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AI義手に、ロボット盲導犬 アジアパラ、テクノロジーと共生

 【杭州共同】22日に中国の杭州奥体センター競技場で開催されたアジアパラ大会開会式で、ハイライトとなった聖火の点火は脳の指示で動く人工知能(AI)が搭載された義手を装着したパラアスリートが務めた。杭州はアリババグループが本社を置く巨大IT都市。最新技術で障害者スポーツの祭典の開幕を彩りつつ、テクノロジーと障害者が共生する近未来の到来を印象づけた。

杭州アジアパラ大会の開会式で聖火台に向かうAI搭載の義手を装着したランナー=22日、杭州(共同)
杭州アジアパラ大会の開会式で聖火台に向かうAI搭載の義手を装着したランナー=22日、杭州(共同)

 聖火リレーの最終走者は2016年リオデジャネイロ・パラリンピックの競泳女子金メダリストの徐佳玲(中国)だった。5歳で交通事故に巻き込まれ、左腕を失った。右手にトーチを持って聖火台に近づくと、義手の左手にスムーズに持ち替えて点火。トーチを高々と掲げ、アピールした。
 大会組織委員会によると、10日間ほどの訓練で、あらゆる動作に対応できるようになったという。広報担当者は「未来の技術。普及することができれば、大きな革新につながる」と意義を強調。徐佳玲は「新しい技術に慣れるまでに時間はかかったが、大役を無事に果たせて興奮している」と語った。
 健常者によるアジア大会の開会式でも、巨大なバーチャル走者が聖火台に点火する演出が話題を呼んだ。アジアパラ大会では聖火リレーでも、ロボットの盲導犬が盲目の女性ランナーをサポートする場面が見られた。ランナーは「本物の盲導犬と同じ感覚だ」と驚きの声を上げていた。

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