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残留日本兵の資料館開館 インドネシア、写真展示

 【ジャカルタ共同】第2次大戦中に日本が占領したインドネシアに敗戦後も残り、オランダからの独立戦争に加わった日本兵らの生きた証しを伝える資料館の開館式が15日、ジャカルタであった。最後の一人が2014年に他界。資料館は子孫らでつくる「福祉友の会」が管理し、写真のほかインドネシアが授与した勲章や軍服などゆかりの品を展示している。

残留日本兵の資料館で展示されている写真と、日系3世の幸松リマさん=15日、ジャカルタ(共同)
残留日本兵の資料館で展示されている写真と、日系3世の幸松リマさん=15日、ジャカルタ(共同)

 開幕式では、祝い事で食べる色とりどりの料理「ナシトゥンペン」を3世らが参加者に振る舞い、展示写真の多くを撮った写真家の長洋弘さん(76)があいさつした。長さんは日本人学校の教師だった1980年代からインドネシア各地に足を運んで残留日本兵約110人を撮影。「『若造に戦争の何が分かるか』と怒鳴られたこともあった」と振り返った。
 展示には日系3世の幸松リマさん(34)が寄贈した元陸軍中尉の祖父、故幸松嵩さん(大分県出身)の表彰状の写しも並ぶ。嵩さんは独立戦争後は商社で勤務し、83年に60歳で死去。独立に貢献した人々が眠るジャカルタ南部の「カリバタ英雄墓地」に埋葬されている。
 「祖父は寡黙で自身の人生に不満を漏らさなかったと聞いている」とリマさん。「インドネシア人にも残留兵の存在を知ってもらい、両国の関係を深める場所にしたい」と期待を語った。

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