【長谷部誠引退表明】「経験、日本サッカーに還元を」 藤枝東高恩師・服部康雄さん

 サッカー元日本代表主将の長谷部誠選手(藤枝東高出)が17日に今季限りでの現役引退を表明したことを受け、高校時代の恩師で静岡県サッカー協会副会長の服部康雄さんは「本当にお疲れさま」とねぎらった上で、「選手として積んだ、類いまれな経験を日本サッカー界に還元してほしい」と今後の活躍に期待を寄せた。服部康雄さん
 服部さんのもとには本人から10日ほど前に現役引退を決めたと報告があったそうで、「ほかのチームに移ればまだやれると思うが40歳までプレーを続け、決断に文句を言う人はいない。『今までよくやった』と伝えた」という。W杯南アフリカ大会直前の日本代表合宿で調整する長谷部=2010年6月
 思い出深いのは2010年のワールドカップ(W杯)南アフリカ大会で決勝トーナメント進出を果たし、長谷部選手から電話を受けた時のこと。当時、県教委勤務だった服部さんは静岡駅で号外を受け取ったことなど国内の興奮した様子を伝えたが、本人は謙虚な言葉で「まだこれからです」と浮かれた様子はなく頼もしく感じた。振り返れば、もっと能力が高いと思った教え子は何人かいたが、この真摯(しんし)な姿勢がW杯で3大会続けて日本代表の主将を務めた「原動力になったのでは」と語る。2018年のサッカーワールドカップ・ロシア大会1次リーグのコロンビア戦で、ゴールを決めた大迫(中央)とともに喜ぶ長谷部(右)=サランスク(時事)
 引退後の進路について、「まずはゆっくりと自分の将来を考えた後、これまで培った能力を生かし、代表監督や協会会長などを担って日本サッカーの発展に貢献してほしい」とエールを送った。
(運動部・寺田拓馬)

J3沼津・中山監督「母校の名を世に」 後輩の活躍たたえる
 サッカーJ3アスルクラロ沼津の中山雅史監督(56)が17日、元日本代表主将の長谷部誠選手(40)の現役引退発表を受けて、ルヴァン杯J1札幌戦後の愛鷹広域公園多目的競技場(沼津市)で取材に応じた。同じ藤枝東高OBとして、「藤枝東の名を世にとどろかせてくれてありがとう」と活躍をたたえた。
 中山監督は「本当にお疲れさま。ドイツで日本人選手がやれるのは、長谷部の人となりとプレーが(ファンを)引き込んだから」とねぎらった。その上で「よく僕の教えを守ったなと思う」とちゃめっ気たっぷりに語った。

 残した功績 誇り
 北村正平藤枝市長の話 日本代表のキャプテンとしてワールドカップ3大会出場やドイツでの活躍など、長谷部選手が残された功績は大変素晴らしいものであり、藤枝市民として誇りに思う。今後、日本サッカー発展のためにご活躍されることを期待している。

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