ヤマハ発、フォーミュラEに動力部品 英企業と技術提携、25年の供給開始目指す

 ヤマハ発動機は28日、電気自動車(EV)の国際レースシリーズ「フォーミュラE」用の電動パワートレイン(動力ユニット)開発・供給で、レーシングカー開発の英ローラカーズと技術提携を結んだと発表した。ローラがヤマハ発のパワートレインを使ってレース車両を開発する。参戦チームへの車両供給は2025年開始を目指す。
フォーミュラE用の電動パワートレイン開発・供給に関する提携締結を発表した記者会見=28日、都内
 「EVのF1」と呼ばれる世界最高峰のレースを通じて得た知見を、二輪車や船外機など自社の電動技術の底上げにつなげる。ヤマハ発が四輪レース向けに基幹部品を供給するのは、1997年のF1以来となる。ローラは数々の国際レースで活躍した車両を開発してきた。
 フォーミュラEではバッテリーやシャシーなどは共通部品だが、ヤマハ発が担うのは各チームの競争力を左右するモーターやその制御のためのインバーターとソフトウエア。同社はこれまでにもスポーツタイプの試作EV向けに高出力モーターユニットを供給した実績がある。ローラと協力して開発に取り組むことで、これらの基礎技術を高度化し、フォーミュラE向けの最先端のパワートレインに仕上げる。搭載したレース車両にはヤマハ発のロゴも入る予定という。
レース車両のイメージ(ローラカーズ提供)
 都内で会見したヤマハ発の丸山平二取締役は「われわれの製品ではバッテリーのエネルギーをいかに無駄なく使うかが重要な技術。世界最高レベルでその技術の開発に情熱的にチャレンジしていく」と意欲を示した。レースを通じて磨いた電動技術については「自動車メーカーに限らず、いろいろな領域に提供していきたい」と述べた。
 フォーミュラEは29、30日の両日、初の日本開催となる東京大会が開かれる。会見にはローラ幹部のほか、フォーミュラEのジェフ・ドッズCEO(最高経営責任者)らも同席した。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞