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国交省、日軽金を4月中に調査 不自然な取水量報告で【サクラエビ異変 母なる富士川】

 日本軽金属波木井発電所(山梨県)の国への報告に不自然な取水量の記載が見つかった問題で、国土交通省は1日、今月中に同社を調査する方針を明らかにした。取水量報告に加え、同発電所の取水せきのある早川への放流量についても適切だったか調べる。
 同日の衆院国土交通委員会で、田中健氏(国民民主党、比例東海)の質問に井上智夫水管理・国土保全局長が答弁した。井上氏は「4月末までに日軽金に調査を行うこととする」と述べた上で「水利使用が適切になされているか第一義的な説明責任は水利使用者にある。日軽金に対し誠実な対応を求める」とした。
 日軽金は2007年に国が全国に指示した取水量報告の改ざんの有無に関する自主点検指示に対し「該当なし」と回答している。
 国の規則によると、同発電所の榑坪(くれつぼ)取水せきは国の規則が4~9月に毎秒1・4立方メートル、それ以外は毎秒1・0立方メートルを富士川水系の早川に放流するよう義務付けている。
 波木井発電所の1987~91年と2000~06年の取水量報告書には「平均取水量を連日許可上限いっぱいの毎秒30・00立方メートルちょうどに制御した」とする趣旨の記載が見つかり、専門家が技術的な視点から記載の信憑(ぴょう)性に疑問を呈している。
 同省水政課の担当者は取材に「現在具体的な調査メニューを検討している」と明かし、07年3月の国の自主点検指示に対する日軽金の報告内容以外も調査する意向を示した。
 日軽金は静岡新聞社の取材に「関係各所から指導・協力を得ながら発電所を運用する」と1日までに回答した。

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