アイダホ大、被爆者に名誉博士号 米、小倉桂子さんの活動評価

 【ロサンゼルス共同】米西部アイダホ州のアイダホ大は11日、広島市の被爆者、小倉桂子さん(86)に名誉博士号を授与した。昨年の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)で各国首脳に被爆体験を語るなど、国内外での活動を評価した。小倉さんは取材に「重みを感じた。これからも体験を伝え続けたい」と決意を新たにした。

米アイダホ大から名誉博士号を授与された被爆者の小倉桂子さん(手前中央)=11日、アイダホ州モスコー(同大提供・共同)
米アイダホ大から名誉博士号を授与された被爆者の小倉桂子さん(手前中央)=11日、アイダホ州モスコー(同大提供・共同)

 小倉さんはアイダホ州モスコーで開かれた卒業式に、角帽とガウンを着用して出席。「原爆の経験を広める使命に取り組み続けた」と紹介され、壇上で人文学の名誉博士号を受け取った。会場からの拍手に笑顔を見せた。アイダホ大とは2022年に招かれて学生らの前で被爆証言をするなど、交流があるという。
 小倉さんは8歳の時、広島原爆の爆心地から約2・4キロの自宅近くで被爆。広島の原爆資料館の館長を務めた夫の馨さんを1979年に亡くし、遺志を継いで自身の体験を英語で語ってきた。アイダホ大によると、50以上の国・地域の人々に証言をしてきた。

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