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井上靖「上の家」保存へクラウドファンディング 伊豆・湯ケ島

 伊豆市湯ケ島で幼少期を過ごした文豪井上靖の母の実家で、老朽化が進む「上(かみ)の家」(同市湯ケ島)を後世に残そうと、市観光協会天城支部と井上靖ふるさと会は6日から、修繕費のクラウドファンディング(CF)を始める。関係者は「井上文学の中で重要な場所。湯ケ島の宝として保存したい」と協力を呼び掛ける。

外壁の崩落など老朽化が進む上の家。修繕費をクラウドファンディングで募る=伊豆市湯ケ島
外壁の崩落など老朽化が進む上の家。修繕費をクラウドファンディングで募る=伊豆市湯ケ島

 明治初期に建てられた上の家は築150年ほど。井上靖も当時は日常的に訪れていて、自伝的小説「しろばんば」の中でも登場する。現在は井上文学愛好家が見学に訪れているが、瓦屋根が波打ち、しっくいの外壁が崩れ落ちるなど老朽化が顕著で、修繕が喫緊の課題になっている。
 同支部と、井上靖生誕100年の際にイベントを企画したメンバーで構成するふるさと会が主導し、修繕費の一部の100万円を目標に支援を募る。市からも費用の補助を受ける予定で、来夏ごろまでの修繕完了を目指す。堀江昭二支部長は「多くの人に見てもらえるようにして観光の目玉にしたい」と期待し、宇田治良会長は「当時を知っている人が減ってきている。地元で守らなければ」と力を込めた。
 上の家で月に数回、お茶会などを企画するあすなろ会の岡田明子代表は「上の家は全国のファンが喜んでくれる建物。文学ガイドの拠点として使いたい」と望んだ。
 12月18日まで、CFサイト「レディーフォー」で募る。支援額に応じて返礼品を贈る。インターネットでの支援が難しい場合は代理支援も受け付ける。
 問い合わせは同支部<電0558(85)1056>へ。

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