ミサイル枯渇、被害拡大 チェルニヒウ攻撃で知事

 【チェルニヒウ共同】17日にロシア軍によるミサイル攻撃を受けたウクライナ北部チェルニヒウ州のチャウス知事が同日、共同通信の取材に応じ「迎撃用ミサイルの枯渇によって人命が奪われ続けている」と強調した。防空態勢強化に向け国際社会の支援を訴えた。攻撃では州都チェルニヒウの人口密集地が狙われ、17人が死亡、約80人が負傷した。

ロシア軍のミサイル攻撃を受けた建物と重機による復旧作業=17日、ウクライナ北部チェルニヒウ(共同)
ロシア軍のミサイル攻撃を受けた建物と重機による復旧作業=17日、ウクライナ北部チェルニヒウ(共同)

 チャウス氏によると、17日午前9時(日本時間同日午後3時)ごろ、ミサイル3発が連続で撃ち込まれ、ホテルや病院、教育施設など20以上の建物が被害を受けた。
 現場を視察したチャウス氏は「われわれが十分な防空システムを保有していれば、これほどの被害は出なかった。国際社会に言いたいことは一つだ。防空システムを供与してほしい」と語った。
 現場では小雨が降る中、重機による救助活動が続いた。倒壊した建物のがれきの中から次々に遺体が収容された。路上に置かれた女性の亡きがらの傍らで、夫の男性が顔を覆って号泣する姿もあった。別の男性の遺体は、顔に大きな裂傷ができていた。
 周辺には家族や知人の安否を心配する人たちが集まり、遺体が収容されるたびに悲鳴が上がり、互いを抱き締めて慰め合った。8階建てのホテルは特に損傷が激しく、大量のコンクリート片が山積みになっていた。

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