパドリングし、あっという間に沖に出ていった。「そのスピードは僕の倍、そして僕の3倍は波に乗っていた。一本一本の波を本当に楽しそうに。一瞬、一日を集中して熱く生きているのだと感じた」

 受け継がれた命

 新型コロナウイルスの感染拡大やウクライナ情勢…。不安の多い世の中で、自殺者が増えている。一方で障害を抱えながらも前向きに、世界で活躍する小林さんの姿に改めて気付かされた。「僕らの命は何千年、何万年と受け継がれていて、決して自分だけのものではない。最低限やるべきは、与えられた命を投げ出すのでなく、生ききることなのでは」

 シンプルな競技

 約20年前に本格的にサーフィンを始め、各地で行うライブにはサーフボードを持参し、時間があれば近くの海に出掛ける。「サーフィンに必要なものは海とボードと自分だけ。海の上では大したことはできない。シンプルだからこそ、生きざまがダイレクトに現れる」。パラサーファーが見せる生きざまと、曲で表現する自らの生きざま―。パラサーフィンフェスタでの共鳴を楽しみにしている。

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