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被災地への思い胸に始動 五輪出場狙うハンド女子

 4月にパリ五輪最終予選(ハンガリー)を控えるハンドボール女子日本代表が、被災地への思いを胸に始動した。11日まで、大阪府熊取町で今年最初の合宿を実施。石川県白山市の予定だったが、能登半島地震を受けて会場変更となった。富山県高岡市出身で、石川県を本拠とする北国銀行に所属する犀藤菜穂は「安否の分からない方もいて心が痛い」と目を潤ませ、「自分たちにできることは精いっぱいハンドボールをやること」と気丈に語った。

大阪府熊取町で行われたハンドボール女子日本代表の合宿。石川県白山市で行われる予定だったが、能登半島地震を受けて会場変更となった=8日
大阪府熊取町で行われたハンドボール女子日本代表の合宿。石川県白山市で行われる予定だったが、能登半島地震を受けて会場変更となった=8日

 代表には北陸にゆかりの深い選手が多い。8人がメンバー入りした北国銀行は昨年4月、今回の地震で大きな被害を受けた石川県珠洲市でハンドボール教室を開いた。その縁で片道約3時間かけて金沢市での試合に応援に来てくれた方もいたという。市民らと交流を深めてきただけに選手はショックを受けていた。
 富山県氷見市出身の北原佑美(ソニーセミコンダクタ)は帰省中に同市内の祖父宅で地震に遭った。津波警報を聞き、車で高台に避難。家族は無事だったが「(家が)全壊しているところもあった。余震が多く心配」と話した。
 楠本繁生監督は「合宿ができることに感謝し、結果で被災地に元気を与えられるという思いで取り組もう」と呼びかけ、選手は動揺を抑えて厳しい練習をこなした。目指すは1976年モントリオール五輪以来の自力での五輪切符獲得。北原は「応援してくださる方がたくさんいるので、明るいニュースを届けたい」と意気込み、チーム一丸となって決戦に備える。

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