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車いすハンドボール広がれ パラリンピック夢見て

 車いすハンドボールの普及のため、関係者が奮闘している。全国的な連盟が発足し、今年で20年。国際的には2028年ロサンゼルス・パラリンピックの正式種目採用に向けた動きがあり、日本ではまず来年、世界選手権への初参加を目指す。

車いすハンドボールの大会で、シュートを狙う選手=9月、岩手県花巻市
車いすハンドボールの大会で、シュートを狙う選手=9月、岩手県花巻市

 今年9月、岩手県花巻市の体育館で、同県では初めての大会が開かれた。競技人口増加を優先しており、障害のあるなしにかかわらず参加できる形式を取った。10代から70代の約60人が参加し、半数が大会参加は初めて。老若男女が一つのコートで楽しんだ。
 03年に発足した「日本車椅子ハンドボール連盟」(徳島県鳴門市)によると、国内約20チームは大阪府や京都府など関西中心。東北では宮城県の1チームのみで、今年4月に首都圏で活動するチームが関東地方で初めて発足した。
 岩手にはチームがないため9月の大会には、宮城のチームに加え、岩手の車いすバスケットボールのチームが参加した。このうち、大和田洋平さん(33)は23歳の時、事故で負傷し、車いす生活になった。高校時代にはハンドボール部だったといい「パス回しがスピーディーで、接触も少なく、気軽に楽しめた」と笑顔を見せた。
 花巻市ハンドボール協会の中島昭博会長(63)は長年教諭を務め、現在は特別支援学校に勤務している。以前は選手で、約10年前から車いすハンドボールの普及にも取り組む。
 パラスポーツとしては障害のある人のみの参加だが、中島さんは、普及の場での年齢や性別の垣根を越えた交流も魅力だと考える。「障害は個性。誰もが分け隔てなくスポーツを楽しめる社会を広げたい」と語った。

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